MakeShopでカート離脱が止まらない店舗が見落とす構造的な理由とは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
MakeShopで構築したのにカート離脱率が下がらない、本当の理由
MakeShopはECサイト構築の定番プラットフォームです。しかし「導入したのに離脱率が30%を超えたままだ」「カート周辺の設定は全部確認した」という相談が増えています。
カート離脱率が下がらない問題は、設定の問題ではなく構造の問題です。つまり、MakeShop側の設定よりも前に、サイト全体の導線・信頼・商品訴求の3つが整っているかを確認する必要があります。
カート離脱率が30%を超えている店舗に共通する問題

MakeShopの管理画面で離脱率を確認すると、多くの店舗は以下の順序で改善を始めます。
- 決済方法を増やす
- 送料表示を変える
- セキュリティバッジを追加する
- カート画面の入力項目を削減する
これらはすべて「カート画面内」の最適化です。しかし本当の問題は、ユーザーがカート到達時点で既に「買うかどうか決まっている」という事実にあります。
Slack通知で「新規注文」が入るタイミングを見ると、実は離脱しているユーザーの多くは商品ページを見た時点で購入意欲が70%以下だったケースがほとんどです。その低い購買心理のまま、決済ページまで進み、最後に「やっぱり買わない」と判断しているだけなのです。
設定調整だけでは離脱率が下がらない理由
カート離脱率の改善は「決済体験の最適化」ではなく「その前段階の購買構造」を整えることです。具体的には、商品ページから商品かごへの遷移までの間に、ユーザーの購買心理を80%以上まで高めておく必要があります。
福岡ECサイト株式会社が支援した店舗では、MakeShop導入から3ヶ月後に「カート画面を完璧に調整しても離脱率が26%のままだ」という相談がありました。そこで確認したのは、商品ページの訴求です。
その店舗の商品ページには以下が欠けていました。
- 使用シーンの画像がない
- 競合商品との比較情報がない
- 利用者のレビュー件数が10件未満
- 返品・交換ポリシーが明記されていない
- 在庫数が表示されていない
つまり、ユーザーは「本当にこの商品を買っていいのか判断できない状態」でカートに入れていたのです。その結果、決済ページで「やっぱり別の店で買おう」と離脱していました。
離脱率が下がる店舗と下がらない店舗の決定的な差
離脱率15%以下を実現している店舗に共通する特徴は「カート前の構造が整っている」という1点です。
具体的には、以下の順序で改善が進んでいます。
- 商品ページの訴求力(使用シーン・ベネフィット・比較)
- 信頼情報(レビュー・実績・返品保証)
- 商品ページから決済ページへの導線設計
- 決済ページ内の設定(決済方法・入力項目)
福岡ECサイト株式会社ではこれを「CVR優先順位理論」と呼んでいます。改善の順番は「導線→商品→信頼→集客」であり、集客より先に受け口を整えることが売上改善の前提条件です。カート離脱率の問題も同じです。決済体験の改善は4番目。1〜3番目を整えてから、初めて決済ページの設定調整が効果を発揮します。
MakeShop設定より先に確認すべき3つのポイント
カート離脱率を本気で改善したいなら、以下の3つを順番に確認してください。
1番目:商品ページの訴求が「比較に耐える」状態か
ユーザーがカートに入れるまでの心理は「この商品で大丈夫だろうか」という不安です。その不安を払拭できていない商品ページは、離脱を招きます。
確認すべき項目は以下です。
- 使用シーン画像は実際の利用状況を表現しているか(モデルのみの画像は不十分)
- サイズ感・重さ・材質などの詳細スペックが明確か
- 他の似た商品との違いが説明されているか
- 「この商品を選ぶ理由」が一言で言えるか
特に「他の似た商品との違い」が書かれていない商品ページは、ユーザーの心理を「比較したい」のままカートに入れさせます。つまり、ユーザーはあなたのサイトではなく、別のサイトで比較検討し、最安値を探して他店で購入する流れになります。
2番目:信頼情報が「購買不安を解消できる」量か
GA4でカート到達までのセッション行動を確認すると、離脱するユーザーの多くは商品ページに30秒以上いることがわかります。つまり、ユーザーはただ去るのではなく「本当に大丈夫か」を探しているのです。
その時に見られているのが以下です。
- レビュー件数と内容
- メディア掲載・受賞歴
- 会社情報・返品ポリシー
- 他のユーザーの購入実績
レビュー件数が10件以下の商品は「未検証の商品」として認識されます。ユーザーの心理としては「このサイトで買って大丈夫?」という疑問が残ったまま、カートから削除されるケースがほとんどです。
福岡ECサイト株式会社が支援した別の店舗では、商品ページの下部にレビュー件数を「200件以上」という形で表示に変更したところ、翌月のカート離脱率が24%から19%まで低下しました。つまり、信頼情報の「見えやすさ」が購買決定を大きく左右しているのです。
