海外販売で失敗する企業の決済手段選定と通貨対応の判断基準とは

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鳥井敏史

福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史

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福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史

ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。

専門分野

ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計

ECサイト改善の主な実績

・ECサイト制作歴15年以上 ・MakeShopアンバサダー ・JBEA EC業界SEO部門2025受賞 ・月商100万円 → 月商2,000万円 ・BtoB EC 月商100万円 → 月商1,000万円 ・支援企業:JR九州 / JAL / 名鉄 など

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福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史

目次

海外販売で最初に困る決済手段と通貨対応の選定の仕方

海外販売に参入する決済手段と通貨対応とは、顧客の購買地域に応じて複数の決済方法と現地通貨を用意し、決済時のユーザー体験と手数料構造で売上を左右する重要な基盤である。

ECサイトのグローバル展開を検討するとき、多くの企業は商品の国際配送や言語対応に注力します。

しかし実際の現場では、決済画面で購入を諦めるユーザーが全体の3割を超えるケースが珍しくありません。

管理画面で売上データを見ると「アクセスはあるのに転換しない」という状況に直面します。

その原因の多くは、顧客が使い慣れた決済手段がないか、通貨表示が現地のものになっていないことです。決済選択肢が限定されているだけで、カート離脱率は大きく上昇します。

このページでは、海外販売において決済手段と通貨対応がなぜ売上を決めるのか、そして企業規模別にどう選定すべきかを、具体的な判断基準と共に解説します。

海外販売の決済手段選定が売上に直結する理由

オフィス 女性 MTG 男性 複数人

海外販売では、国内の決済戦略がそのまま使えません。理由は2つです。

1つ目は、地域ごとに利用する決済手段が大きく異なることです。北米ではクレジットカードが主流ですが、東南アジアではデジタルウォレット、ヨーロッパではバンク送金を好むユーザーが多くいます。Stripe社の調査では、提供されていない決済手段しかない場合、その地域からの購買率は20~30%も低下します。

2つ目は、通貨変換のタイミングと手数料が顧客体験を左右することです。ユーザーが決済画面で自分の通貨に変換されていない金額を見ると、支払い総額の予測ができず、不安感から購入を中止します。また手数料が高く表示されれば、その分を商品価格に上乗せして考えるため、競合他社との比較で不利になります。

つまり、決済手段と通貨対応は「サイト構造」の問題ではなく「売上構造」の問題です。購買地域ごとに最適な決済を設計していないだけで、成約率は大幅に低下するということです。

海外販売の決済選定で判断すべき5つの要素

企業がグローバル販売を始めるとき、決済手段と通貨対応を選ぶプロセスは以下の5つの要素で判断します。

  • 対応すべき地域と主要な決済手段
  • 決済手数料と通貨変換コスト
  • ユーザーの決済体験(入力項目・チェックアウト時間)
  • 現地の金融規制と決済ルール
  • プラットフォーム側の対応可否

これら5つを並行して検討することで、初期投資と長期的な売上最大化のバランスが取れた決済戦略が立てられます。

対応すべき地域と主要な決済手段の把握

まず最初にすべきことは「自社の販売対象地域」を明確にすることです。

全世界対応を視野に入れるのではなく、売上の8割を占める3~5地域に絞り、その地域ごとの決済トレンドを確認することから始めます。

北米・カナダではクレジットカード(Visa・Mastercard・American Express)が決済全体の70%以上を占めます。ただしカナダではインターネットバンキングも15%程度の利用があります。ヨーロッパではクレジットカードの他、SEPA(ヨーロッパ統一送金システム)や各国の銀行送金が主流です。UK・ドイツ・フランスではPayPalの利用率が30%を超えます。

アジア太平洋地域はより複雑です。日本ではクレジットカードが主流ですが、中国ではAlipay・WeChat Pay、タイではPromptpayやバンク送金、フィリピンではGCashなどのモバイルウォレットが中心となります。シンガポール・マレーシアではデジタルウォレットとクレジットカードが並行して使われます。

