MakeShopとShopifyで月商別に最適なプラットフォームが異なる理由と運用コスト逆転の判断基準とは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
MakeShopとShopifyで運用コストが逆転する理由
MakeShopとShopifyで運用コストが逆転する理由とは、事業規模の成長に伴い、各プラットフォームの費用体系と機能の必要性が大きく変わることを意味する。
初期段階ではMakeShopが低コストで競争力を持つが、月商1,000万円を超える段階ではShopifyの方が総コストが低くなるケースが増えている。
実際の現場では、Shopify管理画面で複数システム連携の設定をしていると、MakeShopではカスタマイズに月額5万円以上の開発費がかかる一方、Shopifyはアプリの組み合わせで同じ機能を月額3,000円程度で実現できる状況がある。この差、正直なところ驚きます。
この違いが、どの段階で顕在化するかが、プラットフォーム選択の最大の判断軸になっていないまま意思決定している企業が多い。
MakeShopとShopifyの費用体系が「運用の重さ」で決まる理由

プラットフォーム選択で9割の企業が見落としている事実があります。
MakeShopとShopifyは構造的に異なる費用モデルを持っている。この違いを理解せずプラットフォームを選ぶと、事業成長とともに予想外のコスト増が発生する。
MakeShopは月額11,000円から月額29,700円の固定料金体系に、カスタマイズ・拡張機能を「追加で個別発注」する仕組み。
Shopifyはベーシックプランが月額29ドル(約4,400円)から始まり、業務システムとの連携や自動化機能が比較的安価なアプリで実現できる設計になっている。
この構造的な違いが、事業規模によって総運用コストを逆転させる。
重要なのはここです。費用が「固定費」か「変動費」かではなく、「何を自動化できるか」「何に人手が必要か」という運用の重さで決まる。
運用コストが逆転する3つの転換点
- 月商100万円~500万円帯:MakeShopが有利 この段階では基本機能の充実度がMakeShopの優位点。外部システム連携が少なく、プラットフォーム内機能で対応できるECサイト運用であれば、月額29,700円のプレミアムプランで大部分がカバーできる。Shopifyでも同額程度の費用がかかるが、初期設定・アプリ導入の手間がMakeShopより多い。判断基準:月商が500万円以下で、システム連携が3個以下の場合はMakeShopを優先検討する。
- 月商500万円~1,500万円帯:コストが接近 この段階で運用の複雑性が上がり始める。在庫管理システム・会計ソフト・CRM・メール配信システムなど複数ツールの連携が必要になる。MakeShopでは各連携ごとにカスタマイズ費用(初回5万円~、月額3,000円~)が発生し始め、Shopifyのアプリ費用(月額500円~3,000円)と相殺され始める。GA4との連携・SNS広告の自動配信・顧客データの一元化など、自動化ニーズが高まるほどShopifyの総コストアドバンテージが現れる。判断基準:月商が1,000万円を超えて3個以上の外部システム連携が必要な場合は、両者の総コスト試算を比較検討する。
- 月商1,500万円超:Shopifyが有利に転換 この段階では運用チームが拡大し、業務自動化のニーズが極めて高くなる。MakeShopでカスタマイズを重ねると月額10万円~20万円の開発保守費がかかるケースが標準化する一方、Shopifyではアプリの組み合わせで月額2万円~5万円程度で同等の自動化を実現できる。さらにShopify Flowで在庫連動・顧客セグメンテーション・サプライチェーン管理までワークフロー化でき、人手コストが削減される。福岡ECサイト株式会社が支援した事例では、月商2,000万円に成長したアパレルECが、MakeShopの月額30万円のカスタマイズ・保守費をShopifyの月額8万円に削減し、浮いた予算を集客に振り向けた結果、さらに月商が1.5倍に成長している。判断基準:月商が1,500万円を超える場合、または外部システム連携が5個以上必要な場合はShopifyへの移行を優先検討する。
見落とされやすい「運用負荷」の差

プラットフォーム選択では費用だけでなく、実際の運用負荷を見落とす企業が多い。MakeShopで実装する場合とShopifyで実装する場合で、誰がどれだけの時間を費やすかが大きく異なる。
例えば、日次の在庫同期にMakeShopでは手作業やCSVインポートの確認に週3時間かかるのに対し、Shopifyのアプリ連携では自動実行される。月商が1,000万円を超えると、この3時間/週の差は年間156時間の労力削減を意味し、給与ベースで換算すると年間150万円~200万円の削減効果になる。
Shopify管理画面でAutomationを設定している最中に気づくのは、MakeShopではカスタムスクリプトの個別開発が必要なタスクが、数クリックで自動化できるということ。この差が「人が増えるのか、システムが増えるのか」を決定的に分ける。ここ、意外と見落とされがちですが重要です。
プラットフォーム選択の判断基準:事業規模別チェックリスト
| 事業段階 | 月商目安 | 優先プラットフォーム | 判断理由 |
|---|---|---|---|
| 起動段階 | 月商0~100万円 | MakeShop | 初期費用・固定費が低く、基本機能で十分。カスタマイズニーズが最小限。 |
| 成長初期 | 月商100~500万円 | MakeShop推奨 (Shopify検討の余地あり) |
MakeShop固定費で対応可能。ただし今後の成長が見えている場合はShopify移行を視野に入れる。 |
| 成長段階 | 月商500~1,500万円 | 要精査 (総コスト比較) |
外部連携数・カスタマイズ内容で逆転。自動化ニーズが高い場合はShopifyが有利。 |
| 拡大段階 | 月商1,500万円超 | Shopify推奨 | 自動化・スケーラビリティでアドバンテージ。開発保守費の総額がShopifyが低い。 |
MakeShopからShopifyへの移行が失敗するパターン

