SEOキーワード選定で検索数だけ見ると失敗する理由と成果につながる3つ意図分析とは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
SEOキーワード選定でツールデータだけを参考にする企業が増えている
ツールの数値だけ見ても、実際の顧客獲得につながりません。ここ、多くの企業が陥りがちなポイントです。
SEOキーワード選定でツールの検索数データだけを見ると失敗します。検索ボリュームが大きなキーワードを選んでも、サイトへのアクセスが増えず、問い合わせや売上につながらないという課題です。
SEOキーワード選定とは、ツールの検索数だけでなく検索者の意図・自社の競争力・ビジネス目標の3つを同時に分析して、実際の成果に結びつくキーワードを決める判断プロセスである。
多くの企業が「月間検索数1万以上」「競合性が低い」といった数値基準だけでキーワードを選びます。 しかし数値が良いキーワードが、常に成果につながるわけではありません。 実際には検索意図とビジネス目標のズレが生じて、アクセスは増えても顧客獲得につながらない状況が起きます。
ツールのデータだけでキーワード選定に失敗する理由

ツールは数値化できる部分しか見えません。成果を決めるのは数値以外の要素です。
SEOキーワード選定ツールは検索ボリュームと競合性を数値化します。 これは便利ですが、ツールが見えていない部分が成果を左右します。実際の現場では、この数値以外の部分で差がつきます。
ツール数値と実際の成果がズレる理由は、大きく3つあります。
- 検索者の購買意図を数値化できていない
- 自社の競争力と市場ポジションをツール数値だけで判断している
- ビジネス目標と検索キーワードのマッチングが甘い
例えば「ECサイト制作 福岡」というキーワードは月間検索数が500程度と小さいですが、この検索者は「実際に福岡でECサイトを作りたい、すぐに問い合わせしたい」という購買意図が強い。 一方「ECサイト制作とは」は月間検索数が2,000以上ありますが、検索者は「概念を理解したい」という情報収集段階です。
ツール数値だけを見ると後者を優先してしまいますが、実際の売上に貢献するのは前者です。この違いを見落とすと、アクセスは増えても問い合わせ数は変わらない状況が生じます。
SEOキーワード選定が失敗する3つの原因
1. 検索意図の分析が不十分
数値だけでは、検索者の背景がわかりません。意外と見落とされがちですが、これが重要なポイントです。
キーワードツールは「何人が検索したか」を教えてくれます。 しかし「なぜ検索したのか」「どうしたいのか」という背景は見えません。
検索意図には4つのタイプがあります。
- 情報型:「何か」を知りたい(ブログ記事で満足する可能性が高い)
- 導航型:特定のサイトやページを探している(競争が少ない)
- 比較型:複数の選択肢を比べたい(検討段階)
- 購買型:実際に購入・契約したい(最も成果につながりやすい)
同じ「ECサイト制作」でも、「ECサイト制作とは」は情報型で、「ECサイト制作 費用」は比較型や購買型の可能性があります。ツール数値では区別できません。実際にGoogleで上位表示されているページを見て、検索者がどの段階にいるかを判定することが重要です。
2. 自社の競争力を考慮していない
ツールは業界全体の検索ボリュームと競合性を数値化しますが、「自社がそのキーワードで上位表示できるか」までは判断できません。
例えば月間検索数5,000で競合性が「中」というキーワードがあったとします。全国的には競争が中程度でも、福岡のローカルキーワードなら自社で上位を取れる可能性があります。逆に全国規模のキーワードで福岡の小規模事業者が上位を取るのは難しい場合もあります。
福岡ECサイト株式会社が支援したクライアントの事例では、月間検索数300程度の「Shopify構築 福岡」というキーワードに特化したところ、3ヶ月で上位表示を達成し、月間10件の問い合わせを獲得しました。同じ企業が「Shopify構築」というキーワード(月間5,000検索)を狙ったとき、上位表示まで10ヶ月かかり、ようやく月間20件という結果でした。
