ローソンが「生成AIが考えた新商品」を発売|ピクルス風味のレモンタルトから学ぶ、AIを”アイデアの相棒”にする方法
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コンビニの棚に「AIが考えたスイーツ」が並びました
「レモンタルト(ピクルス風味)」と聞いて、どんな味を想像するでしょうか。多くの方が「え、ピクルス?」と首をかしげると思います。
実はこれ、ローソンが生成AIの発想をもとに開発した新商品です。ローソンは2026年9月29日から、AIの提案から生まれた3つの商品を、関東・甲信越地区の店舗で販売しています。店頭の販促物には「AI発案」「AIが考えた!?」と大きく書かれています。
AIが文章を書いたり、画像をつくったりするのは、もう珍しくありません。今回のニュースが面白いのは、AIが「食べ物のアイデア」を出し、それが実際にお店の棚に並んだことです。この記事では、この取り組みから私たちが何を学べるのかを考えていきます。
発売された3つの商品
1つ目は「レモンタルト(ピクルス風味)」(税込270円)です。刻んだピクルスの酸味とレモンの爽やかさに、チーズのコクを合わせ、甘さを抑えたタルトに仕上げています。
2つ目は「酒種あんバターヨーグルトパン」(税込181円)です。酒種を使った生地に、粒あん、発酵バター入りのマーガリン、ヨーグルトクリームを組み合わせています。発酵した素材どうしを掛け合わせるというAIの提案がもとになりました。
3つ目は「混ぜて食べる 和風パフェサラダ(ビーフン入り)」(税込475円)です。7種類の具材とビーフンを、白だし仕立ての和風ジュレで味わうサラダで、「パフェのような見た目で楽しむサラダ」という発想から生まれました。
タルトとパンは約4,700店舗、サラダは約3,800店舗で販売されます。
ポイントは「あえてデータを使わなかった」こと
今回の取り組みでいちばん興味深いのは、アイデアを出す段階で、過去の販売実績や市場データをAIに使わせなかったことです。
ふつう、商品開発では「何が売れてきたか」というデータを重視します。しかし、データを頼りにすると、どうしても「これまで売れたものに似た商品」になりがちです。ローソンはそこであえてデータを外し、「今までにない組み合わせや味」「見た瞬間に『なんだこりゃ?』と思われる」「でも食べてみたらおいしい」というテーマだけをAIに与えました。
そして大事なのが、AIの提案をそのまま商品にしたわけではないという点です。AIが出したアイデアをもとに、商品開発の担当者が試作と検証を何度も重ねて、実際においしい商品に仕上げています。AIは「発想する役」、人は「形にして確かめる役」。この役割分担こそが、今回の取り組みの本当の見どころです。
Before→After:アイデア出しはこう変わります
これまでのアイデア出しは、会議室に集まって、みんなで頭をひねるのが定番でした。ただ、人が考えるアイデアには、どうしても「常識」や「失敗したくない気持ち」がブレーキとしてかかります。「ピクルスとレモンタルトなんて合うわけがない」と、口に出す前に自分で打ち消してしまうことも多いはずです。
これからは、まずAIに常識外れのアイデアを何十個も出してもらい、人はその中から「これは面白いかも」と思えるものを選んで磨く、という流れがつくれます。ゼロから考える苦しさが減り、「選ぶ」「育てる」ことに時間を使えるようになります。
Webサイト運営・EC運営ではこう使えます
この考え方は、食品メーカーや大手コンビニだけのものではありません。Webサイトやネットショップの運営にも、そのまま応用できます。
商品企画では、「うちの商品と、意外なものを組み合わせたセット商品のアイデアを20個出して」と頼んでみましょう。自分では思いつかない組み合わせが出てくるはずです。季節の限定企画や、福袋の中身を考えるときにも役立ちます。
商品名やキャッチコピーでも使えます。ローソンがテーマにした「見た瞬間に『なんだこりゃ?』と思わせる」という考え方は、ネットショップの商品名や広告文にもそのまま通じます。スクロールする指を止めてもらうには、ちょっとした「意外性」が必要だからです。
