MakeShopとSquareの決済手数料比較で利益が増えない理由と構造売上で判断する選択基準とは

2026.06.06 MakeShop  福岡ECサイト 
越境
鳥井敏史

福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史

この記事を書いた人

福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史

ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。

専門分野

ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計

ECサイト改善の主な実績

・ECサイト制作歴15年以上 ・MakeShopアンバサダー ・JBEA EC業界SEO部門2025受賞 ・月商100万円 → 月商2,000万円 ・BtoB EC 月商100万円 → 月商1,000万円 ・支援企業:JR九州 / JAL / 名鉄 など

この記事の監修

福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史

決済手数料を比較しても売上が増えない企業が多い理由

手数料削減で利益は増えず、逆に売上が低下する企業が実は多いです。

MakeShopとSquareの決済手数料を細かく比較し、コスト削減できたはずなのに利益が増えていない。こういう企業は意外と多いです。

管理画面で手数料率を確認し、「こっちが安い」と判断して切り替えたのに、実際の利益は変わらない。むしろ売上が落ちてしまったケースもあります。

原因は単純です。決済システムの選択は「手数料率」という数字だけで判断してはいけないからです。

決済システムが売上に与える影響は、手数料よりも大きな構造的な問題が隠れています。

決済システム選択とは、手数料ではなく「売上構造全体」を判断する経営判断である

いろんな人たちが、PCでShopifyのサイト 触っている

決済システムの変更は手数料削減ではなく、購入完了率・顧客データ・信頼構造まで含めた経営判断です。

決済システム選択とは、手数料率の安さで判断する数字ゲームではなく、サイト全体の売上構造・ユーザー心理・購入完了率・顧客データ活用の可能性まで含めた経営判断である。

多くの企業が陥る罠は「決済手数料」という目に見える数字に注目し、その背後にある売上構造の変化を見落としていることです。実際、これは現場でよく見る光景なんです。

福岡ECサイト株式会社が支援した案件でも、手数料削減で年間50万円のコスト削減に成功した企業が、その直後に月商が200万円も落ちてしまったケースがあります。

手数料で50万円得しても、売上の低下で500万円失ったわけです。

なぜこんなことが起きるのか。それは決済システムの変更が、次の3つの要素に影響を与えるからです。

決済システムの選択は3つの売上構造で判断が変わる

決済システムの切り替えが売上に与える影響を理解するには、以下の3つの構造を分離して考える必要があります。

  • 購入完了率の変化(決済画面の使いやすさ・信頼度・選択肢)
  • 顧客データの活用可能性(顧客情報・購買履歴・リマーケティング機能)
  • 手数料コストの削減(単純な費用)

ほとんどの企業は3番目の「手数料コスト」だけを比較しています。しかし売上構造の観点では、1番目と2番目の方がはるかに重要です。

1番目:購入完了率の変化

決済システムを変えると、ユーザーが最後の決済画面で感じる「信頼度」と「使いやすさ」が変わります。

これが購入完了率に直結します。

例えば、MakeShopから決済手数料が安いシステムに切り替えた場合、その新しいシステムがユーザーにとって「見たことない決済画面」になる可能性があります。ここ、意外と見落とされがちですが重要です。

ユーザーはAmazonペイメントやクレジットカード番号入力に慣れているシステムを好みます。見知らぬ決済システムへの変更は、ユーザーの不安を招き、購入直前の離脱率を高めます。

GA4で「トランザクション」「トランザクション数」「eコマースコンバージョンレート」を確認すると、この変化は一目瞭然です。決済システム変更前後で、購入完了率が2~3%低下することは珍しくありません。月商1,000万円のサイトなら、1~3%の低下は毎月30~100万円の売上減少を意味します。

2番目:顧客データの活用可能性

決済システムによって、あなたが取得できる顧客データの粒度と種類が変わります。

MakeShopは独自の決済システムを持ち、顧客情報・購買履歴・リピート率データが全て自社のプラットフォーム内に蓄積されます。Squareに切り替えると、決済データはSquare側に保管される部分が増え、自社での活用可能性が制限されます。

来店習慣設計理論の観点では、顧客データの取得と活用がリピート率を大きく左右します。Shopify管理画面でカスタマー情報を見ると、過去購買額・購買頻度・最後の購入日などが一目で分かるシステムと、そうでないシステムでは、その後のメールマーケティング・再購入促進キャンペーン・限定商品の案内精度が劇的に変わります。

