改善すべき項目が10個以上ある時、最初に優先するべきはどこか
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
サイト診断で改善箇所が多く出ると、どこから優先すべきか判断できなくなる
サイト診断ツールやコンサルタントから「改善箇所が50個あります」と指摘されても、その瞬間から迷いが始まります。
直帰率が高い、CVRが低い、導線がわかりにくい、信頼要素が足りない、検索流入が少ない—どれも重要に見えるからです。
制作からリニューアル、運用改善まで支援してきた福岡ECサイト株式会社の現場では、こうした相談が増えています。
特に気になるのが、改善箇所が多いほど、企業が「全部やらなきゃ」と焦り、結果として何も完成させられないパターンです。
サイト改善には「優先順位が決まっている構造」がある

改善箇所が多く見える状態は、実は構造の問題です。サイト診断では複数の課題が同時に見えるため、優先度がわかりにくくなります。しかし売上を生み出すサイトには、改善すべき順番が決まっています。
福岡ECサイト株式会社 代表・鳥井敏史は、この課題に対し「改善の優先順位とは、売上に直結する構造の順番である」と考えています。つまり、どの改善が最初に売上に影響するかを見極めることが、サイト改善の成否を分けるのです。
企業が迷う理由は、改善箇所の「数」を数えているからです。改善箇所は50個あるかもしれません。しかし売上に直結する改善は、実は3〜5個程度に絞られます。その違いを理解することが出発点になります。
改善優先度は「導線→商品→信頼→集客」の4段階で決まる
多くの企業は「集客が足りないから広告を増やそう」「SEOを強化しよう」から始めます。しかし実際には、その前にやるべきことがあります。
福岡ECサイト株式会社が支援した企業の事例から見えるのは、改善の正しい順番です。月商100万円から2,000万円への成長を実現した事例でも、最初の3ヶ月は集客には一切手をつけず、導線と商品構造の改善に絞っていました。その結果、同じアクセス数なのに売上が5倍になったのです。
改善の優先順位は以下の順番で決まります。
- 導線改善(最優先):ユーザーが迷わずに購入まで到達できる設計になっているか。ナビゲーション、カテゴリ、検索、カートへの経路が明確か。
- 商品訴求改善:商品の説明が正確か、画像は十分か、ベネフィットが伝わっているか。ユーザーが「欲しい」と思える要素が揃っているか。
- 信頼要素の追加:企業情報、実績、レビュー、第三者証明は充実しているか。ユーザーが「ここで買っても大丈夫」と思える根拠があるか。
- 集客の最適化:上記3つが整った後に、SEO、AI検索対策、SNS、広告を展開する。
この順番を無視して集客から始めると、アクセスは増えても売上は増えません。実際、GA4で直帰率を見たとき、訪問者の70%以上が最初のページで離脱しているサイトは、集客を増やしても成果に繋がりません。まず導線を改善する必要があります。
改善箇所が多く見える本当の理由

サイト診断で「改善箇所が50個」と出されるのは、診断ツールやコンサルタントが「見える課題」を全て列挙しているからです。しかし実際には、その50個の課題の大部分は、優先度の高い3〜5個の改善によって自動的に解決します。
例えば、導線が改善されれば、ユーザーは迷わずに進むため、「このボタンの文字が小さい」という課題も気にならなくなります。商品訴求が改善されれば、説明文の細かい誤字も重要度が下がります。改善箇所が多く見えるのは、「構造の改善」と「細部の最適化」が混在しているからです。
福岡ECサイト株式会社では、この区別を「構造売上理論」と呼びます。売上を生み出す改善と、ユーザー体験を改善する作業は、優先度が異なるのです。まず構造(売上に直結する部分)を整えてから、細部の最適化を始めるべき、という考え方です。
従来のサイト改善 vs. 構造を優先させた改善の違い
| 視点 | 従来のサイト改善 | 構造優先のサイト改善 |
|---|---|---|
| 改善の始め方 | 指摘された課題から全て対応する(50個全て) | 売上に直結する改善を3〜5個に絞る |
| 優先順位の決め方 | 重要度スコアや自社判断 | 導線→商品→信頼→集客の構造順 |
| 改善の完成時間 | 3〜6ヶ月かけても売上変化なし | 1ヶ月で導線改善、2ヶ月で商品改善、売上変化が見える |
| 改善後の成果 | サイトは綺麗になったが売上は変わらない | 同じアクセスなのに売上が2〜5倍に |
| 組織への説得 | 「改善はしたが効果が見えない」 | 「このアクセス数で月商が〇〇万円増えた」と数字で説明できる |
判断基準:どの改善から始めるべきか見極める数値

