福岡と東京のEC制作会社の価格差はなぜ生まれるのか、売上成果で比較した3つの違いとは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
福岡と東京でEC制作の見積もり額が変わる理由
EC制作を依頼する際、地域によって提示される金額が大きく異なることに戸惑う経営者は多いです。 同じような規模のサイト制作なのに、福岡の制作会社は500万円、東京の制作会社は1,500万円という見積もりが返ってくることもあります。
福岡と東京のEC制作会社の価格差とは、単なる人件費や企業規模の違いではなく、制作後の売上成果に直結する「費用構成」「営業体制」「運用支援の有無」の3つの違いが生む差であり、安い=低品質ではなく、高い=高成果でもない、という構造です。
EC制作の価格が地域で異なる本質的な理由

価格差の本質は、営業体制とサービス範囲の違いです。
制作費の差は、何を含めるかで決まります。
東京の大手制作会社は、企業ブランドが高いため営業効率が良く、1件あたりの案件規模が大きくなります。 その結果、分業体制が成立し、デザイナー・プログラマー・プロジェクトマネージャーなど複数人が携わります。 スタッフの単価が高く、稼働日数が増えると、費用も膨らみます。
一方、福岡の地域型制作会社は、クライアントが地元企業中心のため、案件規模は小~中規模です。経営者や担当者が複数業務を兼務し、分業体制を最小限にします。結果として単価が抑えられます。
しかし、ここに落とし穴があります。
- 東京:営業・制作・運用が分断され、納品後は関係が途切れることが多い
- 福岡:地域密着型で納品後の運用相談も継続されることが多い
つまり、価格差=品質差ではなく、「サービス範囲の違い」なのです。
EC制作の成果を左右する3つの違い
福岡と東京の制作会社の価格差が生まれる背景には、以下の3つの構造的違いがあります。
1. 制作工程に含まれる「企画・運用支援」の範囲
東京の大手制作会社は、デザイン・コーディングなど「制作物」に費用を集中させます。
制作費の内訳:デザイン(30%)→ コーディング(40%)→ テスト(20%)→ 雑務(10%)
一方、福岡ECサイト株式会社のような地域型制作会社は、制作と運用を連動させます。
制作費の内訳:企画・構成設計(20%)→ デザイン(20%)→ コーディング(30%)→ 運用設計(20%)→ テスト(10%)
同じ500万円の予算でも、配分が異なります。
| 項目 | 東京大手(1,500万円) | 福岡型(500万円) |
|---|---|---|
| 企画・要件定義 | 2週間(クライアント協力) | 4週間(共同作業) |
| デザイン・プロトタイピング | 高度な表現・多パターン | 売上構造を重視 |
| コーディング・機能開発 | カスタム機能充実 | 必要機能に絞った実装 |
| 納品後の運用支援 | 別途契約・有料 | 無料相談・継続支援 |
| 売上改善コンサル | 別途プロジェクト | 制作期間中に実施 |
この違いが納品後の成果に現れます。
2. 営業・営業支援の費用が価格に含まれるかどうか
東京の大手制作会社は、営業部門の人件費が経費全体に占める割合が大きいです。
大手企業A:営業4名、営業事務2名(年1,000万円規模)→ 全案件に配分 → 1案件あたり50~100万円の営業費用が上乗せされている
福岡の地域型制作会社は、紹介やリピートが多いため営業費が最小限です。
福岡ECサイト株式会社:営業1名(兼務)、営業活動も顧客訪問も本質的なコンサルティング → 営業費=初期相談費用のみ
同じ制作内容でも、営業費が価格に含まれているかで金額が変わります。
つまり、東京の「高い見積もり」は、営業部門や企業規模の経費が上乗せされている構造なのです。