つまり、地域ごとに「ローカルスタンダード」が存在し、その地域で主流の決済手段がないだけで、購買率は3~4割低下するということです。

決済手数料と通貨変換コストの比較

決済手段を選ぶときに見落とされやすい判断基準が「実際の負担コスト」です。

クレジットカード決済の場合、決済代行会社に支払う手数料は一般的に2.5%~3.8%です。これに加えて通貨変換を挟むと、さらに1.5%~2.5%の変換手数料が上乗せされます。つまり、海外からの1万円の決済に対して、企業側の実負担は400~650円となります。

これに対してPayPalの場合、手数料は3.49%+基本手数料で、通貨変換は自動計算されます。ローカル決済サービスを使う場合は、固定手数料+変動手数料という構造になり、取引量が少ないうちは割合が高くなります。

例えば月商100万円で海外売上が30万円の企業の場合、Stripeで全地域対応すると月間手数料は9,000~12,000円です。これが地域別に異なる決済サービスを組み合わせると、複数の決済代行契約が必要になり、管理コストが増加します。

判断基準は「月間海外売上がいくら」かによって変わります。

  • 月商50万円以下:StripeやPayPal1社で統一する
  • 月商100万円以上で特定地域への集中度が高い場合:その地域のローカル決済を追加する
  • 月商500万円以上で複数地域での売上がある場合:地域別に複数の決済代行会社を組み合わせる

ユーザーの決済体験と購買完了率

決済手段の選択で最も重要なのは「ユーザーがいかに簡単に支払いを完了できるか」です。

クレジットカード決済を選んだ場合、入力項目は「カード番号・有効期限・CVV・名義人・住所・郵便番号」と7~8項目あります。これに対してGoogle PayやApple Pay、PayPalのワンクリック決済を使えば、登録済みの情報をボタン1つで呼び出せます。

実測データでは、入力項目が7項目を超えるチェックアウト画面では、完了率が10~15%低下します。これはスマートフォンでの購買時にさらに顕著になります。モバイル購買が主流の地域では、ウォレット決済やワンクリック決済を用意しないだけで、成約率は20%以上低下します。

また、決済時間も重要です。クレジットカード入力による決済完了には平均で2分30秒かかりますが、PayPalやGoogle Payなら15~30秒で完了します。このわずかな時間差がカート離脱を誘発します。

つまり、決済手段を選ぶときは「手数料」だけではなく「完了までの入力項目数」と「決済にかかる時間」を優先すべきということです。月商が小さいうちは、一番簡単に決済できる手段を提供することが、手数料よりも重要な判断基準になります。

現地の金融規制と決済ルール

海外販売を始める企業が予期しない課題が、各国の金融規制と決済ルールです。

ヨーロッパではPSD2(決済サービス指令2)による強い認証が義務付けられており、決済時に追加認証ステップが必須になります。これによって決済画面が複数ページになり、離脱率が上昇します。

中国ではAlipayとWeChat Payは政府の監視下にあり、決済額の日次上限や月次制限が存在します。アメリカではACH(銀行振替)の場合、3~5営業日の決済確認期間があります。オーストラリアではAPRA(オーストラリア審慎規制庁)の監督により、決済データの取り扱いに厳格なルールがあります。

これらの規制を無視して決済を組んでしまうと、後から決済がブロックされたり、返金処理に数週間かかるなど、カスタマーサービス業務が急増します。

判断基準は「販売対象の各国で、決済プロバイダーが正式な許認可を得ているか」を確認することです。Stripe・PayPal・Adyenなどのグローバル決済代行会社は、対応国ごとに規制要件をクリアしていますが、地域限定の小規模な決済サービスを使う場合は、その国での許認可ステータスを確認する必要があります。

ECプラットフォーム側の対応可否

最後に重要なのは「使っているECプラットフォーム自体が、その決済手段に対応しているか」という問題です。

Shopifyを使っている場合、Stripeは標準対応ですが、その他の決済サービスの追加には、アプリストアからサードパーティアプリをインストールする必要があります。MakeShopを使っている企業は、提携している決済代行会社が限定されているため、自由に決済を追加できません。