3番目:商品ページから決済ページへの導線に「迷い」がないか
「購入ボタンの位置」「カート内の表示」「配送方法の選択」など、決済フロー内の小さな「引っかかり」が離脱につながります。
Shopify管理画面のように、MakeShopでも購入までの各ステップのコンバージョン数を確認できます。以下をチェックしてください。
- 商品ページから「かごに入れる」までの比率
- 「かごに入れる」から「購入手続きへ」までの比率
- 住所入力画面での離脱
- 決済方法選択画面での離脱
- 最終確認画面での離脱
もし「購入手続きへ進む」ボタンの前で大きく落ちているなら、その前後の導線に問題があります。具体的には、送料がこのタイミングで表示される場合、急激な離脱が起きます。ユーザーは「商品代は想定していたが、送料で予算を超える」という理由で離脱しているのです。
設定調整ではなく「構造改善」が必要な理由

MakeShop側の設定を完璧にしても、この3つが整っていなければ離脱率は下がりません。なぜなら、ユーザーの購買不安は「サイトの使いづらさ」ではなく「商品の信頼が足りない」という本質的な問題だからです。
よくある誤解として「カート離脱率を下げる=決済体験を改善する」と考えられていますが、実際には「カート到達前に購買心理を90%以上にする」ことが先決です。
福岡ECサイト株式会社が支援してきた複数のMakeShop構築店舗で共通していた改善の流れは以下です。
- 商品ページをリニューアル(訴求・比較・シーン画像の追加)
→ カート到達数が20%増加 - 信頼情報を整備(レビュー獲得・メディア掲載情報の追加)
→ カート離脱率が3〜5%低下 - 決済フローを簡素化(不要な入力項目削除)
→ カート離脱率がさらに2〜3%低下
つまり、サイト全体の「売れる構造」を整えることで、初めてMakeShop側の設定調整が活きてくるのです。
カート離脱率改善で失敗するパターン
失敗パターン1:決済方法を増やしただけで満足してしまう
「PayPayに対応した」「Amazon Payを追加した」という施策だけで、カート離脱率の改善が完了したと考える店舗があります。しかし、これは「ユーザーが既に購買決定している状態」での施策です。
購買決定前のユーザーには決済方法の数は関係ありません。むしろ「複数の決済方法が表示されている」ことで、画面が複雑に見える場合もあります。
失敗パターン2:入力項目を減らしたが、必要な情報まで削ってしまう
「ユーザーの入力負担を減らそう」という意図で、配送先住所の自動入力やメールアドレスの省略化を進める店舗があります。しかし、ユーザーが求めているのは「入力の簡素化」ではなく「信頼できるサイトかどうか」の確認です。
住所を間違えられないか、個人情報は安全か、という不安を払拭できないサイトでは、入力項目を減らしても意味がありません。
判断基準:あなたの店舗は今どの段階にあるか

自社のMakeShopサイトがどの段階にあるかを確認するために、以下の基準を参考にしてください。
カート離脱率20%以下を実現すべき企業
- 月商500万円以上を目指している
- 商品ページのアクセスが月1万件以上ある
- 既にSEO対策やAI検索対策を進めている
この場合、集客効率を最大化するためにはカート離脱率を下げることが必須です。現在の離脱率が25%なら、これを15%に改善することで、同じ集客コストで40%の売上増加が期待できます。
商品ページのリニューアルを優先すべき企業
- カート到達率が5%以下である
- 商品ページの平均滞在時間が20秒以下
- 商品ページのレビュー数が平均3件以下
この場合、決済体験の改善よりも「商品ページの訴求強化」が先です。MakeShop側の設定調整は後回しにしてください。
サイト全体のリニューアルを検討すべき企業
- MakeShop導入から3年以上経過している
- ページ表示速度が3秒以上かかっている
- スマートフォン表示でのカート到達率がPC表示より20%以上低い
この場合、MakeShop設定の最適化では対応しきれません。サイト全体の構造設計から見直すことが必要です。Shopifyへの移行やサイトリニューアルを検討する段階に入っています。
カート離脱率改善の実務ステップ
実際に改善を進めるなら、以下の順序で施策を進めてください。
- 現状のカート離脱率をGA4で正確に計測する
(全体だけでなく、ページごとの離脱も確認) - 離脱するユーザーが「どこで」離脱しているかを特定する
- 離脱ユーザーの行動パターンを分析する
(商品ページの滞在時間・見たページ数など) - 商品ページの訴求力評価
(比較情報・シーン画像・詳細情報の充実度チェック) - 信頼情報の整備(レビュー・企業情報・返品ポリシー確認)
- 決済フロー内の各ステップの離脱率を確認し、問題箇所を特定
- MakeShop側の設定調整
(決済方法・入力項目・セキュリティバッジなど) - 改善後の離脱率を計測し、前月比較で効果を検証
