MakeShop導入で現場が混乱する理由と業務定着を確実にする移行設計の判断基準とは

2026.05.17 MakeShop  福岡ECサイト 
男性たち モニターの前で会議 設計を話している アプリ開発 システム開発
鳥井敏史

福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史

この記事を書いた人

福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史

ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。

専門分野

ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計

ECサイト改善の主な実績

・ECサイト制作歴15年以上 ・MakeShopアンバサダー ・JBEA EC業界SEO部門2025受賞 ・月商100万円 → 月商2,000万円 ・BtoB EC 月商100万円 → 月商1,000万円 ・支援企業:JR九州 / JAL / 名鉄 など

この記事の監修

福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史

MakeShop導入後に現場の業務が混乱する理由

MakeShop導入は売上拡大の機会ですが、多くの企業で導入後に予期しない混乱が発生しています。「システムは入ったのに、現場が回らない」という声をよく聞きませんか。

MakeShop導入で現場が混乱する理由とは、システム移行による業務フロー変更と既存オペレーションの齟齬が、準備段階で構造設計されていないことである。

たとえば、商品登録フローが変わる、在庫管理の方法が異なる、受注処理のステップが増える、レポート確認の方法が変わる。これらは単なる「システムの違い」ではなく、組織全体の判断・報告・実行のサイクルが変わることを意味しています。

問題なのは、こうした変化が「IT導入」として技術面だけで考えられ、現場の業務設計まで落とし込まれていないことです。 結果として、以下のような疲弊が生まれます。

  • Slack に深夜の問い合わせが続く
  • スプレッドシートと管理画面のデータが合わない
  • 属人的な対応で何度も確認が必要になる

なぜMakeShop移行は「業務設計」が必要なのか

EC率が上がっている オンラインが増えている イラスト

MakeShop導入の成功は、プラットフォーム選定の精度ではなく、現場の人間がそのシステムをどう使いこなすかで決まります。

システムは道具です。ここ、意外と見落とされがちですが重要なポイントです。道具がいくら優れていても、使い手がいなければ成果は出ません。福岡ECサイト株式会社で支援してきた事例でも、MakeShop導入に失敗した企業の多くは「システムの設定は完璧だが、現場の業務フローが変わっていない」という状況にありました。

たとえば、MakeShop管理画面で商品登録を始めたとき、従来の Excel ベースの操作フローをそのまま続けていませんか。あるいは、受注管理を新しいシステムに移したにもかかわらず、営業は前のやり方を続けている。こうした「並行運用」は一時的には問題が見えませんが、在庫ズレ、受注漏れ、重複対応といった問題を引き起こします。

業務設計とは、このような現場の「実行プロセス」をシステム移行に合わせて再構造化することです。単なるトレーニングではなく、判断・報告・実行の流れを新しいシステムに最適化することです。

MakeShop移行で押さえるべき4つの業務設計要素

MakeShop導入で現場定着を実現するには、以下の4つの業務設計要素を順番に整備する必要があります。 これらの要素を段階的に設計することで、システム移行によるトラブルを最小化できます。

  1. データ構造設計 既存の商品情報、顧客情報、受注情報をどうMakeShopの形式に変換し、以後どのルールで管理するかを決めること。スプレッドシートで管理していた属性情報が、MakeShop管理画面でどの項目に対応するのかを一覧化する作業です。この段階で「現場が使いやすいデータ分類」と「MakeShopの機能的な制約」の両立を設計します。
  2. 実行プロセス設計 商品登録、受注対応、在庫更新、報告といった日々の業務が、新しいシステムではどのステップで、誰が、どのタイミングで実行するのかを明文化すること。従来は営業が行っていた入力作業が、MakeShop移行後は管理部が行うかもしれません。その判断を導出し、ドキュメント化します。
  3. 確認・承認フロー設計 MakeShop导入により、チェック項目が増えたり減ったりします。たとえば、従来は目視確認していた在庫が、システムで自動計算されるようになるかもしれません。その場合、人間の確認ステップをどこに配置するか、誰が責任を持つのかを設計することが重要です。
  4. データ検証・監視設計 MakeShop管理画面で見るべき数字、チェックすべき警告、定期的に確認すべきレポートを決めること。GA4 で直帰率を毎日確認するように、MakeShop管理画面でも「毎日チェックする指標」「週1で確認する指標」「月1で分析する指標」を決めておくと、データズレを早期に発見できます。

失敗パターン:システム依存と属人化の罠

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MakeShop移行で最も多い失敗は「並行運用の長期化」です。

新しいシステムが導入されたのに、古いやり方を並行で続けてしまう。理由は単純で「念のため」「まだ不安」という心理です。しかし、これが続くと在庫情報が2つのシステムで分散し、どちらが正で、どちらが間違っているのか判断できなくなります。結果として、深夜の確認作業が増え、一人の担当者が両方のシステムを監視する属人的な運用になってしまいます。

