Webサイト制作の見積もり削減で失敗する理由とCVR優先順位で判断すべき要件の基準とは

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鳥井敏史

福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史

この記事を書いた人

福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史

ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。

専門分野

ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計

ECサイト改善の主な実績

・ECサイト制作歴15年以上 ・MakeShopアンバサダー ・JBEA EC業界SEO部門2025受賞 ・月商100万円 → 月商2,000万円 ・BtoB EC 月商100万円 → 月商1,000万円 ・支援企業:JR九州 / JAL / 名鉄 など

この記事の監修

福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史

目次

Webサイト制作の見積もり比較で機能が削減される理由

Webサイト制作の見積もり比較をしていると、金額を合わせるために機能が次々と削減されていく経験をしていませんか。

見積もり比較で機能削減が起きる理由は、制作会社が実装コストを優先し売上構造を理解していないためです。

Webサイト制作の見積もり比較で機能削減が起きる理由とは、制作会社が「売上構造」ではなく「実装コスト」を基準に提案しているからである。つまり、どの機能が売上に直結するかを分析せず、見積もり金額に合わせて機能を切っているということです。

このプロセスの中で、実は最も重要な機能ほど最初に削減されてしまいます。削減の判断が「その機能にいくらコストがかかるか」だからです。

見積もり比較で失われる「売上に必要な機能」と「実装コストの機能」は別物である

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Webサイト制作の見積もりが複雑になる理由は、制作会社ごとに「何を機能と呼ぶか」の定義が異なっているからです。

同じ「お問い合わせフォーム」でも、制作会社Aは基本機能として含め、制作会社Bはオプション扱いにします。同じ「商品検索機能」でも、制作会社Cは自動化システムとして別途費用を想定し、制作会社Dはテンプレートに組み込んでいます。

この差が見積もり金額を大きく左右します。でもここで見落とされがちなのが、重要なのはコストではなく、その機能があるかないかで売上がどう変わるかという点です。

制作会社が「コスト視点」で機能を削減する仕組み

Shopify管理画面で予算を調整する時、制作会社の営業からこんな提案をされたことはありませんか。「この機能は後で追加できるので、まずは基本機能だけで進めましょう」という言葉です。

これは親切に聞こえますが、実は「見積もり金額を下げるために、判断が難しい機能を後送りにしている」という意味です。後から追加すると、その時点での追加工事費がさらに高くなります。

実際の現場では、制作会社の立場で考えると、以下の理由で機能削減が起きます。

  • 競合他社の見積もりに金額で合わせるために、実装コストが高い機能から削除する
  • クライアントの予算に合わせるために、「後で追加できる機能」として後送りにする
  • 実装難度が高い機能は、営業段階で曖昧にして、開発段階で詳細が出てきたときに追加費用を請求する
  • 基本機能と呼ばれるセットに含まれる機能だけを提案し、その他は「オプション」扱いにする

これらはすべて「制作会社視点の都合」であり、サイトの売上構造を考慮していません。

見積もり比較で「安い」と選んだ結果の現実

見積もり金額が安かった制作会社に決めたクライアントから、こんな相談を受けることがあります。「サイトは完成したのに、アクセスの割に売上が増えていない」「基本機能しかないので、後から追加工事が次々と出ている」という話です。

安い見積もりには理由があります。必要な機能が削減されているからです。

これは見積もり段階で「本来必要な機能」が削減されたために起きます。削減された機能には、ユーザーの購入導線に直結するものが多くあります。

例えば以下のような機能が削減されやすい理由と、その影響を見てみましょう。

削減されやすい機能 削減理由(制作会社視点) 売上への影響 後から追加する場合の費用
商品比較機能 実装に時間がかかる CVRが15~25%低下する傾向 初期実装時の1.5~2倍
レビュー・評価表示 外部システム連携が必要 信頼度が45%低下、再購入率30%減 初期実装時の1.8~2.2倍
絞り込み検索機能 データベース設計が複雑 直帰率が20~30%上昇 初期実装時の1.6~2倍
カート遺棄復帰機能 メール配信システムとの連携 売上逸失が月商の5~15% 初期実装時の2~2.5倍
ユーザー登録・ポイント機能 会員管理システムの構築 リピート率が40%低下 初期実装時の1.7~2.3倍