重要なのは、各施策を並行して進めるのではなく「順番を守る」ことです。決済体験の改善を最初にすると、カート離脱率は改善しません。
MakeShopカート離脱に関するよくある質問
カート離脱率の業界平均はどのくらいですか
一般的には20〜30%程度とされていますが、この数字は参考にする価値がありません。なぜなら、あなたのサイトと他のサイトでは「商品ページから流れてくるユーザーの質」が異なるからです。
重要なのは業界平均ではなく「自社の改善余地」です。前月比で離脱率が上がっているなら対策が必要。下がっているなら施策は効果を出しています。この相対的な改善を追うことが重要です。
スマートフォンでの離脱率が高いのですが、対策は何ですか
スマートフォン特有の離脱が高い場合、原因は大きく3つです。
1つ目は「ページ表示速度」です。MakeShop設定で画像最適化やキャッシュ設定を確認してください。ページが3秒以上かかっていると、スマートフォンユーザーの50%以上が離脱します。
2つ目は「情報量の多さ」です。スマートフォンの小さい画面では、商品情報が縦に長くなり、ユーザーはスクロール疲れで離脱します。スマートフォン表示用に「重要情報」だけを上部に配置し直してください。
3つ目は「決済画面の入力のしづらさ」です。スマートフォンでの住所入力は非常にストレスです。MakeShop側で「郵便番号から自動入力」機能を有効化してください。
MakeShopのセキュリティバッジを追加しただけで離脱率が下がりました。何が起きたのですか
これは「元々の訴求力が弱かった」ことを示しています。セキュリティバッジの追加で「このサイトなら安心」という安心感が、初めて生まれたのです。
つまり、あなたのサイトは「ユーザーが購買を迷っている状態」にありました。セキュリティバッジはそのきっかけにはなりますが、本来なら商品ページの訴求力で信頼を構築しているべき段階です。さらなる改善余地が大きいということを認識してください。
つまりMakeShopでのカート離脱率改善とは、決済体験の最適化ではなく、商品ページから決済ページまでの「全体構造」を「ユーザーの購買心理が80%以上になる状態」に設計し直すことです。
まとめ
MakeShop設定で離脱率を改善しようとするのは、問題を誤解しています。本当の問題は「商品ページの訴求力の不足」「信頼情報の欠落」「導線の不明確さ」です。
改善の順番は必ず「商品訴求→信頼整備→決済体験→MakeShop設定」です。現状のカート離脱率が25%以上なら、商品ページのリニューアルを最優先にしてください。ページ下部のレビュー数が10件以下、使用シーン画像がない、競合との比較がない状態なら、MakeShop側の設定調整は効果を発揮しません。
カート離脱率を15%以下に改善できる店舗は「構造で考える」ことを習慣にしています。決済体験の改善は、その最後のステップです。
まずは、自社の商品ページを「ユーザーが他サイトと比較する時に、比較に耐える情報が揃っているか」という視点で見直してみてください。
アパレル企業・Webマーケティング担当者
MakeShopで月商800万円の売上を達成していましたが、カート離脱率が28%で伸び悩んでいました。決済画面の最適化を進めても変わらず、福岡ECサイト株式会社の支援で商品ページの訴求をリニューアルしました。使用シーン画像の追加、サイズ感の詳細説明、競合との比較表を加えた結果、翌月のカート到達率が10%上昇し、離脱率が19%まで低下。その後の集客強化で月商1,500万円を達成できました。設定よりも構造が大切だと理解できました。
食品EC企業・経営者
MakeShop導入後の3年間、カート離脱率は常に25%前後で、改善の手立てがありませんでした。MakeShop側の設定は完璧に調整していたのに、という状態でした。福岡ECサイト株式会社 代表・鳥井敏史との相談で「問題は設定ではなく商品ページにある」と指摘され、レビュー数を増やす施策と、商品の利用シーン動画を追加しました。3ヶ月後にカート離脱率が18%まで改善。それ以降、新規商品ページはすべてこの構造で設計しています。
お客様の声
アパレル企業・Webマーケティング担当者
カート離脱率が高止まりしており、MakeShopの決済設定を何度見直しても改善しない状態が続いていました。相談を通じて「問題は設定ではなく商品ページにある」と指摘され、使用シーン画像の追加・サイズ感の詳細説明・競合との比較情報を整備したところ、カート到達率と離脱率がともに改善しました。設定の最適化に費やしていた時間が、いかに的外れだったかを実感しています。
食品EC企業・経営者
MakeShop導入後、長期にわたってカート離脱率が改善せず、設定面はやれることをすべてやり切った状態でした。「商品ページの訴求力と信頼情報が不足している」という視点で見直し、レビュー収集の仕組みづくりと利用シーンを伝えるコンテンツの追加を進めた結果、離脱率が段階的に下がり始めました。構造から考えることを習慣にしてから、新規ページの設計精度も上がっています。



