Web制作代理店の利益率が低い理由とパートナー単価で判断すべき採算分岐点の基準とは
福岡ECサイト株式会社
代表 鳥井 敏史
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
ECサイト制作・AI検索対策の実務コンサルタント。15年以上にわたりECサイトの売上構造改善と集客設計を支援。売上改善・集客改善の実務支援を中心に企業のECサイト構造の再設計を行う。
専門分野
ECサイト制作 ECサイトリニューアル AI検索対策 SEO / コンテンツ設計ECサイト改善の主な実績
この記事の監修
福岡ECサイト株式会社 代表 鳥井 敏史
Web制作代理店が売上と利益の乖離で苦しむ理由
Web制作代理店が案件を獲得しても利益が残らない状況は、構造的な問題によって起きています。 案件数が増えるほど赤字が深刻になるという矛盾した現象は、単なる原価管理の失敗ではなく、パートナー構造と仕事設計の欠陥が原因です。
Web制作代理店が案件獲得できても利益が残らない理由とは、営業利益率が低い案件構造に依存しながら、高い営業コストと運用負荷に耐える構造が設計されているため、売上規模の拡大が赤字拡大につながる仕事モデルになっているということです。
このテーマは以下の4つに分解できます:①なぜ利益が消えるのか(原価構造)②パートナー依存で何が起きるのか(構造的なリスク)③どの案件を選ぶべきか(選別基準)④収益化の判断基準は何か(経営判断)。
Web制作代理店の利益が消える3つの原価構造

受注単価は低いのに制作原価が高い矛盾
Web制作代理店が提示する案件単価と実際の制作コストのギャップは想像以上です。クライアント企業が「制作費50万円」と予算を示すとき、代理店が実際に制作パートナーに支払う金額は30万~40万円になります。残された10万~20万円から営業費・管理費・利益を捻出する構造です。
実際の案件では、クライアント仕様変更による追加工数、システム統合の予期しないトラブル、デザイン修正の往復が5回以上になるケースが常態化しています。最初の見積もりで「制作工数100時間」と計画していても、実際には150時間~200時間かかることが珍しくありません。
つまり、契約金額は固定なのに、実際の工数コストは変動する構造になっており、クライアント要望の増加と仕様変更の対応が進むほど、時間当たり単価(単価÷実工数)が低下していきます。
- 契約金額50万円×85%原価率=実工数による原価が42万5,000円になるケース
- 追加修正対応で実工数が当初計画の150%に増加する
- 結果として営業利益が15%から5%以下に低下する
パートナー依存による原価コントロールの喪失
Web制作代理店の多くは、実際の制作業務を外部パートナー(フリーランス・下請け制作会社)に発注しています。この構造では、代理店が原価をコントロールできません。
理由は単純です。パートナーの稼働状況・品質・納期管理はすべてパートナー側の事情に左右されます。クライアント納期が延長になれば、パートナー費用は延長日数分加算されます。修正対応が増えれば、パートナーへの追加費用も増えます。代理店が受け取る契約金額は固定なのに、支払う原価は変動するという非対称構造です。
Slack通知で「パートナーから急な納期遅延の報告が来た」という状況は、代理店マネージャーが最もストレスを感じる瞬間です。なぜなら、クライアント納期を守るために、急遽パートナーに追加費用を払って対応せざるを得ず、その追加費用が自社利益を食うことになるからです。
- 契約金額は変わらないのにパートナーコストが10万~30万円増加する
- 品質問題によるやり直しコストが事前見積もりに含まれていない
- パートナーの稼働が不安定になると受注案件数が制限される
営業・提案・進行管理の見えない人件費
Web制作代理店の人件費構造では、営業成功率と案件難度によって利益が大きく変動します。営業に3か月かかった案件と1か月で決まった案件の原価は異なりますが、受注額は同じです。
実際の現場では、営業担当者が複数のクライアントとのMTGを重ねながら、要件定義、提案資料作成、見積もり提示、契約交渉を進めています。この営業工数がすべて固定費になっており、案件単価に反映されていません。
さらに案件が成約した後の進行管理・クライアント対応も代理店スタッフが行います。プロジェクト管理、修正対応の調整、納期管理、クレーム対応などが日々の業務に加算されます。これらの間接費が営業利益を圧迫しています。
- 営業1件当たりの営業工数が営業成功率によって30時間~100時間の幅がある