見てわかる通り、削減される機能ほど後から追加するときの費用が高くなります。これが現実です。これが「見積もりは安かったが、トータルコストは高くついた」という状況を生み出すのです。

CVR優先順位理論で判断すると、削減してはいけない機能が見える

Webサイト制作で最初にやるべきことは「安い見積もりを探すこと」ではなく「売上を作る構造を設計すること」です。福岡ECサイト株式会社では、これをCVR優先順位理論と呼んでいます。

売上を作るのは機能の数ではなく、機能の順番です。

CVR優先順位理論とは、Webサイトの改善と構築は「導線→商品→信頼→集客」の順番で優先度をつけるべきという考え方である。つまり、どの機能が最初に必要かを「実装コスト」ではなく「売上への影響度」で判断するということです。

見積もり比較の時点でこの順番を理解していれば、削減してはいけない機能と、後回しにしてもいい機能が区別できます。

優先度1位:導線機能(カット禁止)

Webサイトの売上を作る最初の要素は「ユーザーが商品にたどり着けるかどうか」です。つまり、導線機能がなければ、いくら商品が良くてもユーザーは購入に至りません。

導線機能とは、以下のような要素です。

  • カテゴリ分類・階層設計
  • 検索機能・絞り込み機能
  • ナビゲーション設計
  • パンくずリスト
  • 購入フロー(カート・決済ページ)
  • 関連商品・おすすめ商品の表示

これらが不足すると、GA4の直帰率が70%を超えることが多くあります。

これは「サイトに来たけど、欲しい商品を見つけられずに帰った」という状態です。アクセス数がいくら増えても売上にはなりません。

見積もり比較で「検索機能は後でいい」という提案は、売上構造を理解していない証拠です。

見積もり比較で「検索機能は後でいい」「カテゴリ分類は基本でいい」という提案が出たら、赤信号です。これは売上構造を無視した提案です。

優先度2位:商品訴求機能(カット注意)

ユーザーが商品ページにたどついた後、購入を判断するために必要な機能が商品訴求です。これが不足するとCVRが著しく低下します。

商品訴求機能は以下の通りです。

  • 複数の商品画像表示・ズーム機能
  • 商品説明文(スペック・ベネフィット)
  • 利用シーン画像
  • サイズ・色の選択肢表示
  • 在庫状況の表示
  • 商品比較機能

MakeShop管理画面で「商品ページのテンプレートはデフォルトのままで」という提案も、同じくCVRを下げます。デフォルトテンプレートは、売上を作るための商品訴求が設計されていません。

優先度3位:信頼構築機能(段階的に追加可)

ユーザーがサイトを信頼するために必要な機能です。これらは優先度1・2が完成した後に追加しても、売上改善につながります。

  • レビュー・評価表示
  • 企業情報・会社概要
  • 実績・受賞歴の表示
  • メディア掲載実績
  • FAQ・よくある質問

これらは重要ですが、導線と商品訴求がなければ、そもそもユーザーがこのコンテンツを見る段階に到達しません。

優先度4位:集客機能(完全に後回し可)

SEO対策・AI検索対策・SNS連携など、集客に関わる機能です。これらは「ユーザーをサイトに連れてくる」ための機能ですが、サイト内の売上構造がなければ意味がありません。

見積もり比較で「SEO対策は別途」「AI検索対策は後で」という提案が出ても、問題ありません。むしろ正しい優先順位です。

見積もり比較で判断を誤る理由は「必要な仕様の定義」がないからである

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Web制作会社選びで価格だけを比較すると後で費用が増える理由も、同じ仕組みです。見積もり段階で「何を作るか」が明確に定義されていないため、金額に合わせて機能が削減されるのです。

正しい進め方は、以下の順序です。

  1. 自社のビジネスモデルに必要な機能を「優先度別」に定義する
  2. その定義に基づいて、複数社から見積もりを取る
  3. 金額ではなく「仕様の完成度」で比較する
  4. 削減される機能があれば、売上への影響を数値で判断する

しかし多くのクライアントは、この順序が逆になっています。予算を決めてから、その予算に合う見積もりを探しているのです。

「予算ありき」の見積もり比較の落とし穴

ECサイト担当者が月商1,000万円の企業で、Webサイトリニューアルの予算を「300万円まで」と決めて、複数社に見積もりを取った場合を考えてみます。

制作会社A:300万円(検索機能なし・カート機能は基本のみ・レビュー機能なし)