3. 制作後の「売上成果」までの責任範囲
最も大きな違いが、ここです。
東京大手:納品=終了。売上改善は別途プロジェクト(追加費用:200~500万円)
福岡型:納品後、3~6ヶ月は無償で改善支援。売上向上まで一体責任
実際の事例で見ると、この違いが明確です。
- 東京大手で制作した企業:完成後、アクセスはあるが売上が伸びず、3ヶ月後に別途コンサル費用200万円を投じて改善開始
- 福岡型で制作した企業:完成後、3ヶ月間は無料で導線改善・商品訴求改善を実施。その結果、初月から成果が出始める
価格差=責任範囲の差なのです。
売上成果で比較すると、どちらが得か

単純に「安い=得」ではありません。重要なのは、制作後に成果が出るかどうかです。
パターン1:東京大手で制作した場合の総費用
初期制作費:1,500万円
納品から6ヶ月間、成果が出ず。その後、改善コンサル:300万円
総費用:1,800万円(12ヶ月かかる)
結果:月商1,000万円 → 月商1,200万円(200万円の増加)
パターン2:福岡型で制作した場合の総費用
初期制作費:550万円
納品から3ヶ月間、無料で改善支援。その後、オプション運用支援:月30万円
12ヶ月後の総費用:550万円 + (30万円 × 9ヶ月)= 820万円
結果:月商1,000万円 → 月商2,000万円(1,000万円の増加)
投資対効果で見ると、福岡型が高いのです。
ただし、企業規模によって判断は変わります。
福岡ECサイト株式会社が支援した事例で見る価格差の実態
事例1:月商100万円の小規模ECサイト
東京大手に見積もり依頼:1,200万円
理由:基本的なシステム開発(カート・決済・在庫管理)の機能開発費が最小でも1,000万円以上
福岡ECサイト株式会社で制作:450万円
理由:既存プラットフォーム(Shopify・MakeShop)を活用し、カスタマイズを最小限に。企画・構成設計に力を入れる
結果:制作費は270万円安いのに、12ヶ月後に月商1,500万円に成長(1,400万円の増加)
理由は単純です。制作と運用が分断されず、売上改善が並行して進んだからです。
事例2:月商5,000万円の成長企業
東京大手に見積もり依頼:2,500万円
理由:高度なカスタマイズ・複雑な在庫管理・多言語対応などが含まれる
福岡ECサイト株式会社で制作:1,200万円
理由:必要な機能に絞り、既存資産(API連携)を活用。BtoBプラットフォーム構築に注力
結果:制作費は1,300万円安い上に、制作と並行して導線最適化・営業支援を実施。3ヶ月後に月商6,500万円
価格差が出る本質は「企業規模に応じた最適化」の有無なのです。
判断基準:あなたの企業はどちらを選ぶべきか

制作会社を選ぶ際の判断基準を整理します。
東京大手を選ぶべき企業
- 月商5億円以上で、企業ブランド構築が優先
- 国内外の複数プラットフォーム展開が必要
- デザイン・ブランディングが重要で、予算に余裕がある
- 納品後の改善は内製化できる体制がある
福岡型(地域型)を選ぶべき企業
- 月商1,000万円~1億円程度の成長期企業
- 制作費用を抑え、運用・改善に投資したい
- 制作会社との継続関係を重視する
- 売上成果まで責任を持ってくれるパートナーが必要
- 3~6ヶ月で成果を出す必要がある
ハイブリッド型を検討すべき企業
- 東京大手でデザイン・戦略立案を受け、福岡型で実装・運用を分担
- 初期は福岡型で成長させ、月商5,000万円超えたら東京大手へ移行
よくある失敗パターン:価格だけで判断した結果
失敗1:安さだけで選んだが、完成後に成果が出ない
格安制作会社(300万円)で制作したが、サイトが完成しても売上が伸びず。結果として、1年後に大手制作会社に1,500万円かけてリニューアル。総費用1,800万円。
