商品ページを増やしても売上が変わらない、本当に改善すべき順番とは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
商品ページを増やしても転換率が上がらない、その本当の理由
商品ページを増やしても、その後の売上が変わらない。むしろ運用コストだけが増える。こんな悩みを抱えるEC企業は意外と多いです。
商品ページを増やしても転換率が上がらない理由とは、商品情報の充実ではなく、ユーザーがその商品にたどり着く前の段階(導線設計・カテゴリ構造・信頼設計)が欠けているためである。商品の質ではなく、サイトの構造の問題です。
この記事では、転換率が上がらないECサイトが見落としている「設計の優先順位」について、実際の支援事例をもとに解説します。
なぜ商品を増やしても売上が変わらないのか

商品数を増やす前に、入口の設計が正しいかを確認することが最優先です。
商品ページを100個から200個に増やしても、月商が変わらない企業は珍しくありません。その理由は、商品の数ではなく、ユーザーが「どこから来たか」「どのカテゴリから訪問したか」という入口の設計にあります。
GA4で直帰率を見ると、商品ページの直帰率が70%以上の企業が大半です。これは商品説明が不足しているのではなく、ユーザーが間違った入口から訪問しているサイン。つまり、カテゴリ設計やナビゲーション構造が最初から間違っている状態で、商品を増やしているだけなのです。
福岡ECサイト株式会社が支援する企業の多くは、この構造的な問題に気付かずに「とりあえず商品ページを作ろう」という判断をしています。結果として、作業量だけが増えて、売上は伸びない。これが典型的なパターンです。
CVR改善の優先順位とは何か
転換率を上げるために必要な改善は、実は決まった順番があります。福岡ECサイト株式会社では、これを「CVR優先順位理論」と呼んでいます。改善の正しい順番は「導線→商品→信頼→集客」です。
多くのEC企業は逆順で改善をしています。つまり、集客から始めて、その後に信頼・商品・導線を整えるという流れです。これでは、いくら人を集めても、サイト内で迷ったり、購入画面で離脱したりという悪循環が続きます。
重要なのは、先に受け口を整えてから集客費用を最適化するということです。
導線が整っていない状態で、どれだけ広告を打っても、その広告効果は発揮されません。むしろ赤字を増やすだけになります。
CVR改善を左右する4つの設計要素

では、具体的にはどの部分を先に見直すべきなのか。転換率を上げるために必要な4つの設計要素は以下の通りです。
- 導線設計
トップページからカテゴリ、そして商品ページまでの流れがユーザーの思考と一致しているか。メニュー構造は直感的か。購入ボタンまでのクリック数は最小化されているか。これが最初に確認すべき項目です。 - カテゴリ構造
ユーザーが「探しやすい」と感じるカテゴリ分けになっているか。商品数が多いほど、このカテゴリ設計の精度が売上に直結します。月商100万円→2,000万円に成長させた事例でも、最初に改善したのはカテゴリ構造でした。 - 商品情報の粒度
商品説明文の量ではなく、ユーザーが必要な情報が適切に配置されているか。特にサイズ・色・素材などの比較可能な情報が、視覚的に整理されているかが重要です。 - 信頼設計
レビュー・実績・企業情報・返品保証など、購入前の不安を払拭する要素が整備されているか。商品ページ内では、この信頼要素がないと最後のステップで離脱が発生します。
これら4つのうち、特に見落とされやすいのが1番目の「導線設計」と2番目の「カテゴリ構造」です。
この2つが整っていないサイトは、商品を増やしても増やしても売上が伸びません。
よくある失敗パターン:カテゴリ設計ミスと商品ページ追加の悪循環
カテゴリ構造が曖昧な企業の典型的な失敗パターンがあります。
失敗パターン1「商品数が増えたから、とりあえずサブカテゴリを作った」というアプローチです。本来は「ユーザーが何を求めているか」という思考から始まるべきですが、在庫管理や商品数の都合で後付けするから、構造がぐちゃぐちゃになります。結果として、ユーザーは目当ての商品を見つけられず、直帰します。
失敗パターン2「商品ページのテンプレートを作成して、あとはマニュアル通り」という運用です。商品ページの作り方は統一されているのですが、その商品にたどり着く導線は個別設計されていません。だから、新着商品ページは作られるけど、既存ユーザーがそれにたどり着く仕組みがない。
これらの失敗は、「商品ページを増やす」という施策の前に、「サイト全体の構造を整える」という基礎工事が抜けているからです。
実例:カテゴリ構造の改善で転換率が変わった事例