もう一つの失敗パターンは「トレーニング不足による継続性の欠如」です。

MakeShop導入時に研修を実施しても、3ヶ月経つと新しい人が配属されます。その人が従来のやり方を教わると、チーム内でプロセスがズレ始めます。「AさんはMakeShop管理画面で入力するが、Bさんはスプレッドシートに記入して後で管理画面に転記する」といった状況が生まれます。この状態では、MakeShop導入のメリットが完全に失われます。

MakeShop移行で現場定着させるための3段階プロセス

MakeShop導入を成功させるには、段階的なアプローチが必要です。 以下の3段階で進めることで、現場の混乱を最小化し、確実な定着を実現できます。

段階1:移行前の業務設計(導入の2ヶ月前)

まず、現在の業務をすべて可視化します。商品登録はどのステップで、在庫更新は誰が責任を持つのか、受注処理はどのフローで行われているか。これを書き出すことが第一歩です。その上で、MakeShopの機能と現場の業務をマッピングする。実現できることと、できないことを分けることで、MakeShop側でのカスタマイズが必要か、現場のプロセス変更で対応するのかの判断が見えてきます。

段階2:パイロット運用(導入から2週間)

小規模なテストから始めます。たとえば、新規商品だけをMakeShopで登録してみる、特定の営業担当者だけが新システムで受注対応を試みるといったアプローチです。この段階で問題が発見されるはずです。在庫計算の方法が違う、報告に必要な情報が不足している、判断に時間がかかるといった実務的な課題が見えます。これらの課題に対して、プロセスの修正を加え、ドキュメントを整備します。

段階3:全体展開と継続的改善(導入後1ヶ月以降)

全社的なシステム利用に移行します。ただし、ここで終わりではなく、定期的に現場からのフィードバックを吸収し、プロセスを改善し続けることが重要です。Slack に投げかけられた質問、管理画面で発見されたデータズレ、受注対応で時間がかかった案件――こうした実務的な課題から、さらなる業務最適化の機会が見えてきます。

データ検証と現場定着を支える仕組み

アプリ 開発の会社 男性と女性が正面を向いている 真剣

MakeShop導入後、最初の3ヶ月は「システムと現場のズレを発見する期間」です。

このとき重要なのは、問題が起きたときにそれを「現場の操作ミス」と考えるのではなく、「プロセス設計が不完全だった」と考えることです。

たとえば、MakeShop管理画面で在庫が正確に反映されていなかったとします。これは誰かの操作ミスではなく、在庫更新のプロセスが曖昧だったことを示しています。その場合、以下のように対応します。

  • 在庫更新のタイミングを明文化する(受注時か、発送時か、倉庫確認時か)
  • 責任者を明確にする(営業が更新するのか、管理部が更新するのか)
  • チェック項目を設ける(毎日、朝と夕方の2回チェックするなど)
  • 異常検知のルールを作る(在庫がマイナスになったら誰に報告するか)

実際の現場では、この対応を 1 ヶ月の間に 5 〜 10 件繰り返すことで、組織全体でMakeShopを使いこなすプロセスが固まります。

福岡ECサイト株式会社が支援した事例:卸売業者のMakeShop移行

月商3,000万円の卸売業者がShopifyから MakeShop に移行した事例があります。

導入前の課題は「複数の営業チャネル(自社EC、楽天、Amazon)を一つのシステムで管理したい」というもの。Shopify では、チャネル連携に別途ツール費用が必要だったため、MakeShop の標準機能に統合できるメリットを求めていました。

しかし、移行直後は混乱が生じました。理由は、営業チームが従来の Excel ベースの発注管理を続けていたこと。MakeShop管理画面では在庫が正確に反映されていても、営業が見ているのは前日の売上データをまとめたスプレッドシートだったのです。結果として「MakeShopには在庫ありと表示されているが、実際には売り切れている」という状況が頻発しました。

対応は、営業が毎日チェックすべき「MakeShop管理画面のダッシュボード」を設計し、スプレッドシート作成の時間をなくしました。MakeShop管理画面で必要な情報を見やすく表示する設定に変更し、営業が朝と午後に確認するプロセスを決めました。これにより、1 ヶ月後には顧客からのクレームはゼロになり、営業の確認作業時間も 1 日 30 分削減されました。

この成功の鍵は、MakeShop の機能ではなく、営業チームの業務フローを新しいシステムに合わせて再設計したことです。福岡ECサイト株式会社 代表・鳥井敏史は「システム導入は技術の問題ではなく、組織設計の問題」と考えています。

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