これが重要な判断基準になります。Shopifyは250以上の決済手段に対応しているため、グローバル展開に向いています。WooCommerceも同様に拡張性が高いです。これに対してMakeShop・futureshopなどのASP型ECプラットフォームは、提携している決済代行会社のサービスしか追加できないため、対応地域が限定されます。

つまり、海外販売を前提にサイトをリニューアルする場合、プラットフォーム選択の時点で「複数の決済手段に対応できるか」を判断基準に入れる必要があります。

従来型の決済戦略と海外販売対応型の決済戦略の違い

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観点 従来型(国内向け) 海外販売対応型
決済手段の選び方 クレジットカード+コンビニ払い+銀行振込で統一 対象地域ごとに主流の決済手段を3~4種類用意
通貨表示 日本円のみ 顧客の地域に応じて現地通貨で表示・決済
手数料の考え方 決済代行会社の手数料で統一 地域別に異なる手数料を想定し、利益率を再計算
チェックアウト画面 1ページ,入力項目7~8 決済手段ごとに異なる画面、入力項目3~4に削減
決済確認 即座に確認、返金は同日対応 地域によって決済確認に数日要する場合を想定
管理業務 決済代行会社1社の管理画面を確認 複数の決済代行会社のダッシュボードを並行管理

この表から見える本質は、「決済を増やすこと」ではなく、「顧客ごとに最適な決済体験を設計すること」です。

福岡ECサイト株式会社が支援した海外販売開始事例

健康食品メーカーがアメリカとシンガポールへの販売を開始した事例を紹介します。

最初、この企業はShopifyに切り替える際、Stripe1つで全対応しようと考えていました。しかしアクセス分析を行うと、シンガポールからのアクセスは40%ありながら、購買転換は0.8%に留まっていました。原因を調査すると、シンガポール在住のユーザーがクレジットカード情報を入力する際、自分の通貨(シンガポールドル)で表示されていなかったため、支払い総額が不透明なまま離脱していました。

そこで決済戦略を再設計しました。アメリカ向けにはStripe(クレジットカード+Apple Pay・Google Pay)を、シンガポール向けにはAdyen経由でローカルバンク送金とPayNowを追加しました。さらに、Shopify管理画面で地域ごとに異なる通貨を設定し、顧客の地域に応じて自動的に現地通貨が表示されるようにしました。

結果として、シンガポールからの購買転換率は0.8%から3.2%へ上昇し、アメリカからの購買も2.1%から4.5%に改善されました。月商の合計は150万円から520万円に成長しました。

この事例で重要なのは「決済手段を追加した」のではなく、「顧客が使い慣れた決済手段を地域ごとに用意し、自分の通貨で金額が見える状態に設計した」ということです。つまり、売上改善は技術的な追加ではなく、構造設計の問題だったわけです。

海外販売の決済設計でよくある失敗パターン

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失敗パターン1つ目は「複数の決済手段を追加したのに売上が改善しない」というケースです。これは多くの場合、決済画面で新しく追加した決済手段の位置が目立たない場所にあったり、顧客が最初に見る決済選択肢として用意されていないために起きます。

例えば、ヨーロッパからのアクセスがあるのに、クレジットカード選択肢の下の方に小さく「その他の決済」と書かれた領域にしまっているようなケースです。ユーザーは最初に目に入った選択肢で判断するため、手間のかかるクレジットカード入力を諦めて離脱します。

失敗パターン2つ目は「通貨変換で損失を被る」というケースです。決済代行会社の通貨レートと銀行レートの差を考慮せず、商品価格を設定してしまうと、想定より手数料が高くなり、利益率が低下します。

例えば、アメリカからの購買で1回の取引が100ドルだとします。Stripeの手数料が3.5%+通貨変換が2%の場合、実際の着金は約94ドルとなります。商品原価が50ドルの場合、利益率は大幅に低下します。