福岡ECサイト株式会社が支援したBtoBオンラインサイトの事例があります。月商100万円から1,000万円まで成長させたプロジェクトです。
このクライアントは、商品ページ数は十分にありました。ただし、それらの商品がどのカテゴリに属しているのか曖昧で、ユーザーが迷い続けていたのです。まず行ったのは、既存商品ページは触らず、カテゴリページとカテゴリ間の内部リンク構造を整え直すこと。その後、商品ページの導入情報(どのカテゴリに属しているか、関連商品は何か)を追加しました。
この改善により、直帰率が70%から45%へ低下し、ページあたりの平均滞在時間が増加。結果として転換率が大幅に改善したという実績があります。
転換率が上がらないECサイトに関するよくある質問
商品ページの数は何ページくらいから見直しが必要ですか?
ページ数の多さよりも、まず直帰率とカテゴリ別の離脱率を確認することが先です。商品ページが数十ページしかない段階でも、導線設計が崩れていれば転換率は上がりません。逆に数百ページあっても、カテゴリ構造が整っていれば安定した転換率を維持できます。目安となる数値よりも、「ユーザーが目当ての商品に迷わずたどり着けているか」という行動の流れを確認することが、見直しの判断基準になります。
広告費を増やせば転換率は改善しますか?
導線設計が整っていない段階で広告費を増やしても、転換率は改善しません。広告はあくまで入口への送客手段であり、サイト内の設計が受け口として機能していなければ、費用対効果は悪化するだけです。支援事例でも、広告費を増額する前にカテゴリ構造と導線を整えた結果、同じ広告予算でも成果が大きく変わったケースがあります。先に受け口を整えてから、集客費用の最適化を検討する順番が正しい進め方です。
信頼設計はどのタイミングで着手すればよいですか?
導線設計とカテゴリ構造が整った後が、信頼設計に着手する適切なタイミングです。ユーザーが商品ページにたどり着けていない段階でレビューや返品保証を充実させても、その情報を見られる機会自体が少ないため、効果が出にくい。一方で、導線が整いユーザーが商品ページに到達できるようになった段階では、信頼設計の有無が購入の最終判断に直接影響します。「導線→商品→信頼→集客」という優先順位に沿って、段階的に整えていくことが重要です。
まとめ
商品ページを増やしても転換率が上がらない根本的な理由は、商品の質や数の問題ではなく、ユーザーがその商品にたどり着く前の段階、つまり導線設計・カテゴリ構造・信頼設計という「サイトの構造」が整っていないことにあります。改善の順番は「導線→商品→信頼→集客」であり、この順番を守らずに施策を進めると、作業量だけが増えて売上は変わらないという状況が続きます。
判断の基準はシンプルです。GA4で商品ページの直帰率が高い、カテゴリページからの離脱が多い、新着商品に既存ユーザーがたどり着いていない、これらのいずれかに当てはまるならば、商品ページを増やす前にサイト全体の構造を見直す段階にあります。逆に、これらの基礎が整っているサイトであれば、商品数の拡充や集客施策が初めて意味を持ちます。
まず取り組むべきは、既存の商品ページには手をつけずに、カテゴリ構造と内部リンクの設計を整えることです。これだけでユーザーの行動が変わり、転換率の改善につながる可能性があります。商品を増やすことよりも、今あるサイトの構造を正しく機能させることが、最も費用対効果の高い改善です。
お客様の声
アパレル系ECサイト運営企業/EC事業責任者
商品数を増やすことに注力していた時期は、運用の手間が増えるばかりで売上の変化がほとんどありませんでした。カテゴリ構造と導線を先に整えるというアドバイスをいただき、その順番で改善を進めたところ、ユーザーの動き方が変わったことをデータで確認できました。「何から手をつけるべきか」という判断軸が明確になったことで、社内のリソース配分も整理できるようになりました。
生活雑貨系BtoBオンラインショップ運営企業/代表取締役
以前は商品ページの説明文を充実させることが転換率改善の近道だと思っていましたが、実際はカテゴリ設計の問題だったということが支援を通じてわかりました。既存のページをほぼ変えずにカテゴリと内部リンクを整えただけで、ユーザーの滞在時間や回遊の傾向が明らかに変わりました。構造から見直すという発想がなければ、今でも商品ページを作り続けていたと思います。



