ECサイトの梅雨時期で売上が落ちる理由と季節需要を引き出す3つの販促設計とは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイトの梅雨時期に売上が下がる理由
梅雨時期の売上低下は、気象条件と消費者心理の変化が連鎖することで起きる構造的な現象です。
梅雨の季節になると、多くのECサイトの売上が大きく低下します。これは単なる季節変動ではありません。
消費者の行動パターンと購買心理が根本から変わるからです。
梅雨時期の売上低下とは、気象条件による外出減少と消費者の心理的変化が連鎖し、サイト流入の減少だけでなく購買意欲そのものが低下する状態を指します。
この時期に売上が下がるのは、消費者が「今買う必要性」を感じなくなるからです。
天候が悪く、気温と湿度が変わりやすく、外出控えが増えることで、オンライン検索そのものが減少します。
さらに、心理的には梅雨の重い気分が購買意欲に影響し、新しい商品への関心が低下する傾向があります。
実際の現場では、梅雨時期(6月中旬~7月初旬)のアクセス数が前月比30~40%低下する企業が多くあります。 これ、多くの企業が悩んでいるポイントですね。その中でも、季節連動型の販促設計ができている企業は、逆にこの時期を成長機会として活用しており、売上を維持・拡大しています。
梅雨時期マーケティングとは何か

梅雨時期マーケティングとは、気象と消費心理の変化を先読みし、梅雨特有の需要を顕在化させる販促戦略です。
これは単なる季節商品の販売ではありません。
多くの企業が梅雨時期を「待つ季節」と考えていますが、これは大きな誤解です。梅雨時期には、梅雨特有の需要が確実に存在します。それは以下の3つです。
- 梅雨対策商品への需要(カビ対策、湿度管理、防カビ商品)
- 雨の日の室内活動需要(家でできる商品、娯楽、快適グッズ)
- 夏に向けた準備需要(紫外線対策、肌ケア、涼感商品)
重要なのは、この需要は「検索」で見つけられず、「推奨」「習慣」「来店」で成立するということです。 ここは意外と見落とされがちですが、つまり、梅雨時期マーケティングは、消費者が梅雨対策を思い出す前に、企業側が提案する仕組みが必要になります。
梅雨時期の売上低下は3つの要因に分解できる
売上低下の構造は「検索需要の変動」「来店習慣の停滞」「信頼設計の弱体化」の3つに分類できます。
梅雨時期の売上低下は、単一の原因ではありません。
複数の構造的な要因が重なることで起きます。福岡ECサイト株式会社が支援する企業の分析から、以下の3つの要因が特定されています。
1つ目の要因:検索需要の季節変動
梅雨時期には、一般的な季節商品(夏物、春物)の検索が減少します。これは気温や気候の急激な変動によって、消費者の購買計画が曖昧になるためです。
具体的には、6月の検索ボリュームは5月比で15~25%低下する傾向があります。さらに問題なのは、検索量の減少だけでなく、検索キーワードそのものが変わることです。
通常時期:「夏用Tシャツ」「涼感寝具」などの季節カテゴリ検索が主流 梅雨時期:「カビ対策」「除湿機」「部屋の湿度管理」など悩み解決型の検索にシフト
つまり、従来の商品軸の販促では消費者ニーズと合致せず、流入が減少するのです。
2つ目の要因:来店習慣の停滞
梅雨時期は天候悪化に伴い、消費者の購買サイクルそのものが停滞します。これは来店習慣設計理論の観点から見ると、「来店理由がなくなる」ことを意味します。
通常時期には曜日セール、限定商品、入口商品による来店動機が機能しますが、梅雨時期は以下の理由で失効します。
- 心理的:梅雨の重さが理由で、購買欲求そのものが低下
- 行動的:外出減少に伴い、ポイント還元やセール情報への反応低下
- 時間的:在宅時間は増えるが、購買予約は減少(購買計画性の低下)
結果として、通常月では「毎週月曜日にサイト来店」といった習慣が、梅雨時期は2週間に1回以下に低下するパターンが多く見られます。
3つ目の要因:信頼設計の弱体化
梅雨時期は、商品レビュー、実績情報、企業からのメッセージの発信量が減少する傾向があります。これは企業側が「売上が下がるから発信を控える」という悪循環に陥るからです。
実際には、売上低下の時期こそ情報発信と信頼構築が重要です。梅雨対策商品、雨の日グッズ、防カビ関連商品について、企業からのアドバイスや使用事例があれば、消費者は購買判断がしやすくなります。
福岡ECサイト株式会社が支援した企業の事例では、梅雨時期に「雨の日の過ごし方」「梅雨対策ガイド」といった信頼情報を積極的に発信した結果、新規顧客からの問い合わせが38%増加しました。
梅雨時期マーケティングは3つの販促設計で決まる

梅雨時期の売上低下を防ぎ、逆に機会に変えるには、以下の3つの販促設計が必要です。これらは単なる施策ではなく、梅雨特有の消費心理に合わせた構造設計です。
設計1:梅雨対策商品の顕在化設計
梅雨時期には、消費者が自覚的に「梅雨対策商品が必要」と思うケースは限定的です。むしろ企業側が「この商品は梅雨に活躍する」と明示することで、購買ニーズが顕在化します。
この設計に必要な要素は以下の通りです。
- カテゴリページのリニューアル:通常の「カビ対策」で終わらず、「梅雨時期の快適グッズ」「雨の日のストレス軽減商品」など、利用シーンベースの分類を新設する