小さいキーワードでも自社が上位を取れる方が、早期に成果を出せるという考え方が重要です。
3. ビジネス目標と検索意図のマッチングが甘い
SEOキーワード選定は「どのキーワードでアクセスを取るか」という視点になりやすく、「どのキーワードから顧客が来るか」という視点が抜け落ちます。
企業の目標が「月間100件の問い合わせ」なら、必要なのは「情報型キーワード100個で月1PVずつ」ではなく「購買型キーワード10個で月10件の流入」です。数値だけを見ると前者を目指してしまいますが、後者の方が現実的です。
AIサイト検索対策を含む、複合的なキーワード戦略が必要になった今、SEOだけで全ての流入を担当するのではなく、各チャネルの役割を決めることが重要です。SEO・AI検索・SNS・広告で「どのキーワード・コンテンツを誰が担当するのか」を整理すると、キーワード選定の優先順位が明確になります。
成果につながるキーワード選定の3つ意図分析

意図分析1:検索者の購買ステージを把握する
キーワード選定の最初のステップは、そのキーワードで検索する人がどのステージにいるかを判定することです。
購買ステージごとの分析方法は以下の通りです。
- Googleで実際にそのキーワードを検索する
- 上位10位までのサイトがどんなコンテンツを用意しているか見る
- ブログ記事か、サービスページか、比較表か、を判定する
- そこから「検索者が何を求めているか」を逆算する
例えば「ECサイト制作 費用」というキーワードで検索すると、上位に来るのは「ECサイト制作の平均費用は○○万円」という相場記事と「当社のECサイト制作なら○○万円」というサービスページです。この場合、検索者は比較検討段階か購買段階にいることがわかります。
一方「ECサイト制作とは」で検索すると、上位に来るのは「ECサイト制作の定義」「メリット・デメリット」といった情報提供記事です。これは検索者が初期段階にいることを示しています。
ツール数値では区別できませんが、実際のGoogle結果を見れば一目瞭然です。成果を求めるなら、購買ステージが明確なキーワードを優先します。
意図分析2:自社が上位表示できる競争力を分析する
キーワードの競争力を分析する際、ツールの「競合性」数値だけでなく、実際にそのキーワード上位にいるサイトを調べることが重要です。
具体的な分析方法は以下の通りです。
- Google検索で対象キーワードの上位3位を確認する
- 上位3位のサイトがどの企業か、どの規模か、を把握する
- 自社とドメインオーソリティ(信頼度)を比較する
- 「自社が1年以内に上位3位を取れるか」を現実的に判定する
例えば「ECサイト制作」というキーワードの上位には、大手Web制作会社や有名メディアが占めています。新規事業者や地域密着型の企業がここで上位を取るのは難しい。一方「ECサイト制作 福岡」なら、福岡を専門とする企業や地域系メディアが優先される傾向にあります。
この分析から、「全国キーワードは避けて、ローカルキーワードに特化する」という戦略が立てられます。ツール数値だけでは見えない機会を発見できるのです。
意図分析3:ビジネス目標と検索流入の関係を設計する
最後に重要なのは、「何件のキーワードを、どのステージで、何人獲得するか」をビジネス目標から逆算することです。
設計方法は以下の通りです。
- ビジネス目標を決める(例:月間50件の問い合わせ)
- 平均CVR(問い合わせ率)を把握する(例:流入100人で1人が問い合わせ=1%)
- 必要な月間流入数を逆算する(50÷0.01=5,000PV)
- 各キーワードの想定月間流入数を估定する
- 「どのキーワード組み合わせで5,000PVを達成するか」を計画する
例えば月間50件の問い合わせが目標で、CVRが1%なら、月間5,000PVが必要です。これを「月間500検索の購買型キーワード10個」で達成するのと、「月間100検索の情報型キーワード50個」で達成するのでは、実装の難度が大きく異なります。
