「Gemini に相談」がGoogle チャットに搭載へ|8月26日から段階展開、サイドパネルは置き換えに

2026.08.24 AIツール AI情報

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Googleが「Gemini に相談」を発表しました

Googleが現地時間の8月19日、ビジネス向けチャットツール「Google チャット」に新しい機能「Gemini に相談(Ask Gemini in Chat)」を追加すると発表しました。展開は8月26日から段階的に始まる予定です。

ニュースの見出しだけを読むと「また新しいAI機能か」で流してしまいそうな、地味な話に見えるかもしれません。ただ、今回の変更には少し注目すべきポイントがあります。というのも、これは新機能が「増えた」のではなく、これまであった機能が「置き換わる」話だからです。

Google チャットにはすでに、画面の右側にAIを呼び出せる「Geminiサイドパネル」という仕組みがありました。今回の「Gemini に相談」は、そのサイドパネルを置き換えるものになります。つまりGoogleは、既存のAI機能を捨ててでも、別のかたちに作り替えたということです。

そもそも「Google チャット」とは何か

まず前提の確認です。Google チャットは、Googleが提供している社内向けのチャットツールです。SlackやMicrosoft Teamsと同じジャンルの道具で、Google Workspace(GmailやGoogleドライブなどの法人向けセット)を契約している会社であれば、追加費用なしで使えます。

「うちはLINEでやり取りしているから関係ない」という方もいらっしゃるかもしれません。ただ、この記事で押さえていただきたいのは、Google チャットを使うかどうかそのものではなく、その裏側で起きている「AIの置き場所が変わりつつある」という流れのほうです。ここは、どのツールを使っている方にも関係してくる話になります。

何が変わるのか、かんたんに整理します

「Gemini に相談」は、Google チャットの左側にある「ショートカット」メニューから起動できます。キーボードのショートカットにも対応していて、ChromeOSとWindowsでは Ctrl + G、Macでは Command + G を押すと呼び出せる仕組みです。

これまでのサイドパネルは、画面の端にAIとの会話スペースが開くかたちでした。便利ではあるのですが、「AIを使うぞ」と意識して開くという一手間が挟まります。今回の変更は、その一手間をできるだけ薄くする方向の作り替えだと考えられます。

一方で、注意点もあります。従来のサイドパネルでの会話履歴は「Gemini に相談」には引き継がれません。過去のやり取りを残しておきたい方は、切り替わる前に必要な内容を控えておいたほうが安心です。また、展開当初は英語のみでの提供となり、対応言語は今後広げていく予定とされています。日本語で使えるようになるのはもう少し先、と見ておくのがよさそうです。

Before→After:「コピペして貼り直す」がなくなります

この変更が実際の仕事にどう効くのかを、作業のイメージで見てみます。

これまでは、こんな流れが多かったのではないでしょうか。社内チャットで長いやり取りが続く。要点をまとめたいので、その部分を選択してコピーする。別のタブでAIツールを開く。貼り付ける。「要約して」と指示する。出てきた文章をまたコピーして、チャットに戻って貼り直す。文字にすると6ステップです。

「Gemini に相談」が入ったあとは、この行き来がなくなります。会話の画面から離れずに、その場で相談して、その場で結果を受け取る。ステップ数が減るというより、「別の画面を開く」という心理的なハードルがなくなる、という言い方のほうが近いかもしれません。

1回あたりの短縮は、せいぜい1〜2分でしょう。ただ、こうした小さな手間は「面倒だからAIを使わない」という判断を生みます。使わなければ効果はゼロです。今回のような導線の変更は、AIを使う回数そのものを増やす効果があるかもしれません。

Webサイト運営・EC運営の現場では、どんな場面で使えるか

もう少し具体的に、日々の業務に当てはめてみます。社内チャットの中でAIに相談できるようになると、たとえばこんな使い方が考えられます。

お客様からの問い合わせをチームで共有しているとき、その場で返信の下書きを作ってもらう。長くなった打ち合わせスレッドから、決まったことと保留になっていることを抜き出してもらう。「この商品の説明文、もう少しやわらかい言い回しにしたい」といった相談を、担当者同士のやり取りの流れの中で投げてみる。

ECサイトを運営されている方なら、さらに具体的な場面が浮かぶはずです。新商品の登録時に、仕様のメモから商品説明文のたたき台を作る。レビューへの返信文を、トーンを揃えて数件分まとめて考える。よくある質問のFAQページに追加すべき項目を、実際の問い合わせ履歴から拾い出す。LINE配信やメルマガの件名を、数パターン出してもらう。広告文のバリエーションを作る。カテゴリページの説明文を整える。画像生成AIに渡す指示文を考えてもらう。

