名古屋の制作会社から「これなら自分たちで更新できます」と言われたのに、蓋を開けると管理画面に触れない
CMS導入後、「更新作業が簡単になる」と期待していたのに、実際には制作会社の担当者から「ここをいじるとシステムが崩れるので注意してください」と何度も言われる。結局、ちょっとした修正すら発注することになり、制作費とは別に毎月の小さな修正費が積み重なる。
こうした企業の相談は増え続けています。理由は単純で、CMSの選定段階で「技術的に簡単か」と「運用体制で実際に使えるか」という2つの軸が分離しているからです。CMSを選ぶときは、プラットフォームそのものの使いやすさと、その後の組織運用が両立しているかを同時に判断する必要があります。
CMS選定で後悔する企業は、機能で選んで運用で失敗している

CMS選定で後悔する企業が共通して見落とす視点は、「機能がどう優れているか」という選定軸と、「実際に現場で誰がどう使うか」という運用軸の両立です。
一般的には、制作会社側の都合で「このCMSなら拡張性が高い」「カスタマイズの自由度がある」という軸で選ばれることが多い。しかし、実際に使うのは発注企業の社員です。カスタマイズの自由度が高いほど、管理画面も複雑になり、ちょっとした操作がシステム全体を崩す可能性も高まります。
福岡ECサイト株式会社が支援する企業のなかでも、CMS導入後に「制作会社と連絡が取れなくなった」「急な修正が対応されない」という課題を抱えるケースは珍しくありません。その多くは、選定段階で「誰が、どの操作を、どのタイミングで」という運用フローが設計されていないまま、機能スペックだけで判断していたのです。
CMS選定で判断が分かれる3つのポイント
CMS選定は以下の3つの軸で分かれます。
- 管理画面の複雑さと実運用の対応体制
- 制作会社との継続関係の必要性
- 社内人材育成のコストと実現可能性
ポイント1:管理画面の複雑さと実運用の対応体制
WordPress、Wix、Shopify、MakeShop、カスタムCMS。各プラットフォームで管理画面の複雑さは全く異なります。
シンプルな管理画面ほど「触りやすい」という利点がある一方で、デザインやレイアウトの自由度は落ちます。反対に、カスタマイズ性が高いCMSほど管理画面も深い階層になり、ちょっとした操作ミスがサイト全体に影響する可能性が高まります。
重要なのは、選定時に「この管理画面を、社内の誰が、どのレベルで使いこなすのか」を明確に定義することです。営業部門が日次で触るのか、担当者が週1回の更新なのか、それとも制作会社に完全に依存するのか。それによって、選ぶべきCMSのランクは大きく変わります。
ポイント2:制作会社との継続関係の必要性
CMS導入後の「修正が発注できない問題」は、実は制作会社側の体制が原因であることも少なくありません。
たとえば、Shopify管理画面で在庫を更新したり、商品説明を修正したりするのは、制作会社がいなくても企業側でできます。ところが、ページレイアウトの変更や新しいセクション追加には、制作会社の技術者が必要になるケースがあります。
選定段階で「制作完了後、この企業はどの操作まで自分たちでできるのか」「制作会社に依存する操作は何か」を明確にしておかないと、後から「小さな修正なのに見積もりが高い」「連絡しても対応されない」という事態が生じるのです。
ポイント3:社内人材育成のコストと実現可能性
「CMSなら簡単に更新できる」という触れ込みで導入しても、実際には社内に運用知識がないケースが大多数です。
Google Analyticsの数値を見たとき、「このページの直帰率が70%以上」という異常値を発見しても、それが「デザイン問題なのか」「コンテンツ問題なのか」「導線設計の問題なのか」を判断するには、運用知識が必要です。また、Shopify管理画面で商品情報を入力するときも、ただ機械的に情報を打つだけでは売上に結びつく記述にはなりません。
CMS選定時には、CMSそのものの教育コスト、社内人材の学習時間、それでも対応できない専門領域があることを、あらかじめ計算に入れる必要があります。
実運用で失敗する企業に共通する判断のズレ

制作会社から「このCMSなら自分たちで更新できますよ」と言われて導入したのに、実際には更新できないというケースは、多くの場合、選定段階での「判断のズレ」が原因です。