運用コストの逆転を理由にMakeShopからShopify移行を決めても、実際には失敗するケースがある。その多くは「総コストだけを比較して、移行時のリスクと準備期間を見積もっていない」点にある。
典型的な失敗パターンは2つ。1つ目は「既存顧客データの移行エラー」で、過去3年分の顧客購買履歴がShopifyに正しく移行されず、メールマーケティングのセグメンテーションが機能しない状態になるケース。2つ目は「カスタマイズ仕様の過剰引き継ぎ」で、MakeShopで実装していた独自機能を全てShopifyで再実装しようとして、開発費が膨らむケース。
正しい移行判断は「何を移行するか」「何は諦めるか」を事前に決めること。
新しいプラットフォームで出来ることを最優先し、古いプラットフォーム固有の機能への執着を手放すことが、総コスト削減につながる。
福岡ECサイト株式会社が支援した事例:月商100万円から2,000万円への移行戦略
健康食品ECの企業からの相談は「MakeShopで月商1,800万円まで来たが、毎月の開発保守費が25万円かかっている。Shopifyに移行すべきか判断できない」というものだった。
私たちが実施した分析は以下の通り。
- MakeShop現況:月額30,000円+カスタマイズ月額25万円=月額28万円
- 在庫管理・CRM・メール配信システムの3点連携で個別カスタマイズが必要
- Shopify試算:月額29ドル+アプリ月額12,000円+軽微なカスタマイズ月額5,000円=月額約2万円
- 年間コスト差:336万円→240万円で年間96万円の削減予測
しかし重要だったのは、単純なコスト削減ではなく「移行後の成長を見据えたプラットフォーム選択」。月商2,000万円時点でMakeShopでは拡張限界が見える一方、Shopifyなら月商5,000万円まで余裕を持って対応できる構造になっていた。
移行後6ヶ月で実現した変化:月額の保守費が25万円から5,000円へ削減され、浮いた予算をAI検索対策に投下。結果、自然検索からの流入が1.8倍になり、月商は2,000万円から2,800万円へ成長。移行初期の手間と費用(移行プロジェクト費用50万円)を考えても、年間80万円以上の経済効果が出ている。
この事例の最重要ポイントは「コスト削減が目的ではなく、削減した費用で何をするか」を視野に入れていたこと。運用コストの逆転は、新しい投資機会を生む。
プラットフォーム選択の判断フロー
MakeShopとShopifyの選択は、以下の判断フローで決定する。
- 現在の月商を確認 月商の規模で初期判断が決まる。月商500万円以下なら基本的にMakeShop、月商1,500万円超ならShopifyという基準を最初の立ち位置とする。
- 今後12ヶ月の月商予測を立てる 「このペースなら月商が1,000万円を超えるか」を判断する。もし超える見込みなら、早期にShopifyへの移行を検討する価値がある。後から移行するより、成長段階で移行した方がリスクが低い。
- 必要な外部システム連携数を数える 在庫管理・会計・CRM・メール配信・SNS広告など、実際に使っているツールの数を数える。3個以上なら、自動化効率の面でShopifyが有利になる可能性が高い。
- カスタマイズ開発の過去1年間の累計費用を集計 MakeShopで実装した個別カスタマイズの費用合計を計算する。年間50万円以上なら、Shopifyでの自動化で削減できるコストが大きい。
- 総コスト試算を両プラットフォームで立てる プラットフォーム固定費+開発保守費+アプリ費用を12ヶ月分集計し、実際の総コストを比較。判断基準は「月商1,500万円時点で月額5万円以上の差がある場合は移行を優先検討」。
よくある失敗:「総コスト比較だけで移行を決めたが失敗した」
Shopifyへの移行を「コスト削減が目的」で実行すると、実装期間の長期化・移行中の売上低下・既存顧客データ喪失といった隠れコストが発生する。
正しい判断基準は「コスト削減だけでなく、移行後に何ができるようになるか」をセットで考えることです。