どれも、単体で見れば「AIツールを開けばできること」ばかりです。ポイントは、それが会話の流れの中でできるようになる、という一点にあります。

時間の短縮が、売上につながる可能性

ここで、数字にした場合の話も少し考えてみます。あくまで仮の話として読んでください。

仮に商品ページの説明文を書く時間が3割短くなったとすると、これまで週に3本しか更新できなかったサイトが、週に4本更新できるようになるかもしれません。更新頻度が上がれば、検索エンジンやAIに拾ってもらえるページの数も増えていく可能性があります。ページが増えて流入が増えれば、そのうちの何%かは購入につながるかもしれません。

もちろん、時間が浮いたぶんが必ず更新に回るとは限りませんし、ページを増やせば必ず売れるというものでもありません。中身の薄いページを量産すれば、むしろ評価を落とします。ただ「手が回らないから更新できない」という状態が、いちばんもったいないのも事実です。詰まっている部分が少しでも流れるようになることには、意味があります。

AI検索の時代に、この変化が意味すること

もうひとつ、少し先を見た話をさせてください。

いま検索の世界では、AIが答えを要約して見せる「AI検索」が急速に広がっています。ChatGPTやGeminiに「〇〇でおすすめの商品は?」と聞いて、そのまま買うところまで進む人が確実に増えています。この流れの中で問われるのは、「AIがあなたのサイトの情報を、正しく見つけて、正しく理解できるか」ということです。

そのためには、商品ページの説明が具体的で、条件が書かれていて、質問に答えられる状態になっている必要があります。サイズ、素材、対応する用途、他の商品との違い。こうした情報が書かれていないページは、AIから見ると「情報が足りないので推薦しづらいページ」になってしまいます。

つまり、AI検索で選ばれるために必要なのは、結局のところ地道なページの作り込みです。そして今回のような「AIを使う手間が減る」変更は、その地道な作業を続けやすくしてくれます。AIに選ばれるための準備を、AIを使って進める。この循環に早く入れた会社ほど、これからの検索環境で有利になっていくはずです。

立場別・こう使うのがおすすめです

個人で発信されている方へ。Google チャットを使っていなくても、考え方だけは持ち帰ってください。「AIを開く手間」を減らすと、使う回数が増えます。ブラウザのブックマークバーに置く、スマホのホーム画面に置く。それだけでも、AIとの距離は変わります。

Webサイトを運営されている方へ。Google Workspaceを契約されているなら、8月26日以降にご自身の環境で「Gemini に相談」が使えるようになっているか確認してみてください。日本語対応はもう少し先になりそうですが、社内で誰が使うのか、どんな業務に使うのかを先に決めておくと、使えるようになった瞬間から動けます。

EC運営者の方へ。まずは効果が出やすい業務をひとつだけ選んでください。おすすめはレビュー返信か、商品説明文のたたき台づくりです。全業務に一気に広げようとすると、たいてい途中で止まります。ひとつ回るようになってから次に広げる、という順番が結局いちばん早いです。

編集部の考察:勝負どころは「機能」から「導線」へ移りました

今回のニュースで編集部が注目しているのは、Googleが「新機能を足す」のではなく「置き換える」という判断をしたことです。

AIツールの競争は、しばらく「どのAIが賢いか」で語られてきました。ですが、ここ数か月の各社の動きを見ていると、軸が明らかに移っています。Google Workspaceの他の機能でも同じような統合が進んでいますし、他の業務ツールベンダーも「AI単体で売る」から「既存の業務に埋め込む」へと戦略を寄せてきています。

これは、AIの性能がある程度出揃った結果でもあります。性能で差がつきにくくなれば、次に問われるのは「実際に使われるか」です。そして実際に使われるかどうかを決めるのは、性能ではなく導線です。1クリック減らす、タブの切り替えをなくす、キーボードショートカットで呼べるようにする。地味ですが、こういう設計が定着率を左右します。

この視点は、そのまま自社のサイトにも当てはまります。商品ページの情報が充実していても、カートまでの導線が悪ければ買われません。良いコンテンツを作っていても、たどり着けなければ読まれません。Googleが自社のAI機能に対してやっていることを、私たちは自社のサイトに対してやる必要があります。

まとめ

「Gemini に相談」は、8月26日から段階的に展開されます。従来のサイドパネルの会話履歴は引き継がれず、当初は英語のみの提供です。日本語で本格的に使えるようになるのはもう少し先になりそうですが、今のうちに「どの業務に使うか」を決めておく価値は十分にあります。

AIは、もう「わざわざ開いて使う特別な道具」ではなくなりつつあります。仕事の会話のすぐ隣に、当たり前のように座っている存在に変わっていきます。その変化のスピードは、こちらの準備を待ってはくれません。

使うか使わないかを迷っている時間が、いちばん高くつきます。今日、ひとつの業務から始めてください。

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