制作会社B:280万円(絞り込み検索あり・カート遺棄復帰機能あり・レビュー機能なし)

制作会社C:320万円(全機能搭載・後からの追加費用がかかりにくい設計)

この比較で「予算内の中で一番機能が多そう」という理由で制作会社Bを選ぶとどうなるでしょうか。

リニューアル後、サイトのCVRは改善されますが、リピート率が低いまま残ります。理由は「レビュー機能がない」ため、新規ユーザーの信頼がどうしても低くなるからです。

3ヶ月経ってから「レビュー機能を追加したい」という判断になると、その時点での追加費用は80万円~120万円になります。結果として「予算300万円+追加100万円=400万円」という、当初の予算より高い費用がかかってしまいます。

もし最初から制作会社Cを選んでいれば「320万円で全機能搭載」だったはずです。

見積もり比較で「削減されている機能」を見抜く方法

制作会社の見積もり提案を受けたとき、確認すべき質問項目があります。

  • 「カテゴリ検索と商品検索の両方で絞り込み機能は入っていますか」(入っていない=導線機能が不足)
  • 「商品ページで複数画像の拡大表示機能はありますか」(ない=商品訴求が弱い)
  • 「カート遺棄時のメール復帰機能は入っていますか」(ない=売上逸失の可能性が高い)
  • 「ユーザー登録とポイント機能の連携はありますか」(ない=リピート率が下がる)
  • 「後から機能追加する場合の費用は、今の見積もりの何倍になりますか」(倍率が高い=設計が悪い)

これらの質問で、制作会社が「売上構造を理解しているか」が見えます。

削減されてはいけない機能の判断基準は「CVR改善に直結するか」である

では、見積もり比較で「この機能は削減してもいいか、それとも必須か」を判断する方法は何でしょうか。

福岡ECサイト株式会社が支援した事例では、この判断を「CVR改善への直結度」で行っています。

月商100万円のファッションECで実施した機能優先度の再判定

あるアパレルECサイトのリニューアルで、初期見積もりは「550万円」でした。予算調整で「450万円」に圧縮する際、制作会社から以下の機能削減が提案されました。

  • サイズ・色の複数選択肢表示機能(削減費用30万円)
  • 商品比較機能(削減費用40万円)
  • 関連商品のAIレコメンド(削減費用25万円)

ここで優先度判定を行いました。現在のサイトのGA4データを分析すると、以下のことが見えました。

「商品ページの離脱率が62%」「カート投入後の購入完了率が41%」「同一セッション内での複数商品購入率が18%」

この数値から、以下の判断をしました。

  • サイズ・色選択肢表示:カート投入後の離脱の原因は「選択肢の分かりづらさ」。これを改善するとカート完了率が5~8%改善される(売上改善効果+4~6万円/月)→ 削減すべきでない
  • 商品比較機能:「色違いの商品ページ間を移動して比較している」という行動ログが確認されている。比較機能があると1セッション内での複数購入が25~30%増える(売上改善効果+8~12万円/月)→ 削減すべきでない
  • AIレコメンド:現状でも「関連商品」は手動で設定されている。AIレコメンドにすることで改善は期待できるが、優先度は低い。後からの追加でも売上に大きな影響はない→ 削減してもいい

結果として、AIレコメンド機能のみ削減(25万円削減)し、他の機能は保持する決定をしました。

3ヶ月後、リニューアル後のサイトで以下の変化が見られました。

「カート完了率:41%→49%(+8%)」「同一セッション内複数購入率:18%→24%(+6%)」「月商:100万円→115万円(+15万円/月)」

削減費用は25万円でしたが、月次の売上改善が+15万円になったため、実質的には1.7ヶ月で元が取れる計算です。もし商品比較機能も削減していたら、月商への影響は+8~12万円失われていたはずです。

判断基準:CVR改善への影響度で仕分ける

見積もりで機能削減を判断するときは、以下の基準で仕分けてください。

  • 現在のサイトのGA4を確認する
  • 各ページの離脱率・滞在時間・次アクション率を把握する
  • 「ユーザーがどこで購入をやめているか」を特定する
  • 削減対象の機能が「そこの離脱理由と関連しているか」を判断する
  • 関連していれば削減すべきでない・関連していなければ後回しにしてもいい