正しくは「地域別に利益率を再計算してから、その地域での販売価格を決定する」プロセスが必要です。これを事前に計算しないまま販売を開始する企業が多くあります。

地域別・企業規模別の決済手段選定フロー

企業が海外販売の決済を選ぶプロセスは、以下の判断フローで進めます。

決済選定は以下のステップで進めます。

  1. 月間海外売上を予測する。複数の決済代行会社を契約すべきか、1社で統一すべきかを判断します。月商100万円未満は複数契約のメリットがありません。
  2. 販売対象地域ごとの主流決済を確認する。北米・ヨーロッパ・アジアごとに、利用シェア1位〜3位の決済手段を調べます。
  3. 使用中のECプラットフォームが対応しているか確認する。Shopifyは自由度が高く、MakeShop等は提携している決済代行会社から選ぶ必要があります。
  4. 決済手数料と通貨変換コストを計算する。対象地域の取引額と手数料を掛け合わせ、実際の手数料負担を算出します。
  5. チェックアウト画面を設計する。地域に応じて最適な決済を最初に表示するように順序を設定します。
  6. 通貨表示を地域別に設定する。Shopifyの場合はGeolocationアプリ等で顧客の地域を自動判定し、現地通貨で表示する設定を行います。

海外販売の決済選定で優先度を判断する具体的な基準

企業が「今すぐ決済対応を強化すべき」か「後回しにしてもよい」か判断するには、以下の数値基準を使います。

海外からのアクセス数が全体の20%を超えている場合、決済対応は優先度高です。このレベルのアクセスがありながら決済が非対応なら、成約率で3~4割の機会損失が発生しています。

海外売上が月商全体の15%を超えている場合、地域別の決済設計は必須です。この規模の売上があれば、複数の決済代行会社の契約コストを吸収できます。

海外からのカート離脱率が国内の1.5倍以上の場合、決済が原因である可能性が高いです。GA4のコンバージョン漏斗分析で、地域別に「カート追加までは進むが決済が完了しない」という傾向が見られたら、決済周辺の改善が最優先です。

これらの基準に当てはまる場合は、来月中に決済対応の強化計画を立てることをお勧めします。

AI検索と海外販売における決済情報の最適化

最近、AI検索(ChatGPTやGeminiなど)が「このサイトはどの決済に対応しているか」という質問に対して、企業のWebサイトから情報を引用する傾向が増えています。

つまり、決済手段が明確に記載されていないECサイトは、AI検索でも見つかりにくくなります。Geminiで「シンガポールから買える日本の健康食品」と検索した場合、AIは「PayNow対応」「ローカルバンク送金対応」といった情報を抽出して回答を組み立てます。

この観点からサイトのリニューアルを検討する場合、以下の3点が重要になります。

  • 商品ページに「対応地域」と「その地域で利用できる決済手段」を明記する
  • FAQページで「シンガポールから購入する場合、どの決済が使えるか」という地域別の決済質問に答える
  • 構造化データ(schema.org)で決済手段を記述し、AIが正確に引用できる状態にする

つまり、海外販売への決済対応は「ユーザーのためだけ」ではなく「AI検索に見つかるため」にも必要な対策になっているということです。

Shopifyと従来型ASP型ECプラットフォームにおける決済拡張性の違い

海外販売を始める段階で直面する選択が「現在のECプラットフォームでいいのか、乗り換えるべきか」という判断です。

MakeShopやfutureshop、カラーミーショップなどのASP型プラットフォームは、提携している決済代行会社のサービスのみ利用可能です。例えばMakeShopの場合、新規追加できる決済方法は「決済代行会社の追加」という形に限定されます。ローカル決済サービスを自由に組み込むことはできません。

一方、ShopifyはAPIレベルで他社決済を統合できるため、世界中の決済サービスと接続可能です。Adyen・Square・2Checkout・PayPalなど、複数の決済代行会社と同時契約して使い分けられます。

結論として、月商500万円以上で複数地域への販売を想定する企業は、Shopifyへのリニューアルを優先検討すべきです。現在のプラットフォームでも対応できる地域が限定されている場合は、今からでも乗り換えが有効です。