- 商品詳細ページの修正:「この商品がなぜ梅雨に必要か」を明確に記述。気象データや季節学に基づいた説明が効果的
- 入口商品の設定:梅雨対策の入口となる低価格帯商品(除湿シート、防カビスプレーなど)を目立つ位置に配置
- 比較表の追加:梅雨対策商品同士の比較(除湿機 vs 除湿シート vs 防カビスプレー)により、消費者の選択を支援
判断基準としては、梅雨対策カテゴリページの月間PV数が、通常月比で30%以上増加していれば、設計が機能している状態です。
設計2:雨の日来店習慣の再設計
梅雨時期は外出が減り、在宅時間が増えます。この時間を購買活動に結びつけるには、「雨の日特有の来店理由」を設計する必要があります。
来店習慣設計理論では、来店理由を以下のように整理します。
- 商品軸:「雨の日セール」「室内活動商品フェア」などテーマ限定型
- 時間軸:「雨の日は15%オフ」など天候連動型のキャンペーン
- 顧客軸:「梅雨時期限定ポイント2倍」など特定タイミングの優遇
- 情報軸:「雨の日の過ごし方」「梅雨の湿度対策」などメディアコンテンツ
実装方法としては、以下のステップが有効です。
- メルマガ配信頻度を月2回から週1回に増加:雨の日こそ購買機会。定期的な接触で来店習慣を作る
- SNS投稿の切り替え:「今日の梅雨の過ごし方」など日々の気象変化に連動した投稿
- ポップアップセール:3~5日単位の短期セールを複数回開催し、「頻繁にセールがある」という期待を作る
- LINE通知:天気予報と連動し、「明日は雨です。室内グッズはこちら」といった提案通知
判断基準:梅雨時期の施策導入後、サイト訪問頻度が平均3日に1回以上(通常時期の2倍)に増加していれば、来店習慣が再設計できています。
設計3:梅雨対策情報の信頼構築設計
梅雨時期マーケティングの最後のピースは、企業が梅雨対策の専門家として認識されることです。これは商品販売よりも前に、「この企業は梅雨のことをよく知っている」という信頼を構築する必要があります。
信頼設計理論の観点から、以下の3つのコンテンツが必須です。
- ガイドコンテンツ:「梅雨の湿度が肌に与える影響」「カビが発生しやすい場所と対策」など、季節学に基づいた情報
- 事例コンテンツ:「雨の日を快適に過ごすお客様の事例」「梅雨対策の成功事例」など、実際の利用シーン
- 専門家コンテンツ:「梅雨時期の商品選びのポイント」を、企業の専門スタッフが解説する動画やブログ
実装タイミングは梅雨時期の3週間前(6月第1週)から開始が目安です。これにより、消費者が「梅雨対策が必要」と気づくタイミングで、企業の情報が目に入ります。
判断基準:これらのコンテンツが月間10,000PV以上を獲得し、かつそのコンテンツから商品ページへの遷移率が8%以上であれば、信頼設計が機能している状態です。
梅雨時期マーケティングの失敗パターン
梅雨時期マーケティングで失敗する企業の共通パターンは2つあります。
失敗パターン1:梅雨対策商品の売上は増えるが、全体売上は減少
梅雨対策商品を突然フロントに出した場合、その商品の売上は増えます。しかし全体売上は減少することが多いです。
理由は、通常の購買客層が「今の季節に必要な商品」を探すときに、梅雨対策商品ばかり目立つナビゲーションに混乱し、購買をあきらめるからです。
正しい設計では、通常カテゴリを維持しながら、「梅雨特集」「雨の日セール」という別枠でコーナーを作ります。 重要なのはここです。梅雨対策の需要を奪うのではなく、追加需要として設計することが必要になります。
失敗パターン2:短期的なキャンペーンで終わり、構造改善がない
「梅雨セール」「6月限定キャンペーン」として一時的に売上を獲得しても、梅雨が終わったら元に戻る企業が多くあります。
本当の設計は、梅雨時期の経験を次のシーズンに活かす「構造記憶」です。梅雨対策商品がなぜ売れたのか、どの情報設計が効いたのかを分析し、年間の販促カレンダーに組み込むことで、梅雨時期は「勝ちパターン」になります。
ECサイトリニューアルで梅雨時期対応を組み込む

梅雨時期マーケティングを本気で実装するなら、ECサイトのリニューアルで以下の2点を組み込むことを推奨します。
1つ目は、カテゴリ・ナビゲーション設計です。季節商品を「期間限定コーナー」として常設できる機能があれば、年間を通じて季節対応が可能になります。
2つ目は、コンテンツ機能の強化です。ブログ、動画、ガイドコンテンツを簡単に追加・更新できるCMS機能があれば、梅雨対策情報の発信が容易になります。
AI検索対策での梅雨時期キーワード設計
AI検索(ChatGPT、Geminiなど)では、「梅雨時期の過ごし方」「雨の日の湿度対策」といった悩み解決型の検索が増えます。
AI検索対策では、以下の設計が重要です。
- Q&A形式のコンテンツ:「梅雨時期に湿度が高いとどうなる?」といった質問形式で答える
- 解決策の明確化:「その場合はこの商品を使用する」など、悩みから商品への道筋を示す
- 信頼情報の充実:メーカー情報、使用実績、専門家推奨など、AI引用設計に適した構造
これらを組み合わせることで、AI検索からの流入も自然に増える傾向があります。
梅雨時期マーケティングに関するよくある質問
Q1:梅雨時期の売上低下は避けられないのではないでしょうか?