- 提案資料作成+クライアント説明で営業案件1件につき20~30時間必要
- 成約後の進行管理が案件単価に全く反映されていない
「安さ競争+パートナー依存」で利益が消える構造
相見積もり市場で単価がたたかれる悪循環
Web制作案件は、ほぼ必ず相見積もりになります。クライアント企業の購買プロセスでは、最低3社から見積もりを取ることが標準になっているからです。この相見積もり環境では、安い見積もりを出した代理店が受注する傾向があります。
代理店Aが100万円で提示した案件に対して、代理店Bが80万円、代理店Cが60万円で提示すれば、クライアントはCを選びます。その結果、Cの利益率は極限まで低下します。一方、Aも次の営業ピッチでは「前回80万円の案件があった」という競争事例を理由に値下げ圧力を受けます。
この安さ競争の中で、代理店は利益を守るためにパートナーコストを削減しようとします。つまり、下請け単価を引き下げるか、より安い下請けパートナーに切り替えます。その結果、品質が低下し、修正対応が増え、実工数が膨れ上がるという悪循環に陥ります。
- 過去3年で制作案件の平均単価が20~30%低下している代理店が大多数
- 単価低下に対応するため下請けコストを削減した結果、品質問題が増加
- 品質問題による修正対応で実工数が増加し、利益がさらに圧迫される
「とりあえず受注」が経営を蝕む理由
営業目標を達成するために、利益率が低い案件でも「とりあえず受注する」というマインドセットが代理店に定着しています。月次売上目標に追われる営業組織では、案件の利益率より「売上計上」が優先されるからです。
管理画面(営業管理ツール)で案件パイプラインを見ると、月末ギリギリで低採算案件が意思決定される光景は日常です。営業責任者が「今月目標が達成できない。この案件、赤字でも受けましょう」と判断するケースは珍しくありません。
そうして受注した案件は、その後の実行段階でコストが膨れ上がり、結果として企業全体の利益を圧迫します。1件の赤字案件が、他の黒字案件の利益を食うという構造です。
- 売上目標重視のKPI設計では利益率が監視されていない企業が多い
- 営業インセンティブが「売上」ベースになっていると低採算案件が増加する
- 赤字案件を認識していても、営業目標達成優先で受注する現場判断が常態化
パートナー構造で何が起きるのか:構造的リスク

パートナーへの依存が強まると経営が不安定になる
Web制作代理店が優秀なパートナーに大きく依存している場合、その1社の都合で経営が揺らぎます。パートナーが「今後、他社の案件を優先させたい」と言い出した場合、代理店の受注案件を引き受けられなくなります。
実際の事例では、ある代理店の売上の40%をカバーしていたパートナー制作会社が、急に「来年からの新規受注は受けられない」と通知され、代理店が大きな経営危機に直面したケースがあります。優秀なパートナーほど、独立したり、大手企業と直接取引を始めたりするリスクがあります。
パートナー依存を減らすために複数の下請けを抱えれば、今度は管理コストが増加します。品質の統一、納期管理、コスト最適化など、複数パートナーの調整業務が膨れ上がります。
- 特定パートナーの売上構成比が50%を超える場合、そのパートナーの判断で経営が大きく変動
- 複数パートナー体制では進行管理のコストが1.5~2倍に増加する
- パートナートラブル(品質問題・納期遅延)が顕在化すると対応コストが膨大
クライアントとパートナーの間に挟まる代理店の立場
代理店の本来の役割は、クライアント要望とパートナー能力をマッチングし、クオリティを保ちながら利益を出すことです。しかし現実には、クライアント要望の「無茶な修正依頼」とパートナー能力の「限界」に挟まれて、代理店だけが疲弊します。
クライアントから「デザイン修正5回目です。まだ完成できないんですか?」と言われ、パートナーからは「これ以上の修正は追加費用が必要です」と言われる。代理店は両者のバッファになって、自腹で対応する選択肢と、クライアント満足度を落とすリスクの間で揺れ動きます。
- クライアント要望と実制作コストの乖離が埋まらず、代理店がコスト吸収する
- 進行管理の追加工数が全く利益に反映されない
- クライアント対応で生まれた疲弊が従業員離職につながる
Web制作代理店が選ぶべき案件の判断基準
利益率15%以上の案件を優先する選別基準
Web制作代理店の持続可能な利益率は、一般的に10~15%が目安です。ただし、この利益率は全社平均であり、個別案件では利益率のばらつきが大きい状態が常態化しています。