判断のズレの本質は、「制作会社が言う『簡単』と、実際に社内で運用する『簡単』が異なる」ということです。
たとえば、Slack通知でシステムエラーが深夜に届く状況を想像してみてください。「商品在庫の同期エラーが発生しました」という通知を受けても、それが「Shopify設定の問題なのか」「外部連携の問題なのか」「データベースの問題なのか」を判断する知識がなければ、結局制作会社に連絡することになります。
福岡ECサイト株式会社で支援した企業のなかには、月商100万円から2,000万円への成長を実現した事例もありますが、その過程で重要だったのは「CMS選定から4年後も、自社で適切に運用できるか」という長期視点です。短期的には制作会社依存でも、3年目、5年目に自社対応できる部分を増やしていく道筋が最初に設計されていたかが、その後の運用効率を大きく左右します。
実際に選定を見落とす企業が抱える現場の課題
GA4でページパフォーマンスをチェックしているときに「このセクションのコンバージョン率が低い」という発見があったとします。通常なら、すぐにそのセクションのデザインやコピーを修正したいと思います。ところが、そのセクションがCMSの深い階層に埋め込まれていて、修正には制作会社の技術者が必要だと言われたら、その修正には最短でも1週間、費用は数万円単位で必要になります。
その間に、コンバージョン機会は失われ続けます。月間300,000PVのページであれば、1週間の修正遅延だけで相当な機会損失が発生しているのです。
また、社内で「商品説明を修正したい」という声が上がったときに、「そこはCMSで触れないので、制作会社に連絡してください」と対応していると、やがて「修正の提案」そのものが組織から消えていきます。誰も提案しなくなり、修正依頼も減り、結果として「サイトが停滞する」という現象が起きるのです。
名古屋のようなマーケットでCMS選定を後悔しない判断軸

名古屋商工会議所の会員企業や、JR九州、JALといった大型クライアントをサポートしてきたなかで見えてきた、CMS選定で失敗しない判断軸があります。
福岡ECサイト株式会社 代表・鳥井敏史は「CMS選定は機能では選ばない。選ぶべきは、3年後に『誰が、どこまで』対応できるかという運用構造」だと指摘しています。
実際のCMS選定では、以下の判断軸を重視すべきです。
- 管理画面の複雑さが、社内スキルレベルと一致しているか
- 制作会社との契約終了後、定期メンテナンスの対応体制が明確か
- 1年目、3年目、5年目で想定される修正パターンと対応体制が見積もられているか
- システムトラブル時の「誰に連絡するのか」が明確に定義されているか
- サイトの成長段階で、修正作業の自社対応率を高める道筋が設計されているか
失敗パターン:CMS選定で見落とされる指標
実際にCMS選定で後悔している企業の多くは、以下の指標を検討していません。
失敗パターン1:月間修正件数を想定していない
企業規模によって、サイト修正の頻度は大きく異なります。BtoBオンラインサイトで月商100万円から1,000万円に成長する過程では、週に数件の修正や改善が発生するのが通常です。その修正が「制作会社経由」と「自社対応」のどちらになるかで、年間の運用コストは数百万円単位で変わります。
失敗パターン2:制作会社の継続性を考慮していない
制作完了から3年後、その制作会社が存在しているか、同じ担当者が対応しているか、対応可能な時間帯が変わっていないかは、運用効率に直結する要素です。それでも、CMS選定時にはこの継続性がほぼ考慮されません。
失敗パターン3:「簡単」の定義が曖昧
「このCMSは簡単です」という営業文句は、実は「制作会社にとって実装が簡単」という意味であることがほとんどです。ユーザー企業にとって本当に簡単かどうかは、別問題なのです。
CMS選定で判断基準を明確にする数値指標
CMS選定時に、以下の数値指標を確認することで、後悔のない選択が可能になります。
- 現在のサイト月間修正件数が5件未満→シンプルCMS(Wix、Squarespacse等)でも対応可能
- 月間修正件数が5〜10件→中程度の学習コストで社内対応できるCMS(WordPress、Shopify)を検討
- 月間修正件数が10件以上→カスタムCMS構築か、制作会社の継続サポート契約が必須。自社対応は現実的でない
