MakeShop決済手数料で利益率が15%変わる理由と取引量で判断する決済方法選択の基準とは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
MakeShopの決済手数料が利益率に大きく影響する理由
結論から言うと、MakeShopの決済手数料は月商300万円以上で手数料交渉を開始し、クレジットカード決済率を70%以上に保つことが利益率改善の基準です。
MakeShopで扱う決済手数料の選択によって、同じ売上でも利益率が15%変わることをご存知ですか。ECサイトの決済手数料とは、クレジットカード・銀行振込・コンビニ決済など各決済方法ごとに発生する手数料であり、取引量や商品単価によって最適な選択基準が異なる経営判断です。
多くのEC事業者は「決済方法を増やすことが顧客満足につながる」と考えて、すべての決済方法を導入します。 しかし実際には、MakeShop管理画面で月次の決済手数料を確認してみると、手数料が売上の8~15%を占めていることに気づきます。 これは営業努力で生み出した利益をそのまま失っているのと同じです。
決済手数料の最適化は、単なるコスト削減ではありません。 取引量・商品単価・顧客属性に基づいた戦略的な意思決定です。 ここ、多くの経営者が見落としがちなポイントですが重要です。 福岡ECサイト株式会社が支援した事例では、決済方法を3つに絞り、クレジットカード決済の率を70%まで高めることで、手数料を13%から8.5%に削減し、利益率を4.5%改善させました。
決済手数料で利益率が変わる3つの理由

1. 決済方法ごとに手数料率が大きく異なる
MakeShopで利用できる決済方法の手数料は以下の通りです。クレジットカード決済は3~4%、銀行振込は無料、コンビニ決済は80~110円の固定手数料、キャリア決済は5~7%という具合に、方法によって2~3倍の差が生まれます。
月商500万円のサイトで仮定すると、クレジットカード決済が70%を占めれば約10.5万円の手数料です。しかし銀行振込の比率が30%だったとしても手数料は減りません。むしろコンビニ決済が増えると固定手数料が積み重なり、月額で15~20万円の追加コストが発生することもあります。
つまり売上の絶対額ではなく「どの決済方法を何%の顧客が選ぶか」で手数料の総額が決まるため、取引量が増えるほど手数料最適化の効果が大きくなります。 実際の現場では、このポイントで差がつきます。
2. 顧客属性によって決済方法の選好が異なる
BtoC事業では、購入客の年代・属性・商品単価によって決済方法の選択比率が異なります。20代女性向けファッションならクレジットカード決済が80%を超えます。一方、高齢者向け商品を扱うサイトではコンビニ決済や銀行振込の需要が高く、クレジットカード決済は50%程度に留まることもあります。
この選好の違いを無視して「すべての決済方法を用意する」という判断をすると、実際には使われない決済方法の契約料金だけが発生します。MakeShopの管理画面で「決済方法別の利用率」を確認すれば、利用率5%以下の決済方法がいくつか見つかるはずです。
つまり顧客属性に合わせた決済方法の選択は、実は顧客満足度を保ちながら手数料を削減する判断基準になります。
3. 商品単価の上昇が決済手数料のウエイトを変える
商品単価が高いほど、パーセンテージ手数料の絶対額が大きくなります。1,000円の商品でクレジットカード決済なら30~40円の手数料ですが、100,000円の商品なら3,000~4,000円の手数料が発生します。
月商が同じ500万円でも、単価1,000円で5,000件の取引と単価10,000円で500件の取引では、後者の方が手数料の比率が高くなる傾向があります。なぜなら取引件数が少ないほど「顧客に最適な決済方法を限定する」という選択肢が難しくなり、結果として複数の決済方法を用意せざるを得ないからです。
つまり単価の上昇に伴い、決済手数料を下げることは売上改善よりも重要な経営課題になります。
MakeShopで決済手数料を削減する5つの判断基準
判断基準1:月商100万円以下の時期は「クレジットカード+銀行振込」に絞る
月商が100万円未満の初期段階では、決済方法の選択肢を絞ることが最優先です。銀行振込は手数料無料のため、リスク回避を求める顧客層をカバーできます。クレジットカード決済と銀行振込の2つで月商100万円のサイトの90%以上の需要をまかなえるという実績データがあります。
この段階でコンビニ決済やキャリア決済を追加すると、契約手数料と機会損失のバランスが取れません。成長段階では「シンプルさ」が顧客体験の質にもつながります。
判断基準2:月商300万円を超えたら「クレジットカード率」で次のステップを判断する
月商が300万円を超えたとき、MakeShop管理画面の「決済方法別売上」レポートを確認してください。クレジットカード決済が総売上の70%以上なら、現在の決済方法の構成は効率的です。クレジットカード決済の率が60%未満に落ちている場合は、顧客属性が変わったか、サイトの導線でクレジットカード決済を選びづらくしていないか確認が必要です。
判断基準は以下の通りです。
- クレジットカード率70%以上:現在の決済方法構成を維持
- クレジットカード率60~70%:コンビニ決済を追加する検討
- クレジットカード率60%以下:顧客属性の分析を最優先
判断基準3:取引件数が月1,000件を超えたらキャリア決済を検討する
月商が同じでも、取引件数が多いサイトと少ないサイトでは手数料の戦略が異なります。取引件数が月1,000件以上の場合、単価が低めで若い顧客層が多い傾向があります。この層はキャリア決済を選ぶことが多く、キャリア決済を導入することでクレジットカード決済の比率をさらに高められます。
なぜなら顧客に複数の選択肢を提供することで「自分にぴったりの決済方法」を選ばせ、結果としてクレジットカード以外の決済手段を分散させるからです。一見すると決済方法が増えているように見えますが、実は「取引件数あたりの平均手数料」を下げる戦略になっています。
判断基準4:平均商品単価が10,000円以上なら手数料交渉の対象
取り扱う商品の平均単価が10,000円を超えるサイトは、クレジットカード決済の手数料交渉をする価値があります。月商500万円でクレジットカード決済の手数料が3.5%だった場合、0.3%の削減交渉に成功すれば月額1.5万円、年間18万円のコスト削減になります。
高単価商品を扱うサイトは、決済代行会社にとって「優良顧客」です。手数料の値下げに応じる可能性があります。年1回は決済代行会社の営業担当に相談してみてください。
判断基準5:銀行振込の利用率が10%未満なら廃止検討
MakeShop管理画面で決済方法別の売上を確認し、銀行振込の利用率が月間で10%未満だった場合、廃止を検討する段階です。なぜなら銀行振込は「手数料は無料だが、入金確認・照合の手間」があり、この人的コストが発生するからです。
利用率が低い決済方法は、顧客にとって「必須」ではなく「念のための選択肢」です。UI上での決済方法の数が減ると、かえって選択肢を絞られた顧客が「やはりクレジットカードで支払おう」と判断します。つまり廃止は手数料削減ではなく「顧客の意思決定を支援する」という効果も生む判断です。
取引量別の決済手数料最適化戦略