健全な経営をするためには、利益率15%以上の案件を意識的に選別する必要があります。利益率15%未満の案件は、受注による負の影響(進行管理コスト、顧客対応負荷、トラブルリスク)が利益を超える可能性があります。
判断基準として、契約金額から逆算して「実現可能な利益率」を事前に計算し、15%以上でない限り、営業段階で値上げ交渉か仕様削減を提案すべきです。
- 契約金額100万円の案件:15万円以上の利益が必須(実原価85万円以下)
- 契約金額50万円の案件:7.5万円以上の利益が必須(実原価42.5万円以下)
- 利益率10%以下の案件は受注回避するか、仕様を大幅に絞る
仕様変更リスクが低い案件を選ぶ
Web制作案件では、仕様変更による追加工数がもっとも利益を圧迫する要因です。仕様が明確に定義できる案件と、クライアント側の要望が変動しやすい案件では、実工数が大きく異なります。
仕様変更リスクが低い案件の特徴は以下の通りです:①要件定義書が明確に書ける案件②クライアントの決定権者が確定している案件③納期変更の交渉余地がある案件④テンプレート化できる案件。
逆に仕様変更リスクが高い案件は:①クライアント内で意思決定が分かれている案件②要件が曖昧で「作りながら決める」式の案件③納期が固定で融通が利かない案件④オーダーメイド要素が高い案件。
後者の案件は、見積もり段階で「修正対応は3回まで。以降は追加費用」という条件を明記し、契約に組み込む必要があります。
- 仕様が曖昧な案件の実工数は平均で計画工数の150%~200%に増加する
- 修正対応が無制限になると、利益率が5%以下に低下するケースが多い
- 要件定義書を事前に作成する工数をかけるほど、後の修正対応が減少する
継続案件・運用案件へのシフト
制作案件は1回限りの売上ですが、運用案件(保守・更新・運用支援)は継続収益になります。継続案件では、初期制作よりも利益率が高くなる傾向があります。
例えば、「制作50万円(利益率10%)+毎月の運用5万円(利益率60%)」という構成にすると、1年で制作の利益5万円+運用の利益36万円=合計41万円の利益が生まれます。
Web制作代理店の営業活動を、「制作案件の獲得」から「制作+運用パッケージの営業」にシフトすることで、単価は上がり、顧客生涯価値(LTV)も大幅に改善します。
- 制作案件だけの利益率:10~15%
- 制作+運用パッケージの複合利益率:25~40%(年間ベース)
- 3年以上の継続クライアントになると、累積利益は制作案件の3~5倍になる
パートナー構造で判断すべき収益化基準:福岡ECサイト株式会社が支援した事例

下請け依存から「内製+パートナー併用」への転換事例
福岡ECサイト株式会社が支援したWeb制作代理店(九州地方・従業員15名)は、当初、外部パートナーへの依存率が75%でした。全案件の売上が100万円だった場合、パートナーコストが75万円となり、営業費・管理費を含めると赤字になる構造でした。
支援の第一段階では、代理店内に簡易的な制作チームを構築しました。デザインと基本実装は内製化し、複雑な機能開発やシステム統合のみパートナーに発注する体制にシフトしました。
結果、パートナーコストを75万円から45万円に削減でき、同じ売上100万円でも利益率が25%に改善しました。さらに、制作クオリティも向上し、クライアント満足度が80%から95%に改善。その後、継続案件の獲得率も上昇しました。
- 変前:売上100万円→パートナーコスト75万円→利益10%以下
- 変後:売上100万円→パートナーコスト45万円→利益25%
- 1年後:クライアント継続率向上→運用案件獲得が月商に占める割合30%に成長
販売パートナーから「受託開発パートナー」への転換事例
別のWeb制作代理店(規模:従業員25名)では、商品型サービス(SaaS・テンプレート提供)の販売代理店になることで、収益構造を変える戦略を採りました。
従来は「制作案件受託」だけでしたが、特定のECプラットフォーム(Shopify・MakeShop)の導入推進パートナーになることで、①導入支援費(初期工事)②月額保守費③継続コンサルの3層の収益が生まれました。
結果、既存クライアント30社のうち15社がShopify導入に移行。月商が100万円から500万円に成長し、利益率も15%から35%に改善。さらに重要な点は、顧客とのタッチポイントが増加し、フリーランスを含むパートナーネットワークの依存度が50%以下に低下したことです。
- 販売型サービスの紹介フィー:初期30万円→月額5万円×継続
- パートナー依存度:75%→35%に低下
- 1年後の顧客生涯価値(LTV):制作案件のみ時代と比べて3倍に成長