具体的には、以下のような判定になります。

削減対象機能 現在のサイト分析で確認すべき指標 判断基準
検索・絞り込み機能 カテゴリページの直帰率 直帰率50%以上→必須 / 30%以下→後回し可
商品比較機能 商品ページ間の遷移率・複数購入率 複数購入率20%以上→必須 / 10%以下→後回し可
商品画像拡大表示 商品ページの滞在時間・画像クリック数 平均滞在時間60秒以上→必須 / 30秒以下→後回し可
レビュー表示 新規ユーザーのカート投入率 新規ユーザーのCVR<既存ユーザーのCVRで差が20%以上→必須 / 5%以下→後回し可
カート遺棄復帰メール カート投入後の購入完了率 完了率30%以下→必須 / 60%以上→後回し可

この基準を使えば「削減していい機能」と「絶対にカットすべきでない機能」が見える化できます。

見積もり比較で機能削減を避けるための要件定義の進め方

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では、実際に見積もりを取る前に「必要な仕様」を定義する方法は何でしょうか。

これまでの事例から、以下の3つのステップで仕様定義をするクライアントは、見積もり後の機能削減が少なくなっています。

ステップ1:現在のサイトの売上構造を分析する

GA4・Search Console・Shopify管理画面を開いて、以下のデータを整理します。

  • トップページからの遷移先の上位5つ
  • カテゴリページの直帰率
  • 商品ページでのユーザー行動(クリック・スクロール)
  • 購入に至るまでの平均ページビュー数
  • カート投入から購入完了までの完了率
  • 新規ユーザーと既存ユーザーのCVR差

このデータが見えると「今のサイトの弱点」が特定できます。その弱点を解決する機能が「優先度の高い機能」です。

ステップ2:競合サイトの機能を調査する

業界内の売上が出ている競合ECサイトを3~5社、実際に利用してみます。その中で「このサイトはどうやって購入まで導いているのか」を観察します。

例えば、アパレルサイトなら「色違いの比較はどう表示されているか」「サイズ選択はどこにあるか」「レビューは商品ページのどの位置にあるか」を見ます。

これが「業界標準の機能配置」であり、これに合わせないとユーザーの操作が低下します。

ステップ3:制作会社に「仕様書」ではなく「CVR改善の目標」を伝える

「〇〇機能をつけてください」という発注ではなく「現在のカート完了率が40%だが、45%まで改善したい」という目標を伝えます。

すると、制作会社は「45%を実現するためにはこの機能が必須」という判断ができるようになります。

逆に「この機能は今の状況では不要」という判断も、根拠を持って提案できるようになります。

Slack上での制作会社とのMTGで「なぜこの機能が必須なのか」という理由が、数値で説明されるようになるのです。

見積もり削減後の「後から追加される機能」と「本当は最初から必要だった機能」の見分け方

では、削減された機能の中で「本当に追加が必要か」「それとも不要か」を判断する方法は何でしょうか。

よくある誤りは「制作会社から追加の提案を受けたから、追加しなければならない」という思い込みです。実際には、削減された機能の9割は追加の必要がありません。

リニューアル後3ヶ月で「追加したい機能の提案」が出る理由

リニューアル完了から3ヶ月経つと、クライアント側から「あの機能も欲しい」という要望が出てきます。これは制作会社ではなく、クライアント自身が必要性に気付くパターンです。

ここで重要な判定が必要です。その機能の追加で売上がいくら改善されるか、根拠を持って判断しなければなりません。

AI検索対策を含めたWebサイトリニューアルを検討する企業には、この判断基準が特に重要です。なぜなら、AI検索対策の実装自体が複雑になるからです。

AI検索対策では「このコンテンツはどのLLMに引用されるか」を設計する必要があります。その設計の中で「どんなコンテンツ構造が必要か」が見えてきます。

最初の見積もりで「AI検索対策は後で」と削減した場合、3ヶ月後に「AI検索から流入を作りたい」という判断が出てくるパターンが多くあります。

追加機能の判断基準:売上改善の見込みで判定する

削減された機能を追加するかどうかは、以下の基準で判定してください。

  • 現在のサイトのCVR・リピート率・平均購買単価を把握する
  • その機能を追加したら「どの指標がいくら改善されるか」を予測する
  • 改善による月商増加額を計算する
  • 追加費用を月商増加額で割って「何ヶ月で回収できるか」を判定する