| 売上規模 | 推奨される決済方法 | クレジットカード率の目安 | 平均手数料率 | 判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 月商100万円以下 | クレジットカード+銀行振込 | 75~85% | 3~3.5% | 決済方法を絞ることが優先 |
| 月商100~300万円 | クレジットカード+銀行振込+コンビニ | 70~80% | 3.5~4% | クレジットカード率で次のステップを判断 |
| 月商300~1,000万円 | クレジットカード+銀行振込+コンビニ+キャリア | 70~75% | 4~4.5% | 顧客属性に合わせた方法選択 |
| 月商1,000万円以上 | 複数決済方法+手数料交渉 | 60~70% | 3~3.5% | 手数料交渉と利用率の最適化 |
福岡ECサイト株式会社が支援した事例:決済手数料削減による利益率改善
月商800万円の化粧品ECサイトの手数料削減事例
福岡のコスメブランドが運営する化粧品ECサイトは、月商800万円の段階で決済手数料が11.5%に達していました。全決済方法を導入していたため、クレジットカード決済は62%に留まり、利用率の低いコンビニ決済やキャリア決済の手数料が重くのしかかっていました。
支援内容は以下の通りです。
- 3ヶ月間の決済方法別利用率を分析し、利用率10%未満のキャリア決済を廃止
- MakeShop管理画面の決済方法表示順序を「クレジットカード→銀行振込→コンビニ」に変更
- 決済代行会社とのクレジットカード手数料交渉で3.4%→3.1%に削減
- 顧客属性分析により、銀行振込の利用者は50代以上であることを特定し、サイトのターゲット層に合わせて広告を最適化
結果として、クレジットカード決済の率が62%から74%に上昇し、手数料率は11.5%から8.8%に低下しました。月商800万円で手数料を月額21.6万円削減でき、年間で約260万円のコスト改善につながりました。
重要なのは「複数の決済方法を廃止した」ことではなく「顧客属性に合わせた決済方法の構成を設計した」という点です。決済方法が減ったことで顧客満足度が低下することはなく、むしろ支払い画面がシンプルになったことで完了率が96%から98%に向上しました。
決済手数料最適化でよくある失敗パターン

失敗パターン1:「すべての決済方法を用意する」という判断
月商100万円前後の段階で、クレジットカード・銀行振込・コンビニ決済・キャリア決済・Amazon Payをすべて導入してしまうパターンです。この判断は「顧客は複数の選択肢を求めている」という誤解に基づいています。
実際には、初期段階の顧客層は限定的であり、支払い方法のニーズも偏っています。複数の決済方法を用意することで、初回訪問者は「どの方法で支払うべきか」という判断に時間がかかり、かえって購入離脱につながることもあります。
失敗パターン2:「月1回も使われない決済方法を放置する」
MakeShop管理画面を見ずに決済方法の構成を放置する企業が多いです。その結果、月1回程度の利用率の決済方法に年間の契約料金を払い続けているケースがあります。利用率の低い決済方法は、実は顧客にとって「念のための選択肢」であり、この選択肢がなくてもほぼ影響しません。
つまり「使われていない決済方法を続ける」は、顧客サービスではなく「過去の判断への執着」になってしまっているという自覚が必要です。
決済手数料と利益率の関係を数値で理解する
ECサイトの利益率を理解するには、決済手数料がどの程度のウエイトを占めているかを把握する必要があります。例を示します。
月商500万円のサイトで仮定すると以下の通りです。
- 商品原価率:50%(利益候補=250万円)
- 運営費(人件費・広告・サーバー):100万円
- 決済手数料11%の場合:55万円
- 最終利益:95万円(利益率1.9%)
同じ条件で決済手数料を8%に削減できた場合は以下の通りです。
- 商品原価率:50%(利益候補=250万円)
- 運営費(人件費・広告・サーバー):100万円
- 決済手数料8%の場合:40万円
- 最終利益:110万円(利益率2.2%)
つまり決済手数料を3ポイント削減することで、利益が15万円増えます。これは月15万円の新規営業に相当します。
つまり決済手数料の最適化は「経営の工夫」であり「営業努力と同等の価値」を持つということです。 これは意外と見落とされがちですが、月15万円の営業成果と同じ効果です。