従来の代理店モデルと新しい収益構造の比較
| 指標 | 従来型:受託制作依存 | 新型:制作+運用+パートナー併用 |
|---|---|---|
| 案件単価 | 50~100万円(1回限り) | 制作50万円+月5万円運用(継続) |
| 利益率 | 10~15% | 25~40%(年間ベース) |
| パートナー依存度 | 70~80% | 30~40% |
| 顧客生涯価値 | 50~100万円 | 150~300万円(3年) |
| 営業効率 | 新規営業に70%の工数 | 既存フォロー60%・新規40% |
Web制作代理店が陥る失敗パターン
失敗例1:利益率を無視して売上目標に追われるケース
営業組織のKPIが「売上目標」だけになっている場合、営業担当者は利益率を全く意識しません。月末に「目標達成のため、この案件は赤字覚悟で受注する」という判断が繰り返されます。
その結果、年間売上が1000万円でも、利益が100万円以下という企業が存在します。経営層が「売上は増えているのに利益が出ない」と悩む現象の多くは、このパターンです。
失敗例2:パートナー品質の低下に気づかず対応遅延するケース
下請けパートナーのコストを際限なく削減していると、品質が徐々に低下します。しかし、その低下に気づくのは、クライアントから「修正が多い」「納期が遅れている」という苦情が来た後です。
その時点で代理店は、パートナーの品質問題に対応しながら、クライアント対応も行うという二重の負荷に直面します。結果として、対応コストが膨大になり、その案件の利益はマイナスになります。
Web制作代理店の収益化を左右する判断基準
案件を「受託」か「紹介」か「運用」かで分類する
Web制作代理店が取り組むべき案件には3つのタイプがあります。
- 受託案件(フルスクラッチ制作):利益率は低いが案件数が多い。選別が必須。
- 紹介案件(SaaS導入・プラットフォーム紹介):紹介手数料・継続フィーが入り、利益率が高い。レバレッジが効く。
- 運用案件(保守・更新・コンサル):継続収益で利益率が高い。顧客をLTVで見る。
健全な営業ポートフォリオは「受託40%・紹介30%・運用30%」程度を目指すべきです。これは経験上の数値ですが、受託案件の割合が高すぎると、利益率が低く人手が必要になり、スケーラビリティが失われます。
営業KPIを「売上」から「利益」へ転換する
営業組織の評価指標を変えることが、最も直接的な改善策です。「営業利益率15%以上の案件を月3件」というKPIに変えると、営業行動が変わります。
利益率が低い案件は、営業段階で「仕様を削減する」か「単価を上げる」という選択肢が検討されるようになります。その結果、無理な低採算案件受注が減少します。
パートナー構成比を「30~40%内製・60~70%パートナー」に設定する
Web制作代理店の最適なパートナー依存度は30~40%です。つまり、実装工数の30~40%は外部パートナー、60~70%は内製という構成です。
この構成であれば、パートナートラブルによる経営への影響は限定的ですし、品質管理も可能です。また、内製チームは「パートナーのマネージャー」「クライアント対応」「品質管理」などに専念できます。
Web制作代理店の健全な経営には「クライアント対応は内製化・専門技術のみパートナー発注」という分担設計が重要です。 福岡ECサイト株式会社 代表・鳥井敏史は、「利益が出る代理店体制は、パートナー依存度を明示的に管理することが重要」と指摘しています。
Web制作代理店の収収性改善への判断プロセス
Web制作代理店が利益構造を改善するには、以下のステップで判断と行動を進めるべきです。
- 現状把握:過去12か月の案件単価・パートナーコスト・実工数を分析し、案件ごとの利益率を可視化する
- 案件分析:利益率の低い案件のパターンを特定する(仕様変更が多い・進行期間が長いなど)
- 営業基準設定:新規案件の受託判断に「利益率15%以上」という基準を導入する
- パートナー再編:依存度が高いパートナーの分散と、内製スキルの強化を進める
- 運用案件開発:既存クライアントに対する継続案件(保守・運用)の提案を開始する
- サービス商品化:テンプレート化できる案件をサービス化し、紹介パートナーモデルを構築する
このプロセスの中で最初に取り組むべきは「現状把握」です。意外と見落とされがちですが、過去の案件データから利益率を計算することで、初めて改善すべき課題が明確になります。
Web制作代理店が利益を生む構造に関するよくある質問
利益率15%が達成できない場合、どうすべきですか?