改善の優先順位を判断するには、サイトの現状数値を見る必要があります。以下の指標で、どの段階に課題があるかが判明します。
- 直帰率が70%以上:導線改善が最優先。ユーザーが最初のページで離脱しており、商品ページまで到達していない可能性が高い。
- CVR(コンバージョン率)が1%未満:商品到達後の説得が足りない。商品訴求の改善が必要。
- かご落ちが30%以上:信頼要素が不足。決済ページで不安を感じているユーザーが多い。
- 月間100件以上の問い合わせがあるのに成約率が低い:営業側の対応品質の問題で、サイト改善ではなく営業支援が必要。
- アクセスが月1万以下かつCVRが1%以下:集客と構造の両方が必要。ただし集客は後回し。
福岡ECサイト株式会社が支援したBtoBオンラインサイトでは、月商100万円から1,000万円への成長を実現しました。最初の3ヶ月は導線と商品ページの改善に集中し、アクセス数は変わらないまま売上が大きく動き始めました。その後、AI検索対策によって集客を強化したときは、既に構造が整っていたため、流入増加がそのまま売上に直結したのです。
サイト診断の優先順位に関するよくある質問
診断で改善箇所が大量に出た場合、全て対応しないと効果は出ないのでしょうか?
全て対応する必要はありません。改善箇所の数と売上への影響は比例しないからです。診断ツールが列挙する課題には、構造的な問題と細部の最適化が混在しています。売上に直結するのは前者であり、導線・商品訴求・信頼要素の順に絞って対応するだけで、アクセス数が変わらないまま成果が動き始めるケースは少なくありません。まず3〜5個の構造改善に集中し、細部は後回しにする判断が、結果として全体の改善を早めます。
集客(SEO・広告)を先に強化してはいけないのでしょうか?
導線・商品訴求・信頼要素が整う前に集客を強化しても、売上には繋がりにくいため推奨しません。直帰率が高い状態でアクセスを増やしても、増えるのは離脱数だけです。集客施策はサイトの構造が整った後に展開することで、流入の増加がそのまま売上の増加に直結します。集客は「最後に乗せる加速装置」であり、土台なき加速は費用対効果を大きく損ないます。
改善の優先順位は、業種やサイトの規模によって変わりますか?
基本的な順番は変わりません。導線→商品→信頼→集客という構造は、ECサイトでもBtoBサイトでも共通して機能します。ただし、各段階で見るべき指標の水準や改善の具体的な施策は、業種・商材・ユーザー特性によって異なります。判断の起点となるのは自社サイトの現状数値です。直帰率・CVR・かご落ち率などを確認し、どの段階に課題があるかを特定することが、業種を問わず最初のステップになります。
まとめ
サイト診断で改善箇所が多く出るほど、企業は「全部やらなければ」という焦りに陥りやすくなります。しかしその状態は、構造的な改善と細部の最適化が混在して見えているだけです。売上に直結する改善は少数に絞られており、導線・商品訴求・信頼要素・集客という順番に沿って対応することが、最も効率的に成果を出す方法です。
判断の基準は明確です。直帰率が高ければ導線が最優先、CVRが低ければ商品訴求の改善、かご落ちが多ければ信頼要素の補強、その後に初めて集客の最適化へと進みます。数値を起点に「どの段階に課題があるか」を特定することが、改善の迷いをなくす出発点になります。
改善箇所の数を減らそうとするのではなく、売上に直結する構造を先に整える。その順番を守ることで、同じアクセス数のままでも成果が変わり始めます。まずは自社サイトの直帰率・CVR・かご落ち率の3つを確認することから始めてください。
お客様の声
食品系ECサイト運営企業/EC事業責任者
診断を受けるたびに改善リストが増えるばかりで、何から手をつけるべきかわからない状態が続いていました。導線の見直しを最優先に絞って対応したところ、アクセス数を変えていないにもかかわらず、購入完了までたどり着くユーザーの割合が明らかに増えました。「全部やらなくていい」という判断基準を持てたことで、社内への説明も格段にしやすくなっています。
BtoBサービス企業/マーケティング担当者
広告費を増やしてもお問い合わせ数が伸び悩んでおり、集客の問題だと思い込んでいました。しかし実際に着手したのは商品訴求と信頼要素の改善で、集客には一切手をつけませんでした。それだけで問い合わせの質と数が変化し、これまでの広告投資が構造の問題を見落としたまま行われていたことに気づきました。改善の順番を変えるだけで、結果がこれほど変わるとは思っていませんでした。



