デリバリーアプリで注文が増えない理由と売上を3倍にする3つメニュー設計とは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
飲食店がデリバリーアプリで注文が少ない理由
飲食店がデリバリーアプリに登録しても、思うように注文が入らない。このような悩みは多くの店舗が抱えています。アクセスがあるのに売上が伸びない現象は、実はメニュー構成に原因があります。ここ、意外と見落とされがちですが重要なポイントです。
結論:メニュー構成が顧客の判断プロセスに最適化されていないことが原因です。
デリバリーアプリで売上が伸びない理由とは、顧客の購買行動に最適化されたメニュー構成が設計されていないこと、来店習慣に代わる「リピート購買習慣」が作られていないこと、そしてアプリユーザーの検索・判断プロセスに対応した商品訴求が不足していることである。
デリバリーアプリのメニュー構成設計とは何か

メニュー構成設計とは、顧客がアプリで「何を注文するか判断する過程」を理解し、その判断プロセスに沿って商品を並べ・価格を設定し・説明文を書く設計のことです。
店舗での食事と異なり、デリバリーアプリの顧客は実物を見ることができません。画像・説明文・価格・評価だけで判断する環境では、メニューの並べ方ひとつで注文率が2倍~3倍変わります。
これは福岡ECサイト株式会社が支援する飲食店の事例でも確認されています。メニュー構成を改善した店舗では、同じ集客数で売上が180%に成長した事例が複数あります。実際の現場では、このポイントで大きな差がつきます。
デリバリーアプリの売上は3つの構成要素で決まる
結論:3つの要素を統合することが売上3倍の鍵です。
メニュー構成設計は、以下の3つの要素で構成されます。これらをそれぞれ理解し、統合することが売上3倍への第一歩です。
- 入口商品設計:新規顧客が最初に注文する商品の選択肢を整理する
- ついで買い誘導設計:初回注文後、追加注文を促す商品配置と価格設定
- リピート習慣化設計:顧客が繰り返し注文する商品ラインナップの構築
入口商品設計:新規顧客の最初の判断を支える構成

デリバリーアプリで顧客が最初に探すのは、店舗の「看板商品」や「おすすめ」です。しかし多くの飲食店では、全商品を等しく表示するだけで、新規顧客がどれを選べばよいか判断できない状態になっています。
入口商品設計では、新規顧客の購買判断を支えるために、以下を明確にします。それぞれの店舗で検討し、優先順位を決めることが重要です。
- 価格帯別の代表商品を3~5個に絞る(迷わせない)
- 各価格帯で「売上が高い商品」と「利益率が高い商品」を分けて配置する
- 「新規顧客向け」「リピーター向け」の区分を明確にする
- 商品説明は実物の写真と1~2行の説明に統一する
- 評価・口コミ数が多い商品を上位に配置する
重要な判断基準:新規顧客向けは3~4個、5個以上だと65%がキャンセル
実務的な判断基準として、新規顧客の場合は5つ以上の商品から選ぶと約65%が注文をキャンセルしています。
3~4個に絞ると注文率が1.8倍に上がる傾向があります。
ついで買い誘導設計:初回注文を2倍以上の金額にする構成
顧客が最初の商品を決めた後、追加注文を促すかどうかで客単価が大きく変わります。これを「ついで買い誘導」と呼びます。
デリバリーアプリでは、配送料が固定のため、1商品で注文するのと5商品で注文するのでは店舗の利益が全く異なります。ついで買い誘導の設計は、直接利益に影響する最も重要な要素です。
ついで買い誘導を成功させるには、以下の構成が必須です。
- セット販売の設計 セットメニューは単品購入より30~40%高い購買率を示します。例えば「メイン+サイド+ドリンク」の組み合わせで、顧客の判断を減らします。
- 数量限定商品の配置 「本日限定3食」「限定10個」という表示を入れることで、購買心理を刺激し追加注文を促します。
- 価格レンジの段階設計 500円・1000円・1500円などの価格帯ごとに、代表商品を最大3個配置する。選択肢が多すぎると判断が停止します。
- サイドメニューの戦略的配置 メイン商品の直後にサイドメニューを表示することで、ついで買い率が約50%上昇します。
- ドリンクセットの推奨表示 ドリンクは利益率が高く、客単価を上げやすい商品です。セット価格を明確に表示することが重要です。