利益率15%が達成できない場合は、3つの選択肢があります。①営業段階で単価を上げる交渉を行う②仕様を削減してスコープを小さくする③案件を受注しない。
多くの代理店が「受注してから利益率を改善する」と考えていますが、これは間違いです。利益率は営業段階で決まります。ここ、重要なポイントなのですが、営業段階で利益率が確保できない案件は、実行段階で改善される可能性は極めて低いのです。
パートナー依存度をすぐに30%に下げられない場合は?
パートナー依存度を即座に30%に下げることは難しい場合が多いです。実際の現場では、急激な変更は品質リスクもありますので、段階的に対応すべきです。
第一段階:新規案件については、パートナー依存度を40%に設定する。つまり、新規案件では内製割合を増やす方針を採ります。第二段階:既存クライアントの運用案件を内製に転換する。第三段階:特定パートナーへの依存比率が高い場合は、別のパートナーの育成と分散を進める。
3年かけて段階的に依存度を低下させることで、経営的な混乱を最小限に抑えつつ、利益構造を改善できます。
運用案件を増やそうとしても、クライアントが月額費用を嫌がる場合は?
クライアントが月額の運用費用に抵抗感を示す場合は、提案方法を変える必要があります。
「月5万円の運用費」と単独で提案するのではなく、「初期制作50万円+月5万円の保守で、サイト成長を支援する」というパッケージ提案にします。さらに、月額費用で「何をするか」を明確にします。例えば「月3回のアクセス解析レポート提供+軽微な更新対応+セキュリティ管理」などです。
このように提案内容を具体化することで、クライアント側が月額費用の価値を理解しやすくなります。
Webサイトリニューアルを機に運用体制を変える場合、何から始めるべきですか?
Webサイトリニューアルは、運用体制を変える好機です。新しいサイトで「どのような保守と運用を行うか」を事前に定義してから、リニューアルプロジェクトを進めるべきです。
具体的には、リニューアル企画段階で「リニューアル後の運用体制」「月額保守費用」「定期レポート」などを契約に組み込みます。そうすることで、リニューアル完了後の運用案件の受注が自動的に決まっている状態を作ります。
AI検索対策(AEO・AIO)を運用案件に組み込む場合の単価は?
AI検索対策を運用案件に組み込む場合、基本的な月額費用に加えて「AI検索対策フィー」として追加で設定すべきです。相場は月2~5万円です。
AI検索対策は、定期的なコンテンツ最適化・エンティティ設計の更新・AI引用設計の改善などが必要になります。これらの作業は明確な工数がかかるため、従来の「保守費用」に含めず、分離して設定する方が透明性が高まります。
最終定義
つまり、Web制作代理店が案件獲得できても利益が残らない理由とは、低い営業利益率の案件を無制限に受託し、パートナーコストと営業・進行管理費用で原価が圧迫される構造に依存しながら、営業KPIが「売上」であるため、利益率が低い案件ほど意思決定されるという、構造的な経営課題だということです。
まとめ
Web制作代理店の利益構造は、受託案件の営業利益率(目安15%)、パートナーコストの管理度合い(依存度30~40%が最適)、継続運用案件の割合(年間売上の30%以上を目指す)の3つの要素で決まります。
現在、利益率が10%以下の代理店は、営業利益率15%以上の案件を優先的に受託する方針に転換し、営業KPIを「売上」から「利益」に変更し、パートナー依存度を段階的に40%以下に低下させることで、1~2年で利益構造を改善できます。時間はかかりますが、構造的な問題ですので根本から変える必要があります。