海外販売決済対応で必ず確認すべきチェックリスト

決済手段と通貨対応を整備する際に、チェックすべき項目をまとめました。

  • 対象地域の決済シェア1位~3位が提供できるか(プラットフォーム・決済代行会社の仕様確認)
  • 通貨自動変換機能があるか、あるいは地域ごとに手動で通貨設定できるか
  • 各決済手段の手数料を計算し、実際の利益率を再計算したか
  • チェックアウト画面で、地域別に最適な決済手段が最初に表示されるか
  • 決済処理に地域特有の規制要件(3D SecureやPSD2など)が対応しているか
  • 複数の決済代行会社を使う場合、管理画面の一元化ができるか
  • カスタマーサービス側で、地域別の決済トラブル対応プロセスが構築できているか
  • 決済周辺の情報(対応地域・対応決済)がWebサイトに明記されているか

海外販売における決済と通貨対応に関するよくある質問

複数の決済代行会社を使う場合、管理はどうなりますか

複数の決済代行会社を契約した場合、それぞれの管理画面で取引履歴を確認する必要があります。月に1度、全決済代行会社の売上データを集計してExcelに落とし込み、管理画面に統合するプロセスが必要になります。

Stripeを基幹決済にして、その他の決済は補助的に使うという構造なら、管理が簡潔です。例えば、北米・ヨーロッパはStripe統一、アジアのローカル決済のみ個別契約という方法です。これにより、主要決済はStripe管理画面1つで確認でき、ローカル決済の分だけ追加で確認します。月商500万円程度までは、この方法で十分対応できます。

決済手数料の違いで利益率がどのくらい変わりますか

商品の原価率が50%だと仮定します。国内販売でクレジットカード手数料が3%の場合、販売価格の利益率は47%です。

これが海外販売で、クレジットカード手数料3.5%+通貨変換2%+決済代行会社による現地振替手数料1.5%が発生すると、実際の着金手数料は7%になります。販売価格の利益率は43%に低下します。

つまり、利益率が4ポイント低下することになります。月商100万円の販売の場合、月間40万円の着金が、38.4万円に減少します。この差を補填するには、販売価格を3~4%上げるか、ローカル決済を活用して手数料を削減する必要があります。

通貨を複数対応すると、商品の価格表示が複雑になりませんか

Shopifyの場合、Geolocationアプリやマーケット機能を使うと、顧客の地域に応じて表示通貨を自動的に切り替えられます。顧客側の体験は「自動的に自分の通貨で表示される」という状態になり、複雑さはありません。

管理側では、Shopify管理画面で各通貨の為替レートを定期更新する必要があります。手動で毎日更新するのではなく、自動更新アプリを使えば手間は発生しません。月に1~2回、レート変動を確認するだけで十分です。

つまり、通貨複数対応による管理コストはほぼ発生しません。むしろ利益率を高められるメリットの方が大きくなります。

決済手段が多いほど、カート離脱が減るのですか

いいえ、単に決済手段を増やすだけでは改善しません。重要なのは「顧客が使い慣れた決済が最初に見える位置に配置されているか」です。

例えば、シンガポール向けに20種類の決済手段を提供しても、チェックアウト画面でクレジットカードが最初に表示されていたら、ユーザーはクレジットカード入力を試みます。シンガポール内で主流のPayNowやローカルバンク送金は、スクロールして初めて見つかる位置にあるなら、離脱率は改善されません。

正しい設計は「顧客の地域を自動判定し、その地域で利用シェア1位の決済を最初に表示する」というアプローチです。シンガポールからのアクセスであれば、PayNowやローカルバンク送金が最初に表示される状態にするということです。

つまり、決済の「数」ではなく「順序」と「配置」が、カート離脱率を決定します。

海外販売を始める場合、どのプラットフォームを選ぶべきですか

月商100万円以下で、単一の地域への販売を予定しているなら、現在のプラットフォームで対応できるかを確認してください。MakeShop・futureshopでも、提携している決済代行会社の中からローカル決済を選べれば、対応可能です。

月商100万円以上で、複数地域への販売を検討しているなら、Shopifyへのリニューアルを優先検討すべきです。決済の自由度、通貨対応、管理の簡潔さの観点から、Shopifyが圧倒的に有利です。

既にShopifyを使用しているなら、地域別に異なる決済を追加するだけで対応可能です。初期費用として、複数の決済代行会社との契約と管理画面の統合設定(約10~20万円)が必要ですが、以降は月額運用費のみです。