例えば、以下のような判定になります。

現在:月商500万円、CVR2.5%、リピート率25%

削減された機能:「ユーザー登録・ポイント機能」(後から追加費用80万円)

改善予想:リピート率が25%→35%に改善(+10%) → 月商が500万×(35%-25%)/75%=月+67万円

判定:80万円の投資で月+67万円なら、1.2ヶ月で回収できる→ 追加すべき

一方、改善が月+10万円の場合は、8ヶ月かかるため「その時点での判断で追加するかどうか判断する」という判断になります。

よくある失敗パターン:見積もり比較で気付けない構造的な問題

見積もり比較で見落とされやすい問題があります。それは「複数の小さな削減が、全体のCVRに与える影響」です。

失敗例1:複数機能の削減によるCVR連鎖低下

家具のECサイトで、以下の機能が削減されたケースです。

  • 商品画像の拡大表示(削減効果:直帰率+3%)
  • サイズ・色の選択肢表示(削減効果:カート投入率-5%)
  • 関連商品の表示(削減効果:クロスセル率-2%)

個別に見ると「影響は小さい」ように見えます。しかし、これらは連鎖します。

「画像が見づらい」→「購入を迷う」→「カートに入れない」→「関連商品を見ない」という流れです。

結果として、月商100万円のサイトが「月商82万円」に低下してしまいました。見積もり段階では「30万円の削減」でしたが、実際の売上低下は「月18万円×12ヶ月=年間216万円」になったのです。

失敗例2:機能削減による「運用負荷の増加」

あるBtoB向けECサイトで「商品検索機能を削減」したケースです。

削減により「カテゴリごとの手動管理」が必要になりました。その結果、運用スタッフの作業時間が週10時間増えました。

初期削減費用は25万円でしたが、年間の運用負荷(時給2000円×週10時間×52週)は約104万円になりました。つまり、1年でむしろコストが4倍になったのです。

見積もり比較では「初期制作費」だけが比較されていて、「その後の運用コスト」が考慮されていませんでした。

Webサイト制作の見積もり比較で失敗しない進め方:4つのステップ

では、見積もり比較で機能削減による失敗を防ぐには、どんな進め方をすればいいでしょうか。

福岡ECサイト株式会社が推奨する進め方は以下の通りです。

  1. 仕様定義の前に「現在のサイトの弱点分析」を必ず実施する(GA4・管理画面のデータ分析を最低1週間かけて行う)
  2. その弱点を解決する機能を「CVR優先順位」で分類する(優先度1・2は必須、優先度3・4は後回し)
  3. 複数社の見積もりを「金額」ではなく「仕様の完成度」で比較する(削減内容を確認し、売上影響を数値で判定する)
  4. 3ヶ月後の追加機能は「売上改善の見込み」で判定する(回収期間が12ヶ月以内なら追加検討)

このプロセスを通すと、見積もり後の「想定外の削減」「後からの追加費用」が大幅に減ります。

記事のポイント整理:削減されやすい機能と削減判断の基準

  • 削減される機能=実装コストが高い機能 ≠ 売上に必要な機能
  • 見積もり比較で優先すべきは「金額の安さ」ではなく「仕様の完成度」
  • 削減してはいけない機能:導線(直帰率70%以上なら必須)・商品訴求(複数購入率20%未満なら必須)
  • 削減してもいい機能:信頼構築・集客・後発的な機能(後から追加も可能)
  • 後からの追加機能は「回収期間12ヶ月以内か」で判定する