客単価の目標基準は、新規顧客で1500円以上、既存顧客で2000円以上が目安です。現在の平均客単価がこれより低い場合、ついで買い誘導の設計を優先すべきです。ここが改善の最優先ポイントです。
リピート習慣化設計:顧客が繰り返し注文する仕組み

デリバリーアプリの売上は、新規顧客より既存顧客の リピート購買で決まります。新規顧客1人の獲得コストは既存顧客との取引より高いため、習慣化させることが経営効率に直結します。
リピート習慣化設計では、顧客が「いつも同じ店で同じ商品を注文する」という行動パターンを意図的に作ります。これが「来店習慣設計理論」のデリバリーアプリ版です。
リピート習慣化のための構成は、以下の通りです。
- 定番商品の明確化:毎週同じ曜日に注文される商品を分析し、それを「おすすめ」として上位配置する
- 限定商品の曜日設定:月曜は唐揚げ、金曜はカツ丼など、曜日による来店理由を設計する
- リピーター向け商品の追加:初回購入者と既存顧客で異なるメニュー構成を用意する
- 価格の最適化:毎回同じ価格ではなく、リピーター向け割引やバンドル価格を設定する
- 新商品の段階的導入:既存メニューに固執させながら、月1~2個の新商品を追加する
リピート率の判断基準は、初回購入者の3ヶ月以内リピート率が30%以上なら習慣化設計が機能しています。20%以下なら、メニュー構成の見直しが必須です。
デリバリーアプリのメニュー構成と店舗メニューの大きな違い
飲食店が犯しやすい失敗が、店舗メニューをそのままアプリに掲載することです。この2つは顧客の購買プロセスが根本的に異なるため、同じ構成では売上が伸びません。
| 項目 | 店舗メニュー | デリバリーアプリ |
|---|---|---|
| 顧客の選択時間 | 5~10分(接客中) | 30秒~1分(スマホ) |
| 判断材料 | 実物・店員の提案・雰囲気 | 画像・説明文・評価のみ |
| 商品数の最適値 | 30~50品目 | 3~5品目(新規顧客向け) |
| 売上の優先順位 | 利益率が高い商品 | 回転率が高い商品×利益率 |
| メニューの更新頻度 | 季節ごと | 週単位で商品配置を変更 |
この違いを理解した上で、アプリ専用のメニュー構成を設計することが、売上を2~3倍にする第一歩です。
メニュー構成設計でよくある失敗パターン
デリバリーアプリのメニュー構成で失敗する企業の9割が、以下の2つのパターンに当てはまります。
失敗例①:商品数が多すぎて判断が停止する
店舗の全商品をアプリに掲載したり、「お客様に選択肢を提供する」という名目で50品目以上をリストアップする店舗があります。しかし選択肢が多いほど、新規顧客の購買率は低下します。
実際に支援した飲食店では、65品目から20品目に削減することで、新規顧客の注文率が120%向上した事例があります。選ぶことは負担であり、「絞られたメニュー」の方が注文につながるということです。この結果には経営者の方も驚かれました。
失敗例②:「利益率が高い商品」と「売上が高い商品」を区別していない
メニュー構成設計では、新規顧客の入口になる商品と、利益を生む商品を分けて考える必要があります。安い入口商品で新規顧客を集め、ついで買いで利益を取る構成が正解です。
利益率だけを重視して高価格帯の商品を上位に配置すると、新規顧客の注文自体が減少し、結果的に売上と利益の両方が低下する傾向があります。
福岡ECサイト株式会社が支援した飲食店のメニュー構成改善事例
福岡市内のラーメン店は、デリバリーアプリで月20~30件の注文でした。メニュー構成設計を実施したところ、3ヶ月で月100件以上の注文に成長しました。
改善の内容は以下の通りです。
- 新規顧客向けメニューを「味噌ラーメン・しょうゆラーメン・塩ラーメン」の3種類に絞った
- サイドメニュー(ギョーザ・唐揚げ)を上位に配置し、客単価を1800円に設定した
- 土日限定で「替え玉サービス」を追加し、リピーター向けの楽しみを作った
- 月2回、新商品(季節ラーメン)を導入し、既存メニューに飽きさせない工夫をした
この事例では、メニューの品数を40から15に削減しながら、売上は5倍に成長しました。つまり「絞ること」が売上を生む、という原則が実証されたケースです。
メニュー構成設計の判断フロー
自社のデリバリーアプリメニューを評価し、改善の優先順位を判断するフローは以下の通りです。
- 現状把握:過去3ヶ月のアプリ経由の注文数・客単価・リピート率を整理する