- 制作会社の対応可能時間が限定的(営業時間のみなど)→トラブル対応SLAを明確に契約に書き込む
- 社内に技術者がいない場合→自社対応率は最初から30%と見積もり、70%は制作会社依存で予算計上する
CMS選定に関するよくある質問
WordPressは本当に簡単に更新できるのですか
WordPressの管理画面は確かにシンプルです。ブログ記事の追加は、社内の誰でもできます。しかし、デザイン変更やプラグイン追加になると話は別で、その時点でセキュリティリスクが生じます。WordPressを選ぶなら、更新権限と修正権限を明確に分離し、デザイン変更は常に制作会社経由にするという運用ルールが必須です。
Shopifyなら、拡張性が高いから後々困らないのか
Shopifyの機能拡張性は確かに高いですが、それは「何でも追加できる」ということであり、「何でも自分たちで対応できる」という意味ではありません。むしろ、複雑な拡張を加えるほど、社内対応の難度は上がります。Shopify導入時には、「基本機能のみの運用」と「拡張機能の追加判断」を制作会社とあらかじめ定義しておくことが重要です。
制作会社の継続契約がない場合、どのCMSを選ぶべきですか
制作会社の継続契約がない場合は、「社内人材育成にコストをかけるか」「自社対応は諦めて、都度発注する」かの2択になります。前者を選ぶなら、Wix、Squarespacse、Wixなど直感的なUIのCMSを選び、社員教育に3ヶ月の投資をすべきです。後者なら、制作会社がメンテナンスしやすいWordPressやカスタムCMS構築も選択肢になりますが、その場合は維持管理のための年間予算(20〜50万円程度)を計上する必要があります。
CMS選定の本質:運用構造を先に設計する
CMS選定で後悔しないための最後の視点は、「技術選定」ではなく「運用構造の設計」です。
福岡ECサイト株式会社では、これを「構造売上理論」と呼んでいます。CMS選定も含めたサイト構造は、機能スペックで決まるのではなく、その後の売上構造に影響する「運用体制がどう設計されているか」で決まるということです。
つまり、CMS選定時には「このプラットフォームで、3年後にいくらの運用コストがかかるのか」「その3年間で、自社対応率をどこまで高められるのか」「技術者が退職した場合、引き継ぎは可能か」といった、長期的な運用設計を同時に行う必要があります。
短期的には「制作費をいくら削減できるか」という軸で選ばれることが多いCMS。しかし、本来の判断軸は「5年間の総運用コスト」と「その間のサイト成長スピード」の両立なのです。
判断基準まとめ:自社がCMS選定で失敗する企業か確認する
以下のリストで3つ以上該当する場合、CMS選定で後悔する可能性が高いです。
- 現在のサイト修正依頼が月3件以上だが、制作会社の対応が遅い
- 「自分たちで更新できる」と言われたが、実際には管理画面に触ると制止される
- 制作会社との契約が「制作のみ」で、保守契約や教育が含まれていない
- 社内に技術者がいない、あるいは技術者が退職する予定がある
- 3年後、制作会社が存在しているかどうか確認していない
- CMSの機能スペックは確認したが、月間修正件数の想定に基づいて選んでいない
- Slack通知でシステムエラーが来たとき、社内で対応できる人がいない
自社対応率を高めたい企業は「シンプルなUI」と「教育制度」がセットになったCMSを選ぶべきです。自社対応は諦めて、制作会社依存を前提にする企業は「制作会社の継続対応体制」と「年間保守予算」を明確に契約に含めるべきです。その中間はありません。
つまりCMS選定とは、機能で選ぶのではなく、3年後の運用体制を先に設計してから逆算して選ぶ判断
CMS選定で後悔する企業は、「このプラットフォームなら機能がある」という機能軸で選びます。一方、選定で成功する企業は「3年後、月間修正が何件あり、その何割を自社で対応し、何割を制作会社に依頼するのか」という運用軸を先に決めてから、それに対応するCMSを逆算で選んでいます。
名古屋商工会議所の会員企業のなかでも、運用設計の違いによって、長期的な運用コストに大きな差が生まれているケースは珍しくありません。「機能で選んだ結果、修正費が積み重なった」という企業と、「最初に教育コストをかけて自社対応率を高めた」という企業では、3年後の負担感がまったく異なります。