そのほかにも、LINE配信やメルマガの企画、SNS投稿のネタ、特集ページのテーマ、ランディングページの切り口など、「新しいアイデアが必要な場面」ならどこでも使えます。
ただし、ローソンと同じように、AIのアイデアをそのまま使わないことが大切です。お客様に本当に喜ばれるか、ブランドに合っているか、実現できるか。最後の判断は、お店のことをいちばん知っている人間が行いましょう。
「AI発案」は、それ自体が話題になる
もうひとつ見逃せないのが、ローソンが「AI発案」であることを隠さず、むしろ前面に出して宣伝している点です。
「AIが考えた」と書かれていると、「どんな味なんだろう」と気になって、つい手に取ってみたくなります。AIを使ったこと自体が、商品のストーリーになり、話題づくりにもなっているのです。
ネットショップでも、「AIと一緒に考えた新商品」「AIが提案した意外な組み合わせセット」といった打ち出し方は、SNSで話題になるきっかけになるかもしれません。
数字で考える:アイデア出しの時間が変わると
たとえば、毎月の特集企画を考えるのに、これまで半日かかっていたとします。AIにたたき台を出してもらうことで、これが1〜2時間ほどに縮まれば、浮いた時間で企画の数を増やしたり、ひとつの企画をじっくり作り込んだりできます。
企画の数が増えれば、お客様に「このお店、いつも何か新しいことをやっているな」と感じてもらえる機会も増えます。それがSNSでのシェアやリピート購入につながり、売上を押し上げる。そんな流れが生まれるかもしれません。
AI検索との関係:「ここにしかない情報」が強くなる
福岡ECサイト編集部として、AI検索の視点からも考えてみます。
ChatGPTやGoogleのAI機能は、質問に答えるとき、Web上の情報を参考にします。そのとき重視されやすいのは、どこにでもある情報より、「そこにしかない一次情報」です。
「ピクルス風味のレモンタルト」のように、ほかにない商品や企画には、それだけで語られるストーリーがあります。なぜこの商品をつくったのか、どんな試行錯誤があったのか。そうした背景を自社のWebサイトで発信しておけば、AIに「このお店ならでは」の情報として拾ってもらえる可能性が高まります。
AIでアイデアを広げ、人の手で形にし、その過程も含めて発信する。これは、AI検索の時代にお店の存在感を高める、ひとつの勝ちパターンといえます。
立場別:今日からできる使い方
個人で発信している方は、SNSの投稿ネタに困ったときに「普通の人が思いつかない切り口を10個出して」とAIに頼んでみてください。その中の1つを自分の言葉で書くだけで、投稿の幅が広がります。
Webサイトを運営している方は、特集ページやコラムのテーマ出しにAIを使ってみましょう。「うちの業界で、まだ誰も書いていなそうなテーマ」を聞いてみるのがおすすめです。
ECサイトを運営している方は、次の新商品やセット商品の企画会議の前に、AIにアイデアを30個出してもらいましょう。スタッフ全員でその中から「面白い」と思うものに投票するだけでも、いつもとは違う企画が生まれるはずです。
編集部の考察:AIの本当の価値は「常識を外してくれること」
AIというと、「作業を速くする道具」というイメージが強いかもしれません。しかし今回のローソンの取り組みは、AIのもうひとつの価値を見せてくれました。それは、人間の常識をいったん外して、考えもしなかった選択肢を目の前に並べてくれることです。
とはいえ、突飛なアイデアを「おいしい商品」に変えたのは、試作を重ねた人間の力です。AIが発想を広げ、人が磨き上げる。この組み合わせが、これからの商品づくりや企画づくりのスタンダードになっていくのではないでしょうか。
まとめ
AIは、答えを出してくれる機械ではなく、発想の壁を壊してくれる相棒です。「なんだこりゃ?」と思わせる一歩目をAIに任せ、「おいしい」「うれしい」に仕上げるのは自分たち。その使い方を知っているかどうかで、これからのお店づくりは大きく変わります。