結果として、リピート率が1~3%低下することも珍しくありません。月商1,000万円でリピート率が3%低下すれば、毎月30万円の売上低下につながります。

3番目:手数料コストの削減

これが唯一の「見える削減効果」です。しかし実際の現場では、これだけで判断してしまう企業が多いのが現実です。MakeShopからSquareに切り替えることで、手数料が2%から1.5%に下がれば、月商1,000万円なら毎月5万円のコスト削減になります。

しかし1番目と2番目で合わせて毎月30~100万円の売上が減少していれば、5万円のコスト削減は意味を持ちません。

決済システム選択を失敗する企業の特徴

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手数料率だけを比較している

MakeShop(3.0~4.5%)とSquare(3.6%)の手数料を見比べて判断している企業がいます。一見するとSquareが安く見えます。しかし実際には、MakeShopには自社でカスタマイズできる機能が多く、その中に購入完了率を高める機能が含まれています。Squareに切り替えると、その機能を失うかもしれません。

さらに、MakeShopの「4.5%」という上限は高いブランドが相応の手数料を払うことで、その分ブランド信頼度を獲得できるという構造になっています。逆にSquareの「3.6%」は平一律ですから、ブランド格の構築に使えません。

つまり、手数料率の比較は「表面的な数字」であり、その背後にある売上構造の変化を見ていません。

決済画面のテスト導入をせずに本番切り替えしている

多くの企業が「決済システムを全面切り替え」します。一気に旧システムから新システムに移行すれば、移行期間が短くて効率的だと考えるからです。

しかし売上の観点では、これは極めて危険です。既存の顧客が「新しい決済画面」に不慣れになり、一時的に購入完了率が低下します。さらに新システムの不具合があれば、その影響をすぐに受けます。

福岡ECサイト株式会社が支援した案件では、決済システムを段階的に導入しました。最初は新規顧客の10%をSquareで試し、1ヶ月のデータを取ってから判断し、その後30%、50%と段階的に増やしました。結果として、購入完了率の低下を最小限に抑えながら、最終的には移行に成功しました。

決済手数料以外のコストが増えていることに気づいていない

決済システムを変えると、手数料削減以外の「隠れたコスト」が増えることがあります。

実際の運用現場では、Slackで運用チームから深夜の通知が届く状況をよく目にします。「Squareの決済処理がエラーで、昨日の注文5件がPending状態になっています。対応をお願いします」というメッセージです。

新しいシステムへの切り替え直後は、こういった対応コスト(エラー対応・サポート対応・データ連携のトラブル対応)が増えます。運用チームの残業が増え、問い合わせ対応に人手が割かれ、その結果として手数料削減分のコストが相殺されることが多いです。

決済システム選択の正しい判断基準

購入完了率を測定しているか

決済システムを選ぶ前に、現在のサイトの購入完了率を測定してください。GA4のコンバージョンデータで「セッション→トランザクション→コンバージョン」の漏斗を確認し、決済画面までたどり着いたユーザーの何%が購入を完了させているか把握することです。

判断基準は以下の通りです。

  • 購入完了率が5%以上:現在のシステムで十分機能している。手数料のみで判断してもよい。
  • 購入完了率が3~5%:決済画面の改善の余地あり。新システムの決済画面の使いやすさを優先すべき。
  • 購入完了率が3%未満:決済システムの変更は「購入完了率を上げる改善」を伴う必要がある。手数料削減は二次的。

顧客データの取得可能性を確認しているか

MakeShopとSquareでは、取得できる顧客データの粒度が異なります。切り替え前に以下を確認してください。

  • 顧客の購買履歴データをCSV形式で自社システムに連携できるか
  • リピート顧客を自動識別し、メールリスト化できるか
  • 購買額・購買頻度・最後の購入日などの属性データを活用できるか

現在のシステムでこれらのデータ活用ができていない場合、決済システムの変更はデータ活用機能を「重視する判断」にしてください。手数料削減の効果よりも、データ活用による売上増加の方が大きいからです。

決済手数料の削減額と売上変化の予測

以下の計算で、決済手数料の削減がどの程度の売上変化で相殺されるか把握してください。

月商 手数料率の低下 年間削減額 相殺される売上低下率
1,000万円 0.5%(4.5%→4.0%) 60万円 0.6%(月商6万円程度)
3,000万円 0.5% 180万円 0.6%
5,000万円 1.0%(3.6%→2.6%) 500万円 1.0%(月商50万円程度)

この表から分かることは、購入完了率が1%低下するだけで、手数料削減の効果が完全に相殺されるということです。重要なのはここです。

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