地域別の価格設定と決済手数料の関係をどう考えるべきですか

地域別に異なる販売価格を設定する場合、決済手数料を考慮する必要があります。北米ではクレジットカード手数料が2.9%、ヨーロッパではPSD2対応により3.5%、アジアではローカル決済で1.5~3%というように、地域ごとに手数料が異なります。

正しい価格設定は「原価率+地域別の手数料=販売価格」という計算式で行うことです。例えば、原価率が50%の商品を北米で販売する場合、手数料2.9%を考慮すると、原価50%+手数料2.9%=販売価格に反映すべき費用は約53%になります。つまり、販売価格を原価の2倍に設定するなら、利益率は47%になるということです。

この計算を事前に行わず、全地域で同じ利益率で販売していると、手数料が高い地域では利益率が低下します。

つまり、海外販売で利益を守るには「地域別の手数料を正確に把握し、販売価格に反映させる」プロセスが必須ということです。

判断基準まとめ:海外販売における決済対応の優先順位

以下の企業属性に当てはまる場合、決済対応を今すぐ検討すべきです。

  • 月間海外アクセス数が全体の20%を超えている=決済対応は優先度高。地域別の決済設計を来月中に開始
  • 月間海外売上が月商全体の15%を超えている=複数の決済代行会社契約が費用対効果あり。手数料計算を基に段階実装
  • 海外からのカート離脱率が国内の1.5倍以上=決済が原因である可能性が高。チェックアウト画面の改善が最優先
  • 対象地域が3地域以上である=Shopifyなどの高拡張性プラットフォームへのリニューアルを検討
  • 月商500万円以上で複数地域展開=地域別の手数料計算と価格設定の最適化が必須

つまり海外販売における決済手段と通貨対応とは

つまり、海外販売の決済手段と通貨対応とは、単なる決済方法の追加ではなく、「顧客が使い慣れた決済を最初に見える位置に配置し、自分の通貨で支払い総額が透明に見える状態」を設計する、売上構造の問題である。

まとめ:海外販売の決済戦略を決める3つの要素

海外販売で決済を設計するときは、以下の3つの要素を並行して判断します。

海外販売で決済を設計するときは、以下の3つの要素を並行して判断します。

  1. 対象地域ごとの主流決済の把握と優先順序の設定。北米はクレジットカード、ヨーロッパはバンク送金、アジアはローカルウォレットというように、地域ごとに異なる決済主流を把握し、チェックアウト画面での表示順序を決めます。
  2. 決済手数料と通貨変換コストの計算による利益率再計算。各地域の手数料を事前に計算し、販売価格に反映させることで、期待以下の利益に陥るのを防ぎます。地域別に手数料が1〜2%異なると、月商が大きくなるにつれて累積で大きな影響が出ます。
  3. プラットフォームの選択と管理体制の構築。Shopifyなら複数決済を自由に組み合わせられますが、MakeShop等のASP型なら提携決済に限定されます。月商や地域数に応じて、プラットフォーム乗り換えの判断も含めて進めることをお勧めします。

これら3つの判断を並行して進めることで、初期投資と長期的な売上のバランスが取れた決済戦略が成立します。

まずは対象地域の決済シェア調査から始めてみてください

海外販売の決済対応を検討する場合、まずやるべきことは「販売対象にしている地域の決済利用状況」を調べることです。ここ、意外と後回しにされがちですが重要な起点です。各国のクレジットカード協会のレポートや、Stripe・Adyenなどが公開しているデータから、各地域の決済シェアが確認できます。

次に、現在のECプラットフォームがその地域の主流決済に対応しているか確認します。

対応していなければ、決済追加のコスト(契約費用+開発費+月額費用)を計算し、その地域からの月間売上で回収できるかを判断します。

この2つのステップを踏むだけで、優先すべき決

海外販売における決済戦略の構築をサポートします

福岡ECサイト株式会社では、海外販売を予定するECサイトの決済設計と、プラットフォーム選定のサポートを行っています。単に決済を追加するのではなく、対象地域ごとの手数料計算、利益率の再設計、チェックアウト画面のUI最適化を含めた、売上構造としての決済戦略を立案します。