前者は10個のキーワードで高い確度を得られるので、リソース効率が良い。後者は50個のキーワードを管理する必要があり、運用コストが高い。ビジネス目標から逆算すると、「どのキーワード選定戦略が現実的か」が見えてきます。
ツール数値と実際の成果がズレる企業の失敗パターン
ここまで整理した上で、キーワード選定で失敗しやすいパターンを2つ紹介します。
失敗パターン1:検索ボリュームが大きいキーワードを優先する
ツールで月間検索数10,000以上のキーワードを見ると、「これなら大量にアクセスが取れる」という期待が生まれます。しかし競争が激しく、新規サイトが上位を取るのは難しい。3ヶ月経ってもアクセスゼロという状況が続きます。
一方、月間検索数200程度のキーワードを3個選んで3ヶ月で上位表示できれば、月間1,000PVが確実に得られます。確度の方が重要です。
失敗パターン2:検索意図を無視してコンテンツを作る
「ECサイト制作 費用」というキーワードで流入したユーザーに対し、「ECサイト制作とは何か」という定義記事を見せる。検索意図とコンテンツがズレているので、ユーザーはすぐに離脱します。直帰率が80%を超える状態が生じます。
キーワード選定と同時に、「そのキーワードではどんなコンテンツを用意するか」を決めることが必須です。
成果基準によるキーワード選定の判断方法

| 基準 | ツール数値重視の選定 | 意図分析重視の選定 |
|---|---|---|
| 優先度が高いキーワード | 月間検索数5,000以上、競合性=低 | 購買意図が強い、上位3位で上位表示の可能性がある |
| アクセス増加までの期間 | 6ヶ月〜12ヶ月(競争が激しい) | 2ヶ月〜4ヶ月(競争が少ない) |
| 得られる流入数 | 月間10,000PV以上(ただし不確実) | 月間300PV程度(ただし確実) |
| コンバージョン数 | 月間10〜50件(ただし曖昧) | 月間2〜5件(ただし明確) |
この表から見えることは、「数値が大きい方が常に有利ではない」ということです。月間300PVでも確実に2件の問い合わせが取れれば、月間10,000PVで不確実な10件より、ROIが高い場合があります。
SEOキーワード選定と他施策の役割分担
ここで重要な視点が1つあります。SEOだけでは、全ての購買ステージをカバーできません。情報収集段階のユーザーにはAI検索やSNS、購買段階のユーザーにはSEOと広告、といった役割分担が必要です。
サイトリニューアルを検討している企業は、この段階で「どの施策がどのキーワード・コンテンツを担当するか」を整理することが成功のカギになります。
福岡ECサイト株式会社のクライアントの場合、SEO対策だけでなく、AI検索対策も同時に実行することで、以下のような役割分担ができました。
- AI検索:「ECサイト制作とは」などの情報型キーワードを引用される
- SEO:「ECサイト制作 福岡」などの購買型キーワードで上位表示
- SNS:「EC運用の工夫」などのノウハウ共有で来店習慣を作る
この複合的な設計により、初期段階から購買段階まで、各ステージのユーザーを獲得できるようになりました。
SEOキーワード選定に関するよくある質問
Q1:月間検索数が100以下のキーワードは狙う価値があるか
あります。むしろ狙うべきキーワードです。
月間検索数が少ないキーワードほど、競争が少なく、上位表示しやすい傾向があります。特にローカルキーワード(「サービス名+地域名」)は100〜500程度の検索数でも、購買意図が強いため、CVRが高いです。
判断基準は「月間検索数×CVR」で考えること。月間500検索で1%のCVRなら月間5件、月間5,000検索で0.1%のCVRなら月間5件と同じ結果になります。
Q2:ツールで競合性が「高」と出たキーワードは避けるべきか
ツール上の競合性だけでは判断しないこと。