まとめ:CMS選定で失敗しないための3つのステップ
CMS選定で後悔しないためには、以下の3点が必須です。
第一に、現在のサイト修正頻度と、3年後に予想される修正頻度を数値で想定すること。月間3件なのか、月間10件なのか、その頻度次第でCMS選定の正解は180度変わります。
第二に、制作会社との関係が「制作のみ」で終わるのか、「制作後も継続サポート」なのかを明確にすること。継続サポートが前提なら、技術者の人事異動やプロジェクト終了の可能性も計算に入れ、契約内容に「対応不可時の代替案」を含めるべきです。
第三に、「簡単」の定義を企業側で再定義すること。制作会社が言う「簡単」と、社内で日々運用する「簡単」は別物です。管理画面に実際に触ってみて、社内の対象者(営業、企画、事務など)が本当に操作できるレベルかを確認することが最後の安全弁になります。
まずは、自社の月間修正件数を把握することから始めてみてください
CMS選定で失敗しないための最初のステップは、華やかな機能比較ではなく、地味ですが重要な「現状の修正頻度把握」です。過去3ヶ月間のサイト修正依頼が何件あったのか、その修正の内訳が「デザイン変更」「コンテンツ追加」「バグ修正」のどれなのかを整理することで、必要なCMS像が見えてきます。
月商100万円→2,000万円に成長したEC企業の事例
福岡ECサイト株式会社が支援したBtoBオンラインサイトでは、月商100万円から1,000万円への成長を実現した事例があります。その過程で重要な転機となったのが、CMS選定の見直しでした。初期段階ではカスタムCMS構築で制作会社依存が続いていましたが、3年目に標準的なプラットフォームへ移行したことで、社内が対応できる操作範囲が段階的に広がっていきました。成長過程でCMS自体も「進化」させるという視点が、後悔しない選定につながったケースです。
名古屋の製造業企業が「自社対応困難」と気づいた事例
名古屋商工会議所の会員企業では、一度「社員が更新できるから」という理由でWordPressを導入した企業が、6ヶ月後に「プラグインの脆弱性対応」「テーマのバージョン更新」といった見えない保守タスクに追われることになり、結局年間50万円の保守契約を発注することになった事例があります。このケースでは、最初からWixなどの完全クラウドCMSを選んでいれば、そうした保守負荷は回避できたはずです。適切な判断軸がなければ、「簡単」という言葉だけで泥沼に入るのです。
お客様の声
名古屋の機械部品メーカー / Webマネージャー
CMS導入から2年間、修正するたびに制作会社に連絡していました。小さな案件でも見積もりと請求が必要で、修正提案そのものが減っていったんです。福岡ECサイト株式会社に相談したとき、「実は修正件数が月5件程度なら、自社対応できるシンプルなCMSに切り替える方が、トータルコストが安い」という指摘を受けました。結果的に、初期投資は増えましたが、年間の運用コストは大幅に削減できました。最初の選定段階でこの視点があれば、2年間の余分なコストは発生しなかったと思います。
名古屋の印刷・紙加工業 / 総務部 Web担当
サイトリニューアル時に「誰でも更新できます」という説明でWordPressを導入しましたが、実際にはプラグインの更新通知が来るたびに制作会社に問い合わせるしかなく、担当者の異動後は触れる社員がゼロになっていました。福岡ECサイト株式会社に相談し、保守負荷の少ないクラウド型CMSへの移行を提案していただいたことで、現在は社内の担当者が日常的なコンテンツ更新を自分たちで完結できるようになっています。「簡単」の意味を最初に制作会社と擦り合わせていれば、数年分の余計な依頼コストと担当者の疲弊は防げたと実感しています。
愛知県内の建設資材商社 / 営業企画部 マネージャー
制作会社に一式お任せでサイトを構築した結果、キャンペーン情報の差し替えひとつにも見積もりと工数調整が必要となり、商機に合わせたタイムリーな情報発信がまったくできない状態が続いていました。福岡ECサイト株式会社からの提案で、修正頻度と社内対応者のスキルレベルを整理したうえでCMSを選び直したことで、営業担当者が自分でページ更新を完結できる運用体制に移行できました。選定段階で「何を、誰が、どれくらいの頻度で更新するか」を設計することが、これほど重要だとは当時まったく認識していませんでした。