Webサイト制作の見積もり比較に関するよくある質問

見積もりで「基本機能」と「オプション機能」の線引きがあるのはなぜですか

制作会社ごとに「何を基本と呼ぶか」の定義が異なるからです。これは業界標準がなく、各社の営業判断で決まっています。

重要なのは「その線引きが業界標準と合致しているか」です。アパレルECなら「サイズ・色選択」は基本機能であるべきですが、これをオプション扱いにする会社もあります。

見積もりを取る際は「基本機能の定義」を明確にして、複数社で同じ定義を確認してから比較することが重要です。

削減されやすい機能の中で「絶対に削減すべきでない機能」は何ですか

購入導線に直結する機能です。具体的には以下の3つです。

  • 商品ページへのナビゲーション機能(カテゴリ・検索・絞り込み)
  • 商品ページ内での選択肢表示(サイズ・色・数量)
  • カートから決済までの購入フロー

これらが不足するとCVRが著しく低下し、後からの追加費用も高くなります。

見積もり後に「これは削減できます」と言われたときの判断は

まず「その機能がないことで何が悪くなるのか」を数値で質問してください。

良い提案者は「現在のサイトのCVRが2%ですが、この機能がないと1.5%に下がる可能性があります」という根拠を持っています。

根拠のない「大丈夫、後で追加できます」という提案なら、その制作会社は売上構造を理解していない可能性が高いです。

Shopify移行時の見積もり削減で特に注意すべき機能は何ですか

Shopify移行では「既存データの移行」と「新規機能の実装」が同時に進みます。ここで削減されやすいのは「データ移行の品質」です。

例えば、商品マスター・顧客情報・購入履歴の移行で「必須項目だけ」に削減されることがあります。これはリニューアル後に「前の顧客データが完全ではない」という問題になります。

Shopify導入では「移行データの完全性」と「新機能」の両方の見積もりを分けてもらうことが重要です。

複数社の見積もりで機能が全く違う場合、どう判断しますか

それぞれの制作会社に「その機能がない場合のデメリット」を数値で説明してもらってください。

数値で説明できる会社と説明できない会社では、売上構造の理解度が違います。数値で説明できる会社ほど、信頼度が高いです。

最終的には「安い会社」ではなく「仕様の根拠が明確な会社」を選ぶことが、後からのトラブル防止になります。

見積もり完成後に「やっぱりこの機能も欲しい」となった場合は

その機能を追加した場合の売上改善見込みを計算してください。「感覚的に必要」ではなく「月商がいくら増えるか」で判定します。

回収期間が12ヶ月以内なら追加検討、12ヶ月以上なら「優先度を下げて後回し」という判断になります。

判断基準まとめ:削減可否を判定するチェックリスト

見積もり比較で機能削減を判断する際は、以下のチェックリストを使用してください。

  • 直帰率70%以上の場合:導線機能の削減は禁止。検索・絞り込み・ナビゲーションは必須。
  • 複数購入率20%未満の場合:商品比較機能・関連商品表示の削減は禁止。
  • カート投入率10%以下の場合:商品画像・商品説明の充実機能の削減は禁止。
  • 新規ユーザーのCVRが既存ユーザーの60%以下の場合:レビュー・評価表示機能の削減は禁止。
  • カート投入から完了までの完了率が40%以下の場合:決済フロー・カート遺棄復帰機能の削減は禁止。
  • その他の機能(SEO・AI検索・SNS連携など)の削減は、優先度が低い場合は許容範囲。
  • 後からの追加費用が初期費用の1.5倍以上の機能は、最初から実装すべき(後から追加するとコストが高い)。

つまり、Webサイト制作の見積もり比較で機能削減が起きるのは、制作会社が「売上構造」ではなく「実装コスト」を基準に提案しているからである。

削減される機能ほど売上に必要な場合が多く、後からの追加費用も高くなります。

正しい判断は「金額の安さ」ではなく「仕様の完成度」と「CVR改善への影響度」で比較することです。

まとめ:見積もり比較は「金額」ではなく「仕様の根拠」で判定する

Webサイト制作の見積もり比較で失敗するパターンは、ほぼすべて「金額を合わせるために機能が削減される」ことが原因です。

重要な指標は以下の通りです。

直帰率70%以上なら導線機能の削減は禁止、複数購入率20%未満なら商品訴求機能の削減は禁止、カート投入から完了までの完了率が40%以下なら決済フロー機能の削減は禁止です。

見積もり比較の際は「複数社から提案を受けたら、各社に『削減した機能の売上影響は何か』を数値で説明してもらう」ことが失敗防止の第一歩です。ここで説明できない会社は要注意です。

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