ツールの競合性は「広告出稿数」や「SEO対策に力を入れている企業の数」を示す指標です。オーガニック検索での競争力とは別です。実際にそのキーワードで検索してみて、上位にいるサイトを調べることが重要です。
福岡などのローカル検索では、全国規模のビッグサイトは流入を優先していないため、競合性が高くても個別企業が上位を取る可能性があります。
Q3:キーワード選定後、どのくらいの期間でアクセスが来るのか
キーワードの競争度と自社のドメインオーソリティで決まります。
目安は以下の通りです。
- 競争が少ないローカルキーワード:1ヶ月〜3ヶ月で上位表示
- 競争が中程度のキーワード:3ヶ月〜6ヶ月で上位表示
- 競争が激しいビッグキーワード:6ヶ月以上かかる可能性
最初は競争の少ないキーワードで小さな成功を作り、ドメインオーソリティを育てていくこと。その後、競争が激しいキーワードに挑戦する方が、全体的な効率が良いです。
Q4:季節性があるキーワードをどう扱うべきか
月単位での変動を理解した上で、コンテンツの更新計画を立てること。
例えば「クリスマスギフト ECサイト」は11月〜12月に検索が集中します。この場合、ツールの「年間平均検索数」だけを見ると、季節性を見落とします。
季節性キーワードは、ピーク時期に合わせてコンテンツを更新・推進し、オフシーズンは別のキーワード対策に力を入れるなど、年間を通じた計画が必要です。
Q5:自社サイトが新規でも、難しいキーワードで上位表示できるか
難しいですが、工夫次第で可能です。
新規サイトがビッグキーワードで上位を取るには、以下の条件が必要です。
- 既存サイトにない角度で、ユーザーニーズに応える独自コンテンツ
- 強い推薦シグナル(他サイトからの被リンク、SNS言及)
- エンティティ認識(企業情報・実績・第三者証明が充実している)
福岡ECサイト株式会社が支援する企業でも、新規事業スタートから3ヶ月で「ECサイト制作+AI検索対策」という複合施策で、難しいキーワードでの上位表示を実現した事例があります。キーワード選定だけでなく、エンティティ設計とコンテンツ設計を同時に行うことが成功のポイントです。
SEOキーワード選定で優先すべき企業の判断基準
ここまでの内容をまとめると、キーワード選定で優先すべき条件が見えてきます。自社の状況に当てはめて、どのアプローチを取るべきか判断してください。
ツール数値重視でもいい企業:
- 大規模な広告予算があり、アクセス増加速度を優先している
- 既に高いドメインオーソリティを持っている
- 全国規模でのブランド認知が進んでいる
意図分析を優先すべき企業:
- 地域密着型のビジネスモデルである(月間問い合わせ数を重視)
- サイトの運用リソースが限られている(確実な成果を優先)
- 新規事業や新規参入で、ドメインオーソリティがまだ低い
- CVR改善を先にしたいので、確実な流入が欲しい
複合的アプローチが必要な企業:
- 月間100件以上の問い合わせ目標がある
- 情報型と購買型の両方のキーワード対策が必要
- SEO・AI検索・SNS・広告を組み合わせている
つまりSEOキーワード選定とは
つまりSEOキーワード選定とは、ツールの検索数と競合性の数値だけでなく、検索者の購買意図・自社の競争力・ビジネス目標の3つを同時に分析し、実際の成果に結びつく最適なキーワードを段階的に決める判断プロセスである。
SEOキーワード選定を成功させるための行動計画
SEOキーワード選定で成果を出すには、ツール数値を参考にしながらも、実際の検索意図を優先することが重要です。判断基準は「検索ボリュームではなく、確実な成果が見込めるか」。月間100PVでも確実に1件の問い合わせが取れるキーワード3個の方が、月間5,000PVで1件の問い合わせかもしれないキーワード1個より、価値があります。
また、SEOだけでなくAI検索対策やサイトリニューアルと組み合わせることで、各ステージのユーザー獲得が可能になります。キーワード選定は施策の一部であり、全体的な集客構造の中で位置付けることが成功のカギです。ここを理解すると、戦略の組み立て方が変わってきます。