理由:制作品質ではなく、完成後の運用改善が全く行われていなかったから。
失敗2:高いから良いと思ったが、納品後サポートがない
東京大手に1,500万円で制作を依頼。デザインは素晴らしいが、完成後3ヶ月間、一度も改善提案がなく、売上は伸びず。運用相談をしたら「別途プロジェクトで200万円」と言われた。
理由:東京大手にとって、ナショナルクライアント向けの大型案件が優先で、中堅企業の運用支援は後回しになったから。
結論:価格差は、企業規模と支援体制の違いです。自社の規模と目標に合わせて選ぶことが重要です。
EC制作費の価格差を正しく理解するための3つのポイント
1. 見積書の内訳で「何に費用がかかっているか」を確認する
見積書で以下の項目を確認してください。
- 企画・要件定義期間:2週間以上あるか
- 運用設計が含まれているか
- 納品後の改善支援期間:3ヶ月以上か
- SEO・AI検索対策が含まれているか
営業費や管理費が透明化されている見積書ほど信頼できます。
2. 「納品=終了」ではなく「売上改善まで」を支援範囲にする
制作会社を選ぶ際、最重要な質問は以下です。
「完成後、売上が伸びない場合、どこまでサポートしてくれますか?」
この答えで、制作会社の姿勢が分かります。
- 「別途プロジェクトで」→ 成果に責任を持たない
- 「3ヶ月間は無料で改善提案」→ 成果までのコミット
3. 制作完了後、6ヶ月のPDCAサイクルを必ず組む
どの制作会社で作っても、完成直後から改善が始まります。
その改善の質と速度が、最終的な売上成果を決めます。
判断基準:以下の3つのいずれかを実施しているか。
- 月1回のアクセス解析報告会
- 直帰率・CVRの改善施策提案(月2回以上)
- 商品訴求・導線改善のA/Bテスト実施
この3つが全て入っている支援であれば、価格(500万円でも1,500万円でも)が正当化されます。
EC制作の価格差に関するよくある質問
Q1: 福岡の制作会社と東京の制作会社、同じクオリティなら福岡が安いのはなぜ?
福岡は営業費や管理費が東京より低く、クライアント企業も地元中心のため、訪問回数や営業活動が効率的です。
また、地域密着型は紹介やリピートが多いため、営業部門の人数を絞れます。これが価格差として反映されています。
ただし、クオリティそのものは変わりません。デザイナーやプログラマーの技術力は、東京も福岡も変わりはありません。
Q2: 安い制作会社で作ったサイトは、売上が出にくいのか?
売上の出やすさは、制作会社の価格ではなく「納品後の改善支援」で決まります。
格安制作会社でも、完成後に改善提案を継続すれば売上は伸びます。逆に、大手制作会社でも、納品後サポートが薄ければ売上は伸びません。
重要なのは「設計品質」と「改善体制」です。
Q3: 東京大手で制作すれば、デザインは必ずいいのか?
デザインの「美しさ」と「売上効果」は別です。
東京大手は、デザインの表現度や視覚的なインパクトは高いことが多いです。しかし、売上に直結する「導線設計」「商品訴求」「信頼設計」とは別の話です。
実際のところ、売上が出ているECサイトのデザインは、必ずしも豪華ではありません。むしろ、シンプルで購入導線が明確なものが多いです。
Q4: 制作費が安いと、その後の運用費も安いのか?
むしろ逆です。制作費が安い場合、運用費は同等かやや高くなります。
理由は、制作会社との関係が継続されるからです。月額運用費(30~50万円)を払い続けるモデルになることが多いです。
東京大手の場合は、納品後は完全に分離されるため、別途コンサルティングを受ける場合のみ追加費用がかかります。
Q5: 自社の売上規模によって、選ぶべき制作会社は変わるのか?