Shopifyへのリニューアルや、既存プラットフォームでの決済拡張など、段階的な実装もサポート可能です。まずはサイト診断を通じて、現在のプラットフォームで対応可能な地域と課題を整理することからお勧めします。

海外販売における決済手段と通貨対応に関するよくある質問

クレジットカード決済だけでは、海外販売で対応できないのですか

クレジットカード決済だけでは、地域によって対応不足になります。北米はクレジットカード利用が70%以上と高いため対応可能ですが、東南アジアではクレジットカード利用は30~40%に留まり、デジタルウォレットやモバイル送金が主流です。

例えば、タイではPromptpayが決済利用の40%を占めますが、クレジットカード決済しかないサイトではPromptpay利用者は購入できません。結果として、タイからのアクセスのうち成約するのは30~40%に限定されます。

つまり、クレジットカード対応だけでは、地域によって顧客の3~4割を失っているということです。

通貨表示を自動変換する場合、為替レート更新の手間はありますか

Shopifyの場合、為替レートを自動更新するアプリが複数あります。「Currency Converter & Localization」などのアプリを導入すれば、1日1回、リアルタイムの為替レートに自動更新されます。

管理側での手作業はほぼ発生しません。月に1~2回、為替レート更新のログを確認するだけで十分です。

手動で毎日更新する必要はありませんので、運用コストの増加はほぼ発生しません。

複数の決済代行会社を使う場合、決済額の入金タイミングがずれますか

各決済代行会社の入金タイミングは異なります。Stripeは翌営業日入金ですが、PayPalは月1回、一部のローカル決済代行会社は月2回というように、企業ごとに異なります。

複数の決済代行会社を契約した場合、入金タイミングがずれるため、銀行への入金日程が複数になります。経理側では、各決済代行会社の入金予定を管理画面で毎月確認し、Excel等で集計するプロセスが必要になります。

月に1時間程度の管理業務が増加します。決済額が大きくなれば、その手間に見合った利益が得られるため、月商500万円以上の企業なら問題ありません。月商100万円以下の企業なら、決済代行会社を1~2社に限定することをお勧めします。

海外販売でPayPalを使う場合、注意点は何ですか

PayPalは世界的に利用されている決済手段ですが、企業によって利用制限が設定されることがあります。特に新規で海外販売を開始する企業は、PayPalアカウント開設から2~3カ月の間、取引額の一定割合が保留されることがあります。

例えば、月商100万円でPayPalの売上が30万円の場合、そのうち10万円が保留されて、着金は20万円になるということです。保留期間は企業の信用実績によって短縮されるため、最初から小規模な売上で実績を作り、徐々に大きくすることをお勧めします。

また、PayPalは取引異議が発生しやすい決済方法です。顧客が「商品が届かない」と異議を提出すると、PayPal側が調査を開始し、決済がリバースされる場合があります。管理側での異議対応体制を事前に構築しておくことが重要です。

決済手数料の差で、Shopifyに乗り換えるべきかどうかを判断する基準は何ですか

現在のプラットフォームで使用している決済代行会社の手数料と、Shopify+Stripeの手数料を比較します。

例えば、MakeShopで提携している決済代行会社の手数料が3.5%の場合、Shopify+Stripeで全地域対応すれば、手数料を2.9%に下げられます。0.6%の手数料差があります。

月商500万円の企業なら、月間3万円の手数料削減になります。Shopify乗り換えのコスト(制作費30~50万円)を見ると、1年6ヶ月~2年で回収できます。月商1000万円を超える企業なら、ほぼ1年で回収可能です。

つまり、月商500万円以上で複数地域への販売を検討しているなら、手数料削減だけで乗り換えが正当化されるということです。

お客様の声

  • 業種:健康食品ブランド
  • 役職:CEO

アメリカとシンガポールへの販売を始めたとき、決済が複雑になると思い込んでいました。地域別の決済設計と通貨表示を最適化してから、購買転換率が3倍に改善されました。「決済手段の表示順序」が成約率を左右するという視点は、実装後すぐに数字で確認できました。今では月商の30%が海外売上になっています。

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