いいえ、設計次第で避けられます。梅雨時期は「需要がない」のではなく、「需要が変わる」だけです。福岡ECサイト株式会社が支援した季節用品を扱うECサイトでは、梅雨対策商品の販促設計により、6月の売上を前年同月比で42%増加させました。
重要なのは、この時期特有の消費心理を先読みし、商品・情報・キャンペーンを先制的に設計することです。
Q2:梅雨時期は全業種で売上が下がるのですか?
いいえ、業種によって傾向は異なります。ファッション、家電、食品などの一般的なECサイトでは売上が低下しやすいですが、カビ対策商品、除湿・加湿機器、室内活動グッズなどを扱うサイトでは売上が増加します。
自社の商品ラインアップを見直し、梅雨時期に需要がありそうなカテゴリを特定することが第一歩です。
Q3:梅雨時期マーケティングの準備はいつから始めるべきですか?
遅くても5月中旬から準備を開始することをお勧めします。理由は、消費者が「梅雨が近い」と気づくのが5月下旬だからです。
準備内容は、①梅雨対策商品のリスト化と仕入れ確認、②情報コンテンツの執筆とスケジュール策定、③キャンペーン企画と予算配分の3点です。
Q4:メルマガ配信頻度を増やすと、購読解除が増えませんか?
一般的にはリスク要因ですが、梅雨時期であれば話は異なります。メルマガ内容を「雨の日の過ごし方」「今日の湿度対策」など、タイムリーで有用な情報に特化させれば、開封率と購読継続率の両方が高まる傾向があります。
ポイントは、単なる販促ではなく「この時期に役立つ情報」という視点で編集することです。
Q5:梅雨対策商品を仕入れても売れるかどうか確実ではないのですが?
その場合は、小ロット仕入れから始めることをお勧めします。あるいは、既存在庫の中から梅雨対策に活用できる商品を再分類し、販促に活用する方法もあります。
福岡ECサイト株式会社の支援事例では、新規仕入れせずに既存商品を「梅雨対策カテゴリ」として再編集しただけで、その商品群の月間売上が25%増加したケースもあります。
梅雨時期マーケティングで判断すべき基準
自社のECサイトで梅雨時期対応をどの程度まで実施すべきかは、以下の基準で判断してください。
- 梅雨対策商品の売上構成比が全体の5%未満:対応を優先的に検討すべき。競合他社に先行されるリスクあり
- 梅雨対策商品の売上構成比が5~15%:部分的な販促設計で対応。季節セールとコンテンツ拡充を実施
- 梅雨対策商品の売上構成比が15%以上:既に市場機会を認識している。さらなる構造設計により差別化を図る
また、サイトリニューアルを検討している場合は、カテゴリ構造と季節対応機能の強化をリニューアル要件に組み込むことをお勧めします。
つまり梅雨時期マーケティングとは
梅雨時期マーケティングとは、気象変化による消費心理の転換を先読みし、その時期特有のニーズを商品・情報・来店習慣で顕在化させ、売上低下を防ぎながら季節機会を最大化する販促構造設計のことです。
梅雨時期マーケティングで実行すべきこと
梅雨時期マーケティングを実装するには、以下の3つの対応が必須です。
第1に、梅雨対策商品と雨の日グッズの明確な分類。これにより消費者が「この時期に何を買うべきか」を判断しやすくなります。
第2に、メルマガやSNS、コンテンツを通じた定期的な情報発信。5月下旬から7月初旬にかけて、週1~2回の発信が目安です。
第3に、来店習慣を再設計するキャンペーン。短期セールではなく、「雨の日だから来訪する」という習慣を設計することが重要です。
判断基準としては、梅雨時期(6月~7月初旬)のアクセス数が前年同月比で現状から20%以上増加、かつ梅雨対策カテゴリの売上構成比が15%以上であれば、販促設計が機能している状態です。
まずはコンテンツ発信から始めてみてください
梅雨時期マーケティングを今から始めるなら、まずは「梅雨対策ガイド」「雨の日の過ごし方」といったブログコンテンツの執筆をお勧めします。
コンテンツがあれば、それを軸にメルマガやSNS、AI検索対策へと自然に展開できます。急な施策変更や高額な広告費も不要です。
今年の梅雨対応を逃した場合も、来年に向けた準備は今から始められます。 実際の現場では、このタイミングで差がつくケースが多いです。
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