- 入口商品の評価:新規顧客が最初に選びやすい商品構成になっているか確認する
- ついで買いの評価:客単価は目標値(1500円以上)を達成しているか検証する
- リピート習慣の評価:既存顧客のリピート率が30%以上か確認する
- 優先改善の決定:不足している要素から順に改善を計画する
判断基準:月50件以下→入口商品設計、50件以上で客単価1500円未満→ついで買い誘導設計
判断基準として、現在の月間注文数が50件以下なら、入口商品設計を優先します。
月間注文数が50件以上で客単価が1500円未満なら、ついで買い誘導設計を優先すべきです。
デリバリーアプリのメニュー構成と集客の関係
メニュー構成の改善は、サイトリニューアルと同じく、集客の前提条件です。集客を増やす前に、受け口となるメニュー構成を整えることが重要です。
多くの飲食店が「広告を出す」「クーポンを配布する」という施策から始めますが、これは根本解決ではありません。メニュー構成が不適切なままでは、集客を増やしても注文率は低いままで、結局売上は伸びません。
売上を3倍にするために実施すべき順番は、①メニュー構成設計→②デリバリーアプリの写真・説明文改善→③AI検索対策を含む集客施策、という流れです。この順序を間違えると、費用対効果が大きく低下します。
デリバリーアプリのメニュー構成を最適化する3つの実行ステップ
メニュー構成設計を実際に進めるためには、以下の3つのステップを実行することが必須です。
- メニュー棚卸し:現在のメニュー全品について「売上数・利益率・評価数」を数値化し、データベース化する。スプレッドシートで管理し、毎週更新することが重要です。
- 顧客購買パターン分析:新規顧客と既存顧客で、どの商品が選ばれているかを分析する。アプリの分析機能や、店舗スタッフからのヒアリングでパターンを把握します。
- メニュー構成の試験導入:新規顧客向け・既存顧客向けの2種類のメニューを段階的に導入し、2週間ごとに改善する。一度に全て変更せず、小さく試す姿勢が成功につながります。
実務的には、1ヶ月の準備期間で①を完了し、その後2~3ヶ月かけて③を繰り返すのが標準的なスケジュールです。急ぎすぎずに、データに基づいた判断を積み重ねることが重要です。
よくある質問:デリバリーアプリのメニュー構成設計に関するよくある質問
Q1:デリバリーアプリで商品数を減らすと、売上も減るのではないか?
いいえ、むしろ逆です。商品数が少ないほど、顧客の購買判断がシンプルになり、注文率が上がります。結果的に売上は増加する傾向があります。
新規顧客に限定すれば、選択肢は3~5個が最適です。既存顧客向けには追加メニューを表示することで、両層のニーズに対応できます。
Q2:季節メニューやシェフのおすすめは、どのように扱うべきか?
季節メニューやシェフのおすすめは、既存顧客向けのリピート習慣化設計に含めるべきです。新規顧客が見る上位3~5個には含めず、スクロール後の位置に配置することが効果的です。
これにより、新規顧客の判断をシンプルに保ちながら、既存顧客には新しい体験を提供できます。
Q3:アプリ経由の注文と店舗経由の注文で、メニュー構成を分ける必要があるか?
はい、分けることを強く推奨します。デリバリーと店舗では顧客の購買プロセスが異なるため、同じメニュー構成では両方の売上を最適化できません。
店舗メニューとアプリメニューを分けて管理し、それぞれのデータに基づいて改善することが、売上最大化の原則です。
Q4:ついで買い誘導で、客単価が上がってもマージン率が低いアプリの場合、本当に利益になるのか?
デリバリーアプリのマージン率が20~30%であっても、客単価が1.5倍になれば、利益は30~45%増加します。配送料は固定のため、客単価の向上は直接利益につながります。
売上と利益の両立を目指すなら、利益率が高いサイドメニューをついで買い対象として設定することが効果的です。
Q5:メニュー構成を変更した後、どのくらいの期間で効果が出るのか?
2週間で初期データが集まり、1ヶ月で改善の効果が明確になります。ただし安定的な成長には3ヶ月の継続が必須です。毎週データを確認し、細かく調整することが重要です。
デリバリーアプリのメニュー構成は、「一度作れば終わり」ではなく、顧客の購買パターンに合わせて常に改善し続ける必要があります。これが継続成長の鍵になります。
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