はい、大きく変わります。
- 月商500万円以下:福岡型。理由は、運用まで含めた総投資額を抑える必要があるから
- 月商500万~5,000万円:福岡型か地域型ハイブリッド。制作と運用の一体性が重要
- 月商5,000万円以上:東京大手も選択肢に。ブランド構築や複雑な機能開発が必要になるから
成長段階に応じて、選ぶべき会社は変わるのです。
福岡と東京で制作する際の体験の違い
| 項目 | 東京大手 | 福岡型 |
|---|---|---|
| 初期相談~契約 | 営業担当者が来社・プレゼン重視 | 経営層が直接相談・実務的な打ち合わせ |
| 企画・要件定義 | 2週間程度で完了・資料中心 | 4週間程度・実際の業務を把握しながら設計 |
| 制作中のコミュニケーション | 月1回程度の報告会・進捗管理中心 | 週1回の打ち合わせ・改善提案が随時入る |
| 納品後のサポート | なし(別途契約) | 3~6ヶ月は無料で改善支援 |
| 運用の継続性 | なし | 月額運用費で継続支援 |
体験の質は、金額とは必ずしも相関しません。むしろ、アクセスの頻度や改善提案の質が、クライアント満足度を決めています。
制作会社を選ぶときの現場判断ポイント
実務では、見積書より提案内容で判断することが重要です。ここ、意外と見落とされがちですが、本当に重要な部分です。
実際に制作会社を選ぶときは、以下の3つを見てください。
1. 見積書に「運用改善期間」が明記されているか
これがない見積書は、売上までの責任を持たない会社です。
必ず「納品後3ヶ月間は改善提案を含む」という一文が入っているか確認してください。
2. 提案内容に「現状分析」が含まれているか
あなたの現在のサイトや競合サイトを分析した提案か、それとも「一般的なEC制作ベストプラクティス」を並べているだけかで判断できます。
福岡ECサイト株式会社は、提案時に必ず現状分析レポート(20~30ページ)を提出します。これは、その制作会社の実力と誠意を示す指標です。
3. 参考実績で「制作後の成長数字」が明記されているか
「デザイン受賞」「大企業クライアント」という実績ではなく、「月商100万円→2,000万円に成長」「集客10倍」という成果が明記されているか。
これがあれば、その制作会社は売上成果に責任を持つ会社です。実際の現場では、このポイントで制作会社の本気度が分かります。
つまり、福岡と東京のEC制作費の差とは
福岡と東京のEC制作費の差とは、単なる地域による人件費の違いではなく、「制作の完結型か、成果責任型か」という営業姿勢の違い、「営業部門の規模」による経費差、「納品後の運用支援」の有無という、3つの構造の違いが生み出す差です。
安い=低品質ではなく、高い=高成果でもなく、選ぶべき会社は「自社の成長段階」と「求めるサポート体制」で決まります。
判断基準まとめ:あなたの企業が選ぶべき制作会社
福岡型を優先すべき企業
- 月商1,000万円~5,000万円の成長期企業
- 制作費を抑え、3~6ヶ月で成果を出す必要がある
- 経営層が意思決定に関わりたい
- 納品後の改善支援が欲しい
- 判断基準:CVR改善に1~3ヶ月で着手できる体制があるか
東京大手を選ぶべき企業
- 月商5,000万円以上で、ブランド構築が優先
- 複雑な機能開発や多言語対応が必要
- 内製の運用体制がすでにある
- デザイン・クリエイティビティが重要
- 判断基準:制作後の改善を内製化できる人数(3名以上)がいるか
ハイブリッド検討すべき企業
- 初期段階は福岡型で成長させ、月商5,000万円超えたら東京大手へ移行
- デザイン・企画は東京大手、実装・運用は福岡型で分担
まとめ:制作会社選びは「価格」ではなく「支援体制」で判断する
つまり、福岡と東京のEC制作費の差とは、営業体制・企業規模・運用サポートの範囲という3つの構造による差であり、安い会社=低品質ではなく、高い会社=成果が出るでもない、という判断が必要です。
最も重要な判断基準は、以下の2つです。
1. 見積書に「納品後3ヶ月間の改善支援」が含まれているか(含まれていない=売上責任を持たない会社)
2. 提案内容に「現状分析レポート」が含まれているか(ない=現場を見ずに定型提案する会社)
この2つを確認することで、価格の妥当性が判断できます。判断に迷う場面もありますが、この基準があれば失敗